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2022/12/30(金)
【小松易】「ない」に向き合う
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 小松易
こんにちは。
かたづけ士の小松易です。
最近、大手芸能事務所を退社し
個人で活動の幅を広げる
タレントさんが増えています。
今後もその流れは加速して
いくのでしょう。
そのさきがけ的な存在といえるのが
オリエンタルラジオの中田敦彦さんでは
ないでしょうか。
YouTube番組
「中田敦彦のYouTube大学」は
登録者数496万人という
驚異的な数字になっています。
この番組の特徴といえば、
あっちゃんが講義内容の要点を
事前に書き出した「ホワイトボード」。
このホワイトボードがあることで
講義の全体像がつかみやすく
長時間の動画でも集中力が途切れず
最後まで視聴できるという
メリットがあります。
実はこのホワイトボードですが、
私にとってはちょっとした
苦いエピソードがあります。
スッキリ・ラボのセミナーでは、
プロジェクターでスライドを投影する
スタイルをとっているのですが、
あるセミナーで、
用意してあったスライドが映らないという
ハプニングが起きました。
お客様も全員席に着き、
開始時刻が5分過ぎたときに
ようやくスクリーンにスライドが映写され、
事なきを得ました。
しかし、さらにその3年後、
いよいよ最大のピンチが訪れました。
場所は、茨城県つくば市。
以前から親しくしていたAさんから
講師依頼をいただき、当日時間通り
会場に到着しました。
さぁ、持参したノートパソコンを
カバンから取り出して私は言いました。
「Aさん、パソコンにつなぐ
プロジェクターはどこですか?」
それを聞いたAさんはちょっと
慌てた顔で、
「えっ、今日
プロジェクター必要なんですか?
ごめんなさい。
用意していませんでした!」
急いで会場の事務局に問合せましたが、
残念ながらその日のプロジェクターは
すべて予約で出払っていました。
でも、プロジェクターがないと
用意したスライドを参加者に
お見せすることができません。
そのときの私の心境を正直に言うと、
「やっべ~~」でした(笑)
このままだと2時間もたない。
それどころか十分なセミナーなんて
できるはずがない。
焦りました。
プロジェクターをなんとか
して用意できないのか!
Aさんも事務局にいろいろ
掛け合ったり、友人知人に連絡したり
いろいろ動いてくれましたが
セミナー開始までに
プロジェクターを用意するのは
絶望的な状況だと
Aさんの会話でわかってきました。
もう「ない」という現実を
受け入れるしかありません。
「もう今日は用意したスライドを
映写するのは諦めます」
と、Aさんに伝えました。
一旦そう覚悟を決めると、
さっきまで肩にガッチリ入っていた力が
スッと抜ける感覚がありました。
時計を見ると、
セミナー開始まであと30分。
どのようにしたら、参加者の方々が
今日のセミナーの内容を掴んで帰って
いただけるか?
