ホーム /
【川畑のぶこ】母を見送って2年、自分の人生を楽しめません
2026/08/12(水)
【川畑のぶこ】母を見送って2年、自分の人生を楽しめません
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。
———————–
【Q】川畑先生、こんにちは。
58歳、会社員、独身です。
私は数年間、仕事と両立しながら
母の介護を続けてきました。
休日は病院の付き添いや買い物、
役所の手続きなど、
生活の中心はいつも母でした。
2年前に母を見送り、
先月、三回忌も終えました。
介護をしていた頃は、
「落ち着いたら旅行に行こう」
「その時が来たら、
自分のために時間を使おう」
と思っていました。
ところが、いざ“その時”が来ても、
何もする気が起きません。
休みの日になると
何をしたらいいのか分からず、
一日家でボーッと過ごしてしまいます。
友人から食事や旅行に誘われても、
「また今度ね」と断ることが増えました。
2年という年月の経過は
私を確かに癒してはくれ、
母を見送った直後に比べれば、
今は特別落ち込んでいるわけでは
ないのですが、
何かを楽しもうという
気持ちが湧いてこないのです。
周りからは、
「そろそろ自分の人生を楽しみなさい」
と言われます。
その言葉はありがたい反面、
前に進めない自分だけが
取り残されているようで、
焦る気持ちにもなります。
母を忘れたくはありません。
でも、このまま時間が止まったように
生きていくのも違う気がしています。
私はこれからどんなふうに
自分の人生を歩んでいけば
いいのでしょうか。
【ヨーコ・50代・会社員】
【A】長い介護の日々を終えられ、
お母様を見送られてから2年、
そして先月、
三回忌を終えられたとのこと。
その歳月を、
本当によく歩んでこられましたね。
まずは、頑張ったご自身を
存分に労ってあげてください。
介護の間は
「落ち着いたら旅行に行こう」
「その時が来たら自分のために時間を使おう」
そう自分を励ましながら
日々を過ごしてこられ、
でも、いざ「その時」が来たときに
何も心が動かない。
これは、ヨーコさんに限らず、
長年介護をしてきた人や
他人に尽くしてきた人によくある状態です。
介護をしているとき、
私たちの心とからだは、常に自分以外の
誰かのために動くモードになっています。
次に何が必要か、何を優先すべきか、、、
ヨーコさんの生活の中心は、
ずっとお母様だったことと思います。
その状態が何年も続けば、
心はそのやり方をデフォルトとして
覚えてしまいます。
介護が終わったからといって、
スイッチが自動的に切り替わる
わけではないのですね。
ヨーコさんの長く張り詰めていた心が、
まだ「自分のために動く」という
新しいモードを見つけられずにいる、
ということなのだと思います。
この切り替えのタイミングは
人によって異なりますから、
どうか、ヨーコさん自身の
タイミングを大切にしてください。
「楽しむこと」に関しても、
その抵抗の奥には
「母を置き去りにすること」とか、
「母を忘れた証」という気持ちが
隠れているかもしれません。
介護を長く担ったことで、
無意識のうちに、
楽しむことと母を思うことを、
天秤の両端に置いてしまっているの
かもしれませんね。
でも本来、それら二つは
対立するものではありません。
長く自分の看病に付き添ってくれた娘が
穏やかに、自分の人生を楽しみながら
生きていくことは、きっと
お母様の真の願いのはず。
ぜひ、そんなお母様の気持ちとともに
日々を歩まれてください。
周りの言葉に焦りを感じてしまう
とのことですが、
無理に「楽しもう」とすることで、
かえって心が硬くなってしまうことも
ありますから、
ヨーコさん自身のペースを
大切にしてあげてください。
また、楽しむということは、
必ずしもワクワク、ドキドキするような
刺激的な体験を意味するわけではない
ことも覚えておいてください。
友人との旅行や食事に心が動かないから
といって、ヨーコさんが「楽しむ力」を
失ってしまったわけではありません。
長年、誰かのために動き続けてきた
ヨーコさんにとって、
今必要なのは、大きな刺激ではなく、
まず「心地よさ」を選び抜いていくという、
目の前の小さなことから始める、
静かなプロセスなのかもしれません。
介護をしていた頃は、常に頭で考え、
判断し、動いていたと思います。
何を「すべき」かで物事を判断する
ことに慣れてしまったことと思います。
いまはそのかわりに、
何を「したいか」
を優先してみてください。
それもわからなければ、
何を「心地よく感じるか」
を振り返ってみてください。
いきなり旅行や
大きな予定を立てようとすると
ハードルが上がりすぎてしまいますが、
まずは、友人からのお誘いに一度だけ
「行ってみる」のもよいでしょう。
楽しめるかどうかは考えず、
ただ「体験してみる」というくらいの
軽さで十分です。
それも気が乗らないのであれば、
今日はお気に入りの椅子に座って、
いつか読もうと思っていた本を
手に取って読書をするとか、
窓を開けて風を感じるとか、
そんな日常のささやかな一つひとつの
行為の中に、自分にとって快適なものを
選び直していくのもまた、
ヨーコさんが自分の人生を取り戻していく
確かな歩みです。
静かに、穏やかに、
何もせずくつろぐ時間や、心とからだを
ゆっくり充電するような時間。
それもまた、立派な
「楽しむこと」のひとつです。
最後に、
ヨーコさんが何をしようがしまいが、
今までとは違ったかたちで、常にお母様と
共にいることを意識してみてください。
そして、何か新しいことをする前には、
心の中でお母様に
「見守っていてね」と伝えてみる。
これは、母を忘れることでも、
母から離れることでもなく、
心の中のお母様と一緒に
自分の足で歩いていく、
という新しい関係の築き方です。
ぜひ、ご自分のペースで
小さな一歩を、お母様とともに
歩まれてみてください。
ー川畑のぶこ
★川畑のぶこと行く!
沖永良部島4日間リトリート
ー空と海の瞑想の旅
秘境の南の島でのんびり過ごしませんか?
詳細はこちら
——*——*——*——
【お悩み相談募集中!】
今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。
お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。
【川畑のぶこからのプレゼント!】
★「ココロの学校」LINE公式アカウントに
ご登録いただいた方に、川畑のぶこからの
2大プレゼントを差し上げています!
P.S.
メルマガへの感想を募集しています。
お気軽にコメントをお願いします!
https://jp.surveymonkey.com/s/SZLNQCT
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
執筆者一覧
最近の投稿