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2023/08/16(水)

【川畑のぶこ】Q.話すのが苦痛です…

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。

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Q.話すのが苦痛です…

老人施設で働いています。

95歳の女性の入居者Tさんは、
いつも人を観察しています。

私がいるのが分かるとそばにきて、
自分の友だちが立派なことを自慢したり、
孫自慢したり、夜眠れないなど、
長々と話をしたがります。

話を聴くようにしていたのですが、
とりとめのない話で、本人が本当に
話したい伝えたいことが
素直に表されなかったり、

いろいろと人のせいにしたりするため、
話すのが苦痛に重たく
感じるようになりました。

最近は、周りの職員の協力もあり、
あまりTさんに関わらないように
距離を置いていますが、
私を探し見つけては同じ話をしてきます。

Tさんの依存を感じてますが、
今後どのように対応したら良いでしょうか?

【さっちゃん・50代・女性・看護師】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

きっとさっちゃんさんは
人が話しかけやすい優しい雰囲気を
お持ちの方であることと思います。

高齢者で家族から離れて
施設に入所していると、
寂しさや孤独感に苛まれる人も多く、

そのようなときに、
自分の話に耳を傾けてくれる
医療者やスタッフが施設にいることは、
入所者の方たちに安らぎをもたらす
ことと思います。

ただし、さっちゃんさんの仰るように、
その話しかけ方も度が過ぎると
スタッフの負担になってしまいますね。

同じことを何度も繰り返したり、
自慢話をするなど、
とりとめのない話に対して
苛立ちを覚えてしまうのは、
忙しい現場にいればなおさらだと思います。

では、どのように
対処したらよいのでしょうか。

まず、相手のニーズは
何かを整理してみます。

実は、その人は、
具体的なメッセージを伝えて
対応して欲しいというよりは、
単純に関わりを持ちたいと思っている
可能性が高いことを知っておいてください。

よって、たとえ話がとりとめなくても、
やり取りを通して関われている、
すなわちその人の存在が
認められているということが
大事になります。

さっちゃんさんとしては、
メッセージの内容をきちんと理解して
自分が具体的に何が出来るかを
分析したくなるので、
とりとめもない話だと

「で、私はどうすれば良いの?」

と混乱するかもしれませんが、
内容が何であれ、そしてその内容に
脈絡があろうがあるまいが、

その人にとっては、
向き合う相手が熱心に耳を傾けてくれる
姿勢そのものが

「受け止めてもらえた」
「私は存在して良いのだ」

という安心感をもたらし、
その感覚を切に必要としているのかも
しれないという視点を
大切に関わってみてください。

自慢話も、
自分の存在価値に疑いがあるので、
無意識にそれを高めようとしている
可能性もあるのです。

ただし、ご本人も
その真のニーズには無自覚な訳ですから、
何かと物理的に関われる理由をつけて
関係性を維持しようとしています。

さっちゃんさんができることは、
まず、相手には、
自分には理解しきれていない、
孤独や寂しさを感じざるを得ない
何某かの背景があるのかもしれない
という想像力と、

この人も私と一緒で
自分の存在価値を確認したい、
そして不器用にそれを達成しようと必死な、
愛すべき存在なのだという、
愛ある関心を寄せて熱心に傾聴し、
共感する姿勢を育んでみてください。

そのときに
「早く終わらないかな」と
半分腰が引けていると、
私たちの中には罪悪感や
わだかまりが生じた時に
自己嫌悪を感じるかもしれません。

その罪悪感を拭うのに
「ちゃんと付き合ってあげなければ」
と強いるので苦しくなるのです。

私の理解できない背景と、
相手は不器用でいびつではあるけれど、
その人なりに最善を尽くして
生きていること。

そんな相手の存在を無条件に、
完全に受け入れていれば、
そのような罪悪感や後ろめたさもないので、
話を切り上げるのも抵抗が無くなります。

「〇〇さん、そうなのですね。
 〇〇なのですね。それは〇〇でしたね。」

と、言語的にも積極的に相手を認めた上で、

「もっと〇〇さんのお話を聞きたいのですが
 他の方のお世話があるので、
 残念ですが、また聞かせてくださいね!」

などと、相手に関心があることを
十全に表現した上で、さわやかに
次のモードにシフトをしてみてください。

きちんと切り上げることは、
決して薄情なことではなく、
相手に悪感情を持たない自分の状態に
責任を取ることでもあるのです。

相手のケアとセルフケアは
両輪の関係なのです。

互いの良好な関係を
築きたいと思ったならば、
何を捨てて何を取るか、
優先順位を明確に決めて
相手と関わり合うことが大切です。

相手の真のニーズを
おさえることができたなら、
残りの部分は多少削られても、

結果的に、さっちゃんさんにも
入所者の高齢者にも、
健全な関係性をもたらすことでしょう。

– 川畑のぶこ

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◎編集後記
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この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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