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2021/06/23(水)
【川畑のぶこ】Q.どう対応したら良いかわかりません…
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q.どう対応したら良いかわかりません…
川畑先生のお話から
いつもエネルギーをいただいています。
ありがとうございます。
今日は仕事上の人間関係の事で
相談させていただきたいです。
私が提供するサービスの一挙手一投足、
発言内容までチェックし、必ず上司に
報告してくる方の担当になってしまいました。
段々エスカレートしています。
サービス提供中に指摘される事もあり、
その場でその方が1番信頼している
他の会社のトップに電話する事も何回もあり、
その方の希望もあり上司と一緒に
対応に当たる事になりました。
上司がその方にぶっちゃけ
担当を交代するか?聞いたそうですが、
その方は全く悪気は無く、私を育てる為に
逐一報告するんだそうです。
上司に私の気持ちを聞かれ、
既にギブアップしたい事、発言までチェックされ
何を喋ったら良いかわからなくなり、今度は
何を言われるか?とビクビクしてしまうこと、
1番嫌なのが必ず「今日の私について」
会社に電話してくる事が、全否定されている
気持ちになる事を訴えました。
上司としてはお客さんは色んな事は言うが、
他に変わる人がいないので何とか私に
頑張って欲しいそうです。
上司も毎回(プラスアルファ)の電話対応に
相当な時間を割かれており、上司も大変だと思います。
川畑先生のメルマガや書籍などから、
ヒトはヒト、自分は自分、ヒトが言った事を
受け入れるかNOというかは私が決めて良い
(まるで全否定されてるように受けとる必要はない)
事は学ばせていただいていますが、実行となると
なかなか難しく、電話がかかってくると、
ああ、またかと、とても重たいです。
その方は根底に不安があり、病的な背景もあり、
特別待遇して欲しいのだとは思います。
詳細が書けないので状況が
わかりづらく申し訳ありませんが、
毎回毎回私の言うことなす事を
上司に報告してくる方への対応の仕方、
前向きな考え方について、
アドバイスいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
【スイカ・50代・女性・サービス業】
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A:FROM 川畑のぶこ
顧客の嫌がらせとも思える行動に対して、
どのように対処したら良いのか分からず
困っていらっしゃり、それでも可能な限り、
上司の思いを尊重して、スイカさん一人で
担当・対処しようとしているのですね。
とてもおつらい状況ですね。
ハラスメントの中でも、「カスハラ」と呼ばれる、
カスタマーハラスメントは、昨今社会問題として
注目されるようになっています。
とりわけ昨年はコロナによる不安や恐怖が
浸透する社会で、マスク騒動など、
常軌を逸した客の店員へのハラスメントが
メディアなどで取り上げられたのは
記憶に新しいと思います。
厚労省も、悪質クレーマー対策の
ガイドラインを定め、現在マニュアル化を
進めています。
昨年7月-9月に実施された、
サービス業に従事する労働組合、
約2万7千件を対象にした実態調査では、
過去2年に迷惑行為による被害を受けていると
回答したものは半数以上の56.7%でした。
ただし、悪質クレーマーに対する
マニュアルが整備されている企業は
半数以下の43.4%でした。
日本には「お客様は神様です」という
サービス精神論がありますが、いうまでもなく、
悪質クレーマーは神様ではなく魔物です。
このような流れからも、
この問題は従業員個人が対応するのではなく、
組織全体で向き合わなければなりません。
スイカさんの上司はスイカさんに
担当してほしいとのことですが、企業として
従業員をカスタマーハラスメントから守るしくみが
確立されているか、確認されると良いと思います。
おそらく無いでしょう。
そうであれば、スイカさんの仕事は、
上司の期待に応えることでも、
カスハラ客を充たすことでもありません。
この件は、個人の知識や力量で
対応できる範囲を超えているので、
組織による対策のしくみとマニュアルを
つくるよう提案や依頼をすることです。
さもなければ、スイカさんはやがて疲弊し、
組織は大切な人材を失うことになるでしょう。
そして、同僚や後輩など、
スイカさん以外の人にも同じことが
繰り返される可能性もあります。
負の連鎖を皆で断ち切る覚悟が必要でしょう。
スイカさんのおっしゃる通り、
相手は自尊心を満たすのに
スイカさんを利用していることと思われます。
「私が指導してあげている」という立場をとることで、
自分が価値ある優れた人間であることを
証明したいのでしょう。
裏を返せば、優越感を感じたいほどに
劣等感を感じているのではないでしょうか。
相手は誰でも構わないのですが、
きっとスイカさんは忍耐強く、それをさせてあげる、
受け入れやすさを備えていらっしゃるのだと思います。
ネガティブなかたちで相手のニーズを
満たすのに都合が良いわけですね。
これは諸刃の剣です。
心理を理解して結果がでる相手には、
その努力をされると良いでしょうが、
そうでない場合は相手の心に寄り添いすぎると
自分が潰れてしまいます。
どう考えても理不尽なことに関しては、
相手に合わせすぎず、丁寧ではあるものの、
毅然とした態度で接することも大事です。
相手のクレームは、
スイカさん個人の問題でなく、
相手の問題であること、
何をやっても反応は変わらないこと、
相手のいう指導はスイカさんにも
組織にも役に立っておらず、
ハラスメント以外の何ものでもない
ということが明確であれば、
相手のニーズを満たし続けることは
やめなければいけません。
相手はどんどんスイカさんの組織から
嫌われる人間になってしまいます。
それも阻止しなければいけません。
そのためにも、まず、個人戦はやめ、
上司とのペア戦もやめることです。
組織での団体戦に切り替えるよう
働きかけてみてください。
顧客には、組織の方針として、
一貫した対応で臨みます。
もちろん、その中には担当を変える
ということも含まれるかもしれません。
そのお客さんはスイカさんの
指導担当者ではないので、
指導は適宜組織内で行うことも
はっきりとお伝えすると良いでしょう。
内容の詳細はわかりませんが、
あまりにも大それた要求をする場合は、
法律家(ときとして警察)とも相談し、
連携している旨を相手に伝えることが
抑止力につながる可能性もあります。
また、スイカさんが
精神的につらいのであれば、
きちんと受診して診断の記録を
とっておくことも大事です。
専門家から、労災と認められれば
組織も誠実に動かざるを得ないでしょうし、
スイカさんが支払った苦労の対価を
自分で埋める必要もなくなります。
悪質クレーマー対策が法令化されれば、
クレーマーも自分の言動が刑罰の対象に
なり得ることを理解してクレームをやめるなどの
抑止力が働くかもしれませんが、
今できることとしては、丁寧かつ毅然とした態度を
とりながら、組織で対応することが賢明でしょう。
それは組織全体が育つためにも必要なことです。
ぜひそこに貢献する意図を持って対応されますように。
– 川畑のぶこ
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間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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