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2026/06/17(水)

【川畑のぶこ】頑張っても頑張っても上手くいきません……

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。

———————–

【Q】はじめまして。
いつも興味深く拝読しています。

19歳の長男と中学3年生の次男を
育てています。

私は昔から不器用で、要領の悪い人間です。

優秀な両親や兄弟に囲まれて育ち、
「自分は人の何倍も努力しないと
欲しいものは手に入らない」と
早くから感じていました。

そのため、人の何倍も努力してきました。
そして独身時代は、自分の願う幸せを
手に入れることができました。

結婚後は、夫婦関係も子育ても
思い描いていた通りではありませんでしたが、
その都度「今までのように精一杯やれば、
結果がついてくる」と自分を鼓舞し、
19年間頑張ってきました。

夫は自分が一番大切。
稼ぐこと以外には関心がなく、
子育て、家事に非協力的です。

子どもたちは幼い頃には発達特性も
ありましたが、少しでも良い環境をと思い、
小学校から私立に通わせ、
お金も時間も全部子どもに使ってきました。

ところが、勉強はできると思っていた長男
は大学受験で全落ちし浪人。

次男に至っては、幼い頃から運動、勉強、
何をやらせてもできない上、
すぐ諦め努力すらしません。

友人にいじめられ、バカにされたり、
酷い成績表、提出物も出さない、
部活の試合での活躍しない姿と、
見たくないものばかりを目にする日々です。

長男の受験失敗。一向に変わらず、
ますます酷くなる次男の姿。

常に、周りの順調そうな人が
羨ましいと思ってしまう自分、、、。

何もしない主人からは、
私が与えすぎた結果だと言われ、
私の19年間が改めて否定され
大きなバツをもらったように感じています。

子ども達のためを思って、
頑張っても頑張っても上手くいかず、
どうすればよいのか分かりません。

頑張りすぎる自分が肩の力を抜いて
子育てしたら良かったのか。

周りの方に迷惑をかけず、
必要な時に努力をし、
人並みに物事ができる子に育って欲しい
という、子ども達への期待を
断捨離すればいいのでしょうか。

アドバイスをいただければ幸いです。

【おぎちゃん・40代・パート主婦】

【A】おぎちゃんさん、こんにちは。
ご相談ありがとうございます。

19年間、ご自身の時間もエネルギーも
お金も、できる限りのものを
家族に注いでこられたのですね。

それにもかかわらず、
長男さんの受験のつまずき、
次男さんへの心配、
ご主人からの
「与えすぎた結果だ」という言葉。

まるでこれまでの努力のすべてに
「不合格」の判を押されたような気持ち
になってしまうのも無理はありません。

まず、おぎちゃんさんの19年間は
決して失敗ではありませんし、
誰もその歳月を否定することなど
できません。

文面から伝わってくるのは、
頑張りが足りなかった母親の姿ではなく、
精一杯愛し、精一杯支えてきた母親の姿
でしかありません。

まずはどうか、そのことを
ご自身でも認めてあげてくださいね。

おぎちゃんさんは幼い頃から、
「私は人の何倍も努力しないと欲しい
ものは手に入らない」という信念を
持って生きてこられたのですね。

そして実際に、その信念は
おぎちゃんさんの人生の多くの面で
機能していたことと思います。

努力して結果を出し、
努力して道を切り開き、
努力して幸せを手に入れてきた。

だから困難に直面するたびに、
「もっと頑張れば何とかなる」
と自分を奮い立たせてきた。

これはおぎちゃんさんの
大きな強みだと思います。

ところが、
人生には努力で変えられるものと、
変えられないものがあります。

自分の行動や選択は変えられます。

けれど、夫の性格、子どもの気質、
子どものやる気、受験の結果、他人の評価、
これらはおぎちゃんさんや他人が
完全にはコントロールできないものです。

子育てや夫婦関係は、
自分以外の人間と向き合う営みです。

そこでは、独身時代に成功をもたらして
くれた「努力すれば結果が出る」という
法則が、そのまま通用するとは限りません。

おぎちゃんさんが苦しんでいるのは、
子どもたちそのものではなく、

「こう育ってほしかった」という
おぎちゃんさんの抱く理想とのギャップ
でしょう。

本当は、勉強を頑張り、
友人とうまく付き合い、努力を惜しまず、
部活でも活躍し、人並みにきちんと
できる子に育ってほしかった。

もちろん、それは親として自然な願いです。

ただ、現実の子どもたちは
その理想とは違う姿を見せています。

すると私たちは、
子どもの存在そのものではなく、
理想と現実の落差に苦しみ始めます。

では、次男さんは
本当に努力していないのでしょうか。

次男さんは、発達特性があり、
