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2021/08/25(水)
【川畑のぶこ】Q.中学二年生の長男の事で相談させてください…
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水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアします。
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Q.中学二年生の長男の事で相談させてください…
いつも断捨離メルマガを読ませて頂き、
ホッとしたりしています。
ありがとうございます。
私には二人子どもがいます。
中学二年生の長男の事で
相談させて頂きます。
(次男は小学三年生です)
「僕は統合失調症かもしれない」と
先日話してきました。
小六の時にクラスの一部の女子や男子から
嫌なことを言われ、地元の中学には
入りたくない、と言う理由で私立に入り、
思春期に入り、周りと自分を比べ、低身長
(145センチ、もう声変わりもしました)、
運動が苦手で嫌い、容姿も自信が無い、と
「僕は何も持っていない」と、中一の冬頃から
学校へ行くのが嫌だと言いつつ、
通っていました。
小六の頃から感情的になると暴れたり
(物に当たる)はしていますが、その都度
話を聞いたりしてきました。
今は夏休みで気持ちが落ち着いている方
ですが、家にいても、小六時代の事を
思い出して辛くなる、とのことで、
心療科へ行った方が良いのか迷っています。
好きなことは色々ある方だと思います。
クイズや歴史や音楽など、1人でも楽しめる
ことですが、仲間と共有したい気持ちもあり、
それが出来ないことも辛いようです。
長々とすみませんが、
よろしくお願いいたします。
【たまちゃん・40代・女性・夫の仕事の経理事務】
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A:FROM 川畑のぶこ
息子さんがご自身で統合失調症の可能性を
感じて相談してきたのですね。
息子さんご自身、とても悩んで
苦しい思いをされていることと思います。
たまちゃんさんも母親としてお辛いですね。
統合失調症は、妄想や幻覚など、これまで
なかったものが現れる陽性症状と呼ばれる
症状と、逆にこれまであったやる気や
感情表現が失われたりするなどの
陰性症状があります。
陰性症状はうつなど他の症状と似ているので、
それだけでは即、統合失調症とは
判断し難いと思いますが、
息子さんがそのように認識されたのは、
おそらく、
聞こえないはずのものが聞こえたり、
見えないはずのものが見えたりする、
また誰かからいつも見張られていたり、
陥れられると感じるなどの陽性症状が
あったのではと推測します。
発症の原因はわかっていませんが、
脳の機能の障害で、息子さんのように、
強度のストレスを引き金に発症することが
多く、思春期や青年期に発症しやすい
とされています。
また、ストレスに対して脆弱な人に
おきやすいともいわれています。
注意力や記憶力、また計画や決断などの
認知機能にも問題が生じることがあるので、
人間関係や日常生活に支障をきたすこと
なども出てきます。
もし、統合失調症であった場合、現在では
薬の開発も進み、早めに治療を開始
することで回復も見込めるので、
精神科を受診することをおすすめします。
心療内科の受診を考えていらっしゃる
とのことですが、一般的には、心療内科は
心が原因で身体に出る症状を扱うのに対し、
精神科は心が原因で心に出る症状を
専門に扱います。
統合失調症の場合、精神面の障害ですので、
精神科が専門領域になりますので、
ぜひ受診してください。
薬物療法と同時に、カウンセリングや
心理療法を受けて、息子さんが
自身のことを話し、じっくり聞いてもらい、
そして必要に応じて心の教育をして
もらえる環境をつくることは大切です。
また、専門家のカウンセリング以外でも、
ピアサポートといって、当事者どうしで
心を分かち合う会などもありますので、
そのような会を利用することはおすすめです。
精神科だとデイケアを併設しているところも
あり、不登校になった学生向けのさまざまな
リハビリテーションプログラムを提供して
いますところもありますので、ぜひ地域の
専門家に問い合わせてみてください。
デイケアのプログラムには、
ソーシャルスキルトレーニングと呼ばれる、
社会に適応するためのトレーニングや、
ネガティブなものの見方や考え方を、
より健全なものに変えていく認知行動療法
などもありますので、息子さんが同じような
悩みや問題を抱える仲間たちと一緒に、
学ぶことができれば回復も早まるかも
しれませんね。
心の病を抱えたときは、
心の学びを深めるときでもあります。
あせらずに、どっしり構えてこの機会に
学びを深める姿勢を育んでください。
大変な中にも、息子さんとたまちゃんさんが
この学びから、豊かな未来へと
つなげられることを祈っています。
– 川畑のぶこ
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◎編集後記
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今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?
一人で悩んでいると、
どんどん深みにはまっていきます。
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。
お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。
間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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