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【川畑のぶこ】断捨離は自分だけ…反抗期の息子たちをどう促す?
2025/10/08(水)
【川畑のぶこ】断捨離は自分だけ…反抗期の息子たちをどう促す?
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。
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【Q】15歳と13歳の息子がいる、
45歳のシングルマザーです。
5年前に離婚し、それまでの家を出て、
今は2DKのアパートで3人で生活しています。
正社員で働いており、家計は私ひとりの収入
でなんとかやりくりしていますが、
仕事と家事・育児の両立で精一杯の毎日です。
成長期の息子たちはどんどん体も大きくなり、
部活や趣味の道具も増えて、手狭な間取りは
ますます片づかなくなっています。
もともと私自身も物が多く散らかりやすい
タイプでしたが、断捨離の本を読み、
「他人のモノに手を出してはいけない」
という言葉にドキッとしました。
というのも、
離婚前に夫婦仲が悪化していた頃、
夫の持ち物を勝手に処分してしまったことが
あり、今では深く反省しているからです。
その思いもあって、息子たちが散らかし放題
でも手を出せず、見て見ぬふりをしています。
ただ、息子たちの部屋は、衣類やわけの
わからないもので床が見えないほど散乱。
「しつけの問題」と言われても
仕方ない状態です。
思春期のせいか、片づけ以外でも口を出すと
反抗的な態度を取るので、ここ1〜2年は
生活態度や勉強のことも含めて
一切口を出さないようにしています。
するとますます散らかりはエスカレートし、
私は自分のエリアだけを断捨離して
整える日々です。
「自分がやっていれば家族もそのうち
やり始める」と聞きますが、今のところ
その気配はまったくありません。
仕事で疲れて帰ってきて、
さらに家の散らかりを目にすると、
心底げんなりしてしまいます。
これは思春期・反抗期と割り切るべき
でしょうか。
それとも、息子たちを傷つけず、
効果的に片づけへ促す方法はあるでしょうか。
アドバイスをいただけたら嬉しいです。
【悩めるシンママ・
40代・女性・会社員・千葉県】
【A】悩めるシンママさん、
正直に、そして丁寧にご自身の状況を
共有してくださりありがとうございます。
お話から、
仕事も家事も子育ても背負いながら、
さらに断捨離を通してご自身の内面とも
向き合っていらっしゃる姿が伝わって
きました。
まずは、
その頑張りと誠実さに敬意を表したいです。
15歳と13歳という思春期の男の子にとって、
自分の部屋や持ち物は
「自分の城」であり「自己表現の場」です。
つまり、
縄張り意識が強く働き始める時期ですね。
ですので、多少散らかっているのも、
自己主張や親からの独立の表れでもあります。
このような時期は、親が一方的に片づけを
押しつけたり片づけ出したりすると、
ますます反発したくなってしまいます。
これは「片づけの問題」というより
「自立のプロセスの問題」と捉えてみると、
少し気持ちが楽になるかもしれません。
思春期や反抗期は嵐のようなものですから、
嵐のときは抵抗せずにひたすら過ぎるのを
待つというのも大事な対策となります。
また、断捨離の原則の一つは
自分の持ち物に責任を持つことです。
人のモノに勝手に手を出してはいけません。
(人のモノを勝手に捨てるのは暴力行為です)
そのときに大切にしていただきたいのは
「共有スペース」と「個人スペース」を
区別することです。
リビングや玄関、キッチンなど共有する
空間は、みんなが快適に過ごせるよう
最低限のルールをつくってみてください。
たとえば、
危機管理からも床にモノは置かない、
通路は確保するなどです。
ただし、個室や子ども自身の収納は
個人スペースですから彼らに任せ、
散らかっていても原則ノータッチとする。
共有スペースに関しては
「私が疲れて帰ってきたときにここだけは
片づいていてほしい」と正直に伝えるのは、
しつけではなく「共に暮らす人間としての
お願い」になります。
片づけを「やりなさい」と指示すると
反発されますが、
「私は散らかっていると
疲れが倍増してしまう」
「整っていると安心できる」と、
自分のフィーリングをシェアする形で
伝えると、
子どもたちも
「母さんのために少し協力するか」と
思える余地が生まれるかもしれません。
モノの整理を「対話のきっかけ」にする
ことも、この時期の
しなやかなコミュニケーションに
つながるかもしれません。
部活や趣味の道具は、彼らにとっては
「夢」や「未来」とつながる大切なモノです。
もし片づけを促すとしたら、
「今のあなたにとって大事なモノって何?」
「これはこれからも使う?
それとも卒業した?」
と問いかけ、モノを通して自分を振り返る
時間にしてあげると、
ただの片づけが「自己確認の作業」になる
のではないでしょうか。
また、母親は自分と自分のモノに敬意がある
ことが伝わります。
この時期は「散らかし放題」も一つの通過点
と受け止め鷹揚に構えてみてください。
息子さんたちも社会に出れば、
いやでも整理や管理が必要になります。
そのときに「お母さんが自分のエリアを
整えて生きていた」姿が、
必ず彼らの潜在意識に残っています。
今は表に出なくても、数年後に
ふっと芽を出すこともあります。
このように、思春期の息子たちと向き合う
際には、割り切りと信頼が必要です。
ティーンエイジャーの男子2人の成長と
ともに家が狭く感じるなら、
カフェや図書館なども自分の家の
「離れ」と思って活用してください。
悩めるシンママさんがくつろげる時間や場所
は、必ずしもご自身が所有している必要は
ありません。
賃貸住宅が月極の支払いなら、
カフェは飲食を提供してくれるだけでなく、
時間単位で自分のスペースを提供してくれて
いると考えればよいのです。
住む街全体もシンママさんの拡張自己として
意識を広げてみてください。
このように、
ご自身の空間を整えて背中を見せつつ、
• 共有スペースには最低限のルールを
• 指示ではなくフィーリングを伝える
• モノを通じて対話する
• ご自身のパーソナルスペースを確保する
この4つを意識しながら、
「たとえ散らかっていても彼らの成長の一部」
と割り切ることが、母としての心の平穏にも
つながることと思います。
悩めるシンママさん、
どうかご自身の安らぎを最優先に。
ご自身が整っていれば、きっと息子さんたち
にもそのエネルギーは伝わっていくことを
信じて前進してください。
応援しています!
ー川畑のぶこ
★「山へ行くということは、
今思えば何かにすがりたい気持ちからの
捨て身の行動だったのかもしれない」
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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