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2023/02/08(水)

【川畑のぶこ】Q.保護者との対応に困っています

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。

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Q.保護者との対応に困っています

30年間、絵画造形教室を主宰しています。

この数年丸投げ
(ご家庭との連携ができない)の
保護者が増え困っています。

特に手のかかる1年生の女児がおり
その子がいうには
「家では危ないから汚いからと
 制限されている」とホッチキスも
家では使えないというので

「もう安全に使えますので
 ご自宅で自由に使って大丈夫です」
とお伝えしたところ

「共働きで忙しく家では出来ないから
 通わせているのに
 家でもと強制されるのはおかしい」や、
「紐の結び方や基本的な躾までできるまで
 教えて欲しい」など主旨とは違うことを
要求してくる保護者の対応に悩んでいます。

「忙しいからみてやれないから
 任せて何が悪い?お母さんが全て
 躾けないといけないのか?」
挙句先生方スタッフの言葉使いまで
(子供がそう言っていたと)指摘。

お辞めいただきたのですが
その言葉かけ次第で
お子様に被害がいきそうで。

どのような声かけが
安全に子どもを守れるのか
悩んでいます。

【カラー・50代・女性】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

無理難題を押し付けてくる
保護者さんがいる中で、
可能な限り対応しようとするからこそ
生じるカラーさんの苦しみと誠実さが
伺えます。

共働き時代は、
昔と比べて習い事との関わりも
多様になってきていることと思います。

厚生労働省の統計によると、
1980年代では男性雇用者と妻が
無業の世帯は1114万世帯であるのに対して
共働世帯は614万世帯でした。

2000年ではそれが約半々になり、
2019年では完全に逆転して
男性雇用者と妻が無業の世帯は582万世帯、
共働きが1245万世帯となりました。

このような社会情勢を受けて、
家庭で保護者が子どもに
手をかける時間というのは
圧倒的に少なくなっているのは
間違いないことと思います。

子どもの習い事のサービス内容も
そのような時代の流れとともに
変遷をたどっていることと思います。

市中にはお受験教室のように、
絵画にプラスして紐結びやしつけなども
対応するような教室も
出てきているのであれば、

そのような期待をもって
お子さんをカラーさんの教室に
通わせる保護者もいるのかもしれませんね。

かくいう私自身も、
息子を学童代わりにさまざまな習い事に
通わせていた口で、
自宅では予習復習などまったくせず
(見てあげる暇もなく)、

毎回その場ですべて完結でお願いします
というスタイルであったため、
先生方にリクエストや文句こそ
言わないものの、
カラーさんのお悩み内容は
耳が痛く申し訳ない思いです。

保護者との関わりに関しては、
教室の趣旨と保護者の求めることが
明確に異なるのであれば、
そのことを丁寧に伝えることは大切です。

どちらが正しいかという議論に持ち込まず、
単純に提供できるものとできないものを
明確化するだけです。

その際、趣旨が異なることに加えて、

「そのような内容を現行の内容に
 プラスで提供して期待に添えたら
 よいのだが、申し訳ないが現状ゆとり
 (あるいは能力)不足で期待に添えない」

と、率直にかつ謙虚に伝えると
良いと思います。

また、
しつけや紐結びなど教えてくれる
教室情報があるなら、
あらかじめ準備しておき、
そのようなところの情報提供や
紹介をしてあげると良いのです。

なければ、探したが見つけられず、
どうかご自身でお探しくださいと
お伝えすると良いと思います。

そのことで、
親のニーズや子どものことを
誠実に寄り添おうとしてくれていることが
伝わると思いますし、

教室運営の自己正当化を
しているわけではなく、
単純に提供しているものが
違うのだということ、
ワケわかっていますよ、ということを
明確に示せます。

もし、
カラーさんにある程度の
ゆとりができたなら、
近年の社会的なニーズの変化に
ご自身の教室が対応可能かどうかの
検討をしてみるのも良いかもしれません。

躾とまではいかなくても、
紐結びくらいはいけるかな?など。

変わるということは
新たな価値観を身に着け
しなやかに善処することであり、
決して過去の自分の価値観を
否定することではありません。

過去の保護者の価値観のフレームを
現代の保護者に当てはめ続けると、
おそらく怒りや徒労感に
苛まれてしまうことと思います。

保護者の要請の中には
モンスターペアレントや
クレーマーのようなものも
あるかもしれませんが、

もし似たような人が増えてきている場合は、
もしかしたら、
新たなマーケット開拓のチャンスが
あるのかもしれないと切り替えて、
自分が提供できるものを見直すのも
ひとつです。

そのことによって、自分ができる範囲で、
現代人がかかえる問題を解決できたり、
喜びを与えたりすることができたなら
素敵かもしれませんね。

どうか無理はされずに、
同時に好奇心をもって、
状況の分析をしてみてください。

– 川畑のぶこ

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◎編集後記
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この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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