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2024/08/21(水)
【川畑のぶこ】Q.障がい者の方との関わり方に悩んでいます
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水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。
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Q.障がい者の方との関わり方に悩んでいます
初めまして。
今日ご相談したいのは、
人に対しての嫌悪感についてです。
子育てや仕事をする中で、障がい者の方や
発達障がいの方と関わることがあり、
その時に、自分自身がものすごい嫌悪感を
持っていることが目立ってきました。
浅い付き合いならば、
表面上うまくやれることも多いのですが、
毎日会って一緒に何かしなければ
ならない時は、避けてしまったり、
煩わしく思ったりします。
自分のタイミングで関わる時は
大丈夫ですが、
相手のタイミングや執拗に絡まれると、
嫌悪感が丸出しになります。
今までそういう方に関わらずに
生きてきたんだなと思いました。
クリーンな世界というか、
みんな平然を装う世界で生きてきて、
弱者とは分断されていたのだなと
感じました。
障がい者に優しくしましょう。
困っている人がいたら助けましょう。
差別はいけません。
そんな風に思ってきたのに、
それができない自分。
道端で困っている人がいたら、
助けることはできるし、
手を差し伸べられる。
それなのに、いざ自分ごとになると、
受け入れることができません。
自分の中のマイナスな気持ちが、
一気に湧き上がってしまいます。
能力がない。
レベルが低い。
関わらないで。
煩わしい。
子供を育てていると、そんなことを感じず
それぞれ自分のできることが
できたらいいと思うのに、
その相手が大人になると、
一気にその感情が出てきます。
人間関係を構築したいとさえ、
思わないのです。
能力主義の世界で
生きてきてしまったのかなと。
効率化や生産性重視でいたのだなと。
自分との関係を断捨離によって、
いい関係を築いてこられたと
思っていたのですが、
この手のタイプになったら、
なかなか難しいです。
自分のことが本当は嫌いだから、
こんな感情に陥ってしまうのでしょうか?
気持ちの整理について、
アドバイスをいただけたら嬉しいです。
【ミレー・30代・女性・公務員】
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奇しくも、ミレーさんのご相談を、
区役所の福祉課窓口近くのソファに腰掛けて
読んでいるのですが、
背景では精神障害者の方と職員の方の
延々続くかと思われるような
やりとりがされています。
一般の方であれば数分で済むであろう対応を
10分以上かけて行っています。
ただ、そこに苛立ちは見られません。
窓口対応では
想定通りのことだからでしょうね。
職員の方の知識もさながら、
日々の経験に裏打ちされたであろう、
丁寧で、穏やかで、優しく、
それでいて毅然とした態度で対応される姿に
感心するばかりです。
ダイバーシティ(多様性)や
インクルージョン(包摂性)が
唱えられるようになって久しいです。
それらが唱えられなければならない理由は、
放っておくと私たちは偏見を持って
不健全な振る舞いをしてしまうからに
他なりません。
ミレーさんも、そのような概念は
大切にしたいと思っていらっしゃる一方で、
己の感情や行動が伴わない、
すなわち、障害者の方たちに
偏見と嫌悪感をもって接してしまうことに
自己嫌悪されているのだと思います。
ただ、ミレーさんの場合はそのことを
意識して正したい気持ちがあり、また、
なぜそのような偏見を持つようになったかの
考察もできていらっしゃるのが
素晴らしいと思います。
ミレーさんの抱かれる嫌悪感は、
ご自身がそのような人たちと触れ合う機会が
無かったこと、
また、その人たちの特性が否定されるような
生産性重視の価値観を植え付けられる場に
長く身を置くなど、
まさにミレーさんが人生で繰り返し
学習してきたことの結果
起きている反応だと思います。
かと言って、ご自身を否定する必要はなく、
今まで学ぶ機会が無かったことが
起きているのだから、
戸惑いがあるのは当然と、
まずはご自身に寛容になって
その限界を受け入れ、
時間をかけて新しい価値観を
身につけていけばよいという姿勢を
育んでみてください。
そのように、ミレーさんご自身が焦らず、
必要な時間をじっくりかけて
自分の変化に寄り添う姿勢は、
自然と障害者の方たちに寄り添う姿勢に
つながることと思います。
生産主義は厳しさがベースとなりがちですが、
自分に厳しいと、
相手にも自ずと厳しくなってしまいます。
逆に、自分に優しくなることができれば
相手にも優しくなることができます。
まずは優しさをベースに
ご自身に向き合ってください。
それが、結果としてミレーさんの
周囲の人たちにも、全体性にとっても
良い結果をもたらすことでしょう。
同時に、障害者の方たちと
ストレスなく接している人たちの態度から
学べることはないか、じっくり観察してみて、
良いところは真似てみると良いと思います。
「かくあるべきだ」とか、
逆に「かくあるべきでない」などといった
ジャッジからではなく、心をオープンに、
愛ある好奇心から
状況に向き合ってみてください。
ー川畑のぶこ
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◎編集後記
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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