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2022/01/07(金)
【小松易】『割れ窓理論』と片づけ
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こんにちは。
かたづけ士の小松易です。
今年の夏、ニューヨークで
地下鉄の新しい車両がお披露目されましたが
デザインを手がけたのは日本人だということ
をご存知ですか?
『過去25年でもっとも
影響力のあるニューヨーカー100人』
にも選ばれたことのある工業デザイナー、
宇田川信学(まさみち)さんです。
新車両だけでなく、
現在走っている地下鉄車両や
地下鉄の券売機なども全て
宇田川さんがデザインしたものです。
若い方はあまりピンと来ないかもしれませんが、
ニューヨークの地下鉄といえば、
かつては“世界最悪”と恐れられた、
悪名高き乗り物でした。
そんな地下鉄を、宇田川さんが
“安全かつ清潔な乗り物”へと
再生させたのです。
みなさんは、
『割れ窓理論』をご存知でしょうか。
アメリカの心理学者・ジョージ=ケリングが
提唱した理論で、
建物の窓ガラスが1枚でも
割れたまま放置すると、
そのビルは管理者がいないとみなされ、
凶悪犯罪が増えるというものです。
ニューヨーク市は1994年以降、
この犯罪理論に基づき落書きの消去を
実施したほか、
小さな犯罪の取り締まりを強化したところ、
犯罪全般の発生を抑止したのだそうです。
かつて犯罪の温床だった地下鉄も、
改善のため、車両そのものを
取り替えることになりました。
そのプロジェクトを手がけたのが、
宇田川さんだったのです。
私も以前、ニューヨークまで
視察に訪れたことがあります。
乗車してみると、かつて立ち込めた悪臭と、
薄暗く不穏な雰囲気は一掃されていました。
なかでもひときわ目を引いたのは、
車両デザインです。
死角になりやすい座席のコーナー部分の
背もたれは、窃盗を防ぐために、
手を差し込みにくく、抜きにくい構造に
変わっていました。
車両の材質は、落書きをされてもすぐに
消せるような素材を選んで設計されたそうです。
車内は広く明るく、女性や子供が安心して
乗れる雰囲気になっていました。
その結果、ニューヨークの地下鉄犯罪を
85%も減らすことに成功したんだとか。
デザインの力だけで、人の行動や心理を
ここまで変えることができるのだ
ということにとても感動しました。
『割れ窓理論』の話は、
とても片づけに通じるところがあります。
たとえば、玄関にお父さんが使った
ゴルフバッグを放置したとしましょう。
子どもたちもやがて
「ここはモノを置いてもよい場所だ」
と認識して、本来、使ったら片づけるべき
遊び道具を、出しっぱなしにしてしまうのです。
このお父さんのゴルフバッグは、
『割れ窓理論』の1枚の割れ窓と同じです。
リビングやダイニング、仕事机など、
最初のひとつを置くことで
ここに置いても良い“サイン”になり、、
散らかるきっかけになってしまいます。
「環境で人は変わる」ということを意識して、
ひとつのモノでも出しっぱなし、
置きっぱなしはしないための工夫や
使ったらすぐ戻すことを習慣化、
ぜひ実践していきましょう。
このあたりは折に触れ、
これからもお伝えしていきます。
いつも、あなたを応援しています!
小松易
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◎編集後記
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疲れて帰ってきた時は、ついつい荷物を
玄関に置きたくなってしまいますよね。
でも、後で片づける方がよっぽど
面倒だということも知っています…
なので、私の場合は、
出張から帰ってきた時なども
湯船にお湯をはっている間に
スーツケースの中身を全て出して、
消毒して仕まうようにしています。
そして、後はお風呂に入ってゆっくり♪
もし、普段から
後回しにしがちなことがあったなら、
ぜひ、すぐに片をつけるように
してみてくださいね。
慣れると、案外その方がラクに感じますよ^^
間中亜衣
この記事の執筆者について
小松易
日本初の「かたづけ士」
『かたづけを通じて人生を変えるコンサルティング』スッキリ・ラボ 代表
大学在学中にアイルランドへ留学し、トランク1つで生活できたことに衝撃を受けて帰国。物を持たない自由と幸せを実感し、自然とかたづけに意識が向くようになる。大学卒業後は建設会社に入社し、現場でかたづけの重要性を学ぶ。その経験から、プライベートで知人にかたづけを教え、かたづけのさらなる可能性を実感する。株式会社フジタを退社後の2005年、"かたづけ"を通して人生を変えるコンサルティング「スッキリ・ラボ」を開業。現在は経営者・企業向けに"かたづけ"のコンサルティング、セミナー活動を行う。今まで延べ2万人以上にかたづけ講演・研修を行っている。その活動は、「ガイアの夜明け」(テレビ東京)、「ドキュメント20min」「サラリーマンNEO」「めざせ!会社の星」「助けて!きわめびと」(NHK)などに取り上げられ、反響を呼んでいる。
著書はシリーズ累計47万部『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』(KADOKAWA /中経出版)、『「すぐやる人」になる1分片づけ術』(日本経済新聞出版社)ほか多数。最新刊は『「かたづけ思考」こそ最強の問題解決』(PHP研究所)。「近代セールス」「月刊不動産流通」「東商新聞」などで連載実績あり。「やましたひでこ断捨離メールマガジン」などで連載記事を執筆中。
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