勉強も苦手で、運動も苦手で、
友人関係でも傷つき、

幼い頃から成功体験より失敗体験のほう
が多かったのかもしれません。

そのような子が、
「努力しない子」に見えることがあります。

けれども実際には、
彼はそれらに耐えてきています。

また、「努力してもどうせうまくいかない」
という感覚を学んでしまっている可能性
もあります。

心理学ではこれを
「学習性無力感」と呼びます。

決して、怠けているのではなく、
挑戦する前から傷つくことを
恐れている状態です。

もしそうであれば、
必要なのは叱咤激励ではなく、
次男さんの「できたこと」に
光を当てる関わりかもしれません。

また、実はおぎちゃんさん自身もいま、
次男さんと同じように無気力な状態に
近づいているのかもしれません。

これだけ頑張った。
できることは全部やった。
お金も時間もかけた。
それなのに結果が出ない。

すると、「私のやってきたことは
間違いだったのではないか」、
「何をやっても無駄なのだ」という
気持ちになります。

でも、本当にそうでしょうか。

私たちは知らず知らずのうちに、
子どもを自分の作品のように
捉えてしまうことがあります。

良い学校に入った。
成績が良い。
活躍している。

そうすると、
「子育て成功!」と感じる。

反対にそうでなければ、
「失敗」と感じてしまう。

けれども、
子育ては作品づくりではありません。

親が作るものではなく、
子ども自身が生きる人生です。

親の役割は、理想通りの人間に仕上げる
ことではなく、その子がその子らしく
育つための土壌になることです。

そしておぎちゃんさんは、
その土壌づくりに十分すぎるほど
力を尽くしてこられました。

おぎちゃんさんのご相談の最後に、
「期待を断捨離すればいいのでしょうか」
とありましたね。

私は、そのような姿勢は
とても大切だと思います。

ただし、期待を断捨離するというのは、
子どもを諦めることではありません。

「あきらめる」とは本来、
「明らかに見極める」という意味です。

つまり、
「この子はこういう特性を持っている子
 なんだな」
「今はこういう状態なんだな」と、

理想のフィルターを外して
ありのままを受け入れることです。

もちろん、無理に親の希望を手放す
必要はありません。

ただ、「幸せになるためには
こうでなければならない」という
条件付きの期待は手放してみてください。

良い大学に行くことが幸せとは限りません。

部活で活躍することが幸せとも限りません。

人より遅く咲く花もあります。

学校では評価されなくても、
社会に出てから才能を発揮する人もいます。

人生は案外、親の思い描く
シナリオ通りには進まないものです。

今、おぎちゃんさんに必要なのは、
子どもたちの人生と自分の人生との間に
課題の分離をして、
健全な境界線を引くことかもしれません。

長男さんの浪人も、次男さんの提出物も、
最終的には彼ら自身の課題です。

もちろん親として支えることはできます。

でも、代わりに生きることはできません。

彼らが失敗から学び、痛みを経験し、
自分で立ち上がる力を育む機会を
奪わないことも大切です。

そして何より、これまで
家族に向けていた膨大なエネルギーを、
少しご自身に戻してあげてください。

おぎちゃんさんは、
「肩の力を抜いて子育てしたら
良かったのか」とおっしゃいました。

そうではなく、
「これから肩の力を抜けばいい」
のだと思います。

今まで十分頑張ったのですから。

子どもは、お母さんが
いつも心配そうにしている姿より、
お母さん自身が人生を楽しんでいる姿
から多くを学びます。

「私の人生もなかなか悪くないな」

ぜひ、そう思える時間を
増やしてみてください。

今度は、お母さんがご自身の幸せに
チャレンジする番です。

お子さんたちは、おぎちゃんさんが
思うほど失敗作ではありません。

そして、おぎちゃんさんの19年間も
決して失敗ではありません。

これからの課題は、
「どうやったら子どもを変えられるか」
ではなく、
「今のこの子をどれだけ信頼できるか」

そして、
「私自身の人生をどれだけ大切にできるか」
だと思います。

信頼は執着の解毒剤です。

子育ての後半戦は、
子どもを育てる時期であると同時に
親自身がコントロールや執着を手放し、
信頼を学ぶ時期でもあります。

おぎちゃんさんは、もう十分に頑張って
こられましたから、これからは、
「もっと頑張る」よりも「少し力を抜く」
を自分に許してあげてくださいね。

ー川畑のぶこ

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この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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