追い詰められた
私の頭はフル回転。
すると、自信はないけど1つだけ
アイデアが浮かびました。
開始までに、
ホワイトボードにセミナーで話すポイントを
箇条書きで可能な限り、
全部文字で書いておく。
そう、現在の中田敦彦さんのスタイルを
10年以上も前に、はからずも私も
実践していたのです。笑
ひらめきのまま、
持ち時間をフルに生かして
ホワイトボードに黒のマーカーで
書き出しました。
そのアイデアのおかげで
2時間なんとか時間を持たせることが
できたのと同時に、
1つの気づきを得ることができました。
それは、参加者にとって
ホワイトボードを使った方が、
スライドを使った時よりも、
全体の理解度が上がるいうこと。
以前私の「スライド版」のセミナーを
聞いたことのあるAさんが一言、
「今日は
前よりも一段と分かりやすかったし、
小松さんの情熱が伝わってきましたよ!」
「Aさん…
プロジェクターを頼み忘れた償いで
言っているのでは…」
なんてつい勘ぐってしまいましたが、笑
でも実際に、ボタンを押すたびに
画面がどんどん切り替わるスライド方式は
それに慣れていない方にとっては
ちょっと説明が速く感じるようでした。
逆にホワイトボード方式は
話した記録が残るので
参加者それぞれの理解スピードに
合わせやすいという利点がありました。
なによりも、講師である私自身の
「ある変化」が好評でした。
それは「しっかり参加者の方を見て話す」
という姿勢でした。
いつもはプロジェクターから
映し出されるスクリーンを
ずっと見ながら話す私でしたが
その日は違いました。
それが参加者には「情熱」として
映ったようです。
この日の出来事はまさに
「災い転じて福となす」でした。
もしかしたら、
「ない」ことをいつまでも
嘆いているのではなく、
「ない」を受け入れて
「どのようにしたら」を真剣に
考え始めたときに講師として
1枚殻を破ったのかもしれません。
それ以来
「スライド」を映す時間は1/3に減り、
ホワイトボードを使った新しいスタイルを
獲得することができました。
あの時、
「ない」という現状を受け入れる勇気と
そこから「工夫」するパワーを学びました。
片づけ、特に「整理」はある意味、
「ない」に向き合う作業です。
時間がない。
収納場所がない。
片づけのセンスがない。
モチベーションがない。
ないないづくしの条件下でも、
「ないなら、どうする?」と
頭を切り替えれば、
アイデアが湧いてきて、
パワーが得られるということを
少しでも感じでいただければ幸いです。
今年一年、メルマガをお読みいただき
ありがとうございました。
来る2023年も変わらず、、、
いつもあなたを応援しています!
小松易
◆かたづけを通して人生を変えるコンサルティング
「スッキリ・ラボ」
https://www.sukkirilab.com/
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◎編集後記
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まさに、「ピンチはチャンス」を
物語るような体験談でしたね!
確かに、ミスが発覚した時は、
焦って頭の中が真っ白になりますよね。
でも、一旦その状況を受け入れると
次々に代替案や改善策が浮かんできます。
もちろん、
すぐに事実を受け入れることは
簡単ではないですし、
痛みが伴うこともあるでしょう。
断捨離をしていく中でも、
目を逸らしたくなるような
現実に向き合う場面もあるでしょう。
でも、それを乗り越えた先に、
きっと今までよりも良い未来が
広がっているはずです^^
間中亜衣
この記事の執筆者について
小松易
日本初の「かたづけ士」
『かたづけを通じて人生を変えるコンサルティング』スッキリ・ラボ 代表
大学在学中にアイルランドへ留学し、トランク1つで生活できたことに衝撃を受けて帰国。物を持たない自由と幸せを実感し、自然とかたづけに意識が向くようになる。大学卒業後は建設会社に入社し、現場でかたづけの重要性を学ぶ。その経験から、プライベートで知人にかたづけを教え、かたづけのさらなる可能性を実感する。株式会社フジタを退社後の2005年、"かたづけ"を通して人生を変えるコンサルティング「スッキリ・ラボ」を開業。現在は経営者・企業向けに"かたづけ"のコンサルティング、セミナー活動を行う。今まで延べ2万人以上にかたづけ講演・研修を行っている。その活動は、「ガイアの夜明け」(テレビ東京)、「ドキュメント20min」「サラリーマンNEO」「めざせ!会社の星」「助けて!きわめびと」(NHK)などに取り上げられ、反響を呼んでいる。
著書はシリーズ累計47万部『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』(KADOKAWA /中経出版)、『「すぐやる人」になる1分片づけ術』(日本経済新聞出版社)ほか多数。最新刊は『「かたづけ思考」こそ最強の問題解決』(PHP研究所)。「近代セールス」「月刊不動産流通」「東商新聞」などで連載実績あり。「やましたひでこ断捨離メールマガジン」などで連載記事を執筆中。
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