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2022/11/02(水)

【川畑のぶこ】Q.幼少期の虐待体験により、人と関わることが億劫です…

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

今日は、みなさまからのご相談をお休みし、
川畑のぶこの所感をお伝えします。

————————————

Q.幼少期の虐待体験により、人と関わることが億劫です…

子供の頃、家族から虐待されていました。

成育環境から大人になった今も人を信じる事
が出来ず関わることが億劫です。

少し関わりをもつと他人の色んな事が
見えてしまい気になり嫌になり
自分から離れたくなります。

基本的に人が嫌いなようです。
夫に対しても少しそんなところがあり、
夫から少し強めの言葉や冷たい態度を
とられると私の方が怒って
不機嫌になってしまいます。

言われたことに
深く傷ついて体調まで悪くなります。
虐待を連鎖させるのが怖くて
子供は持ちませんでした。

共働きで仕事も頑張って続けていますが
この性分なので何一つ楽しくなく
苦痛が多いです。

人生が楽しくない。
早く死にたいと思ってしまいます。
少しでも楽になり改善されるような方法は
あるのでしょうか。

【うめ・50代・女性・会社員】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

子どもの頃の虐待は成人してからの人生にも
影響を及ぼします。

昨年、国立研究開発法人 国立精神・神経医療
研究センターと金沢大学が行った研究では、
幼少期に虐待体験を受けると、ネガティブな
情報に対し、ある時には注意を過度に向け、
またある時には注意を過度に逸らす
といったような、ネガティブな情報への
注意の向け方が不安定で一貫性がなくなる
「注意バイアス変動性」を呈する
ということが報告されました。

とくに成人女性に
この傾向が多いとのことです。

うめさんが、人の嫌なところばかりに
目が行ってしまい、人が信じられないのも
このような影響があることと思います。

このような経験はトラウマとなってその後の
人生に影響を及ぼしてしまうことがあります。

うめさんはPTSD(心的外傷後ストレス障害)
の治療は受けたことはありますか?

仕事や結婚生活など、
それなりに社会生活が営めているため
問題が表面化されていないことで、
PTSDがそのまま放置されてしまって
いることもあるかと思います。

もしうめさんがトラウマのケアに
取り組んでいないのであれば、
すぐに取り組むことをお勧めします。

まず、自分自身で手軽にできるものとしては、
マインドフルネスの実践をおすすめします。

マインドフルネスは、
過去や未来にさまよう心を、
今この瞬間に戻すメソッドで、
呼吸に丁寧に注意を向ける呼吸瞑想が
基本となります。

ネガティブなものへ向けられた注意を、
自身の呼吸や歩行や動作など、
身の回りに起こっていることで
好ましいことやありがたいことに
向けていくことで心の彷徨いを断ち切ります。

昨今ではマインドフルネスの実践は
さまざまな場で提供されていますので、
ネット検索して参加するのもよいですし、
アプリを活用するなどして自宅で
マインドフルネスの実践に取り組むのも
良いと思います。

また、専門家によるトラウマのケアとしては、
身体心理療法(ソマティック心理学)の領域
で効果的なものがいくつかあります。

自分の心の内を観るのは重たすぎる場合、
身体から入る心理療法が有効です。

以下にいくつかトラウマケアのための
ソマティック心理療法を紹介します。

EMDR(Eye Movement Desensitization and
Reprocessing):
スタンフォード大のシャピロによって
開発された、眼球の動きを利用した
トラウマ療法です。

クライアントの眼球運動を促すことで、
脳内の報処理システムの再調整を促進し、
不適切に処理されたトラウマ記憶の
統合するものです。

ソマティック・エクスペリエンシング®
(Somatic Experiencing®; SE™):
アメリカのピーター・ラヴィーンが創始。

クライアントにとって安全な場をつくり、
身体の感覚(フェルトセンス)に意識を向け、
言葉がけを行いながら、トラウマ体験による
恐怖などで凍りつき、未消化になっていた
身体反応をおだやかに表出させ、
完了させていくものです。

ブレインスポッティング(Brainspotting):
EMDRを実践してきたセラピストのグランドが
開発した、トラウマ記憶と視線との関係性に
着眼した療法です。

クライアントがトラウマ記憶を
思い浮かべているときの視線の位置を
導き出して、視点を定めることで、
脳の情報処理を促します。

バイオエナジェティクス(Bioenergetics) :
アレクサンダー・ローエンが開発した
ソマティック心理療法の先駆けのひとつ。

心と身体は生体エネルギーを通して
連動していると考え、呼吸と身体動作を
変えることで、心に働きかける療法。

ぜひ、これらの情報も参考にして、
セラピーの提供期間にコンタクトを
とってみてください。

どうか、まだうめさんが
取り組んでいないことで、
できることはたくさんあるということを
ぜひ覚えておいてください。

– 川畑のぶこ

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◎編集後記
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川畑のぶこがお答えします。
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間中亜衣

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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