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2021/01/27(水)
【川畑のぶこ】Q.元カノとたびたび会う夫について
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q.元カノとたびたび会う夫について
自分に関係がないような話の時も
読み進めるとなんらかの気づきを頂け、
このメルマガにはいつも助けて頂いております。
さて、まもなく結婚33年を迎え、
仕事も一緒にしています。
なんとなく夫婦関係に
不満を持っていたらしい主人が
昨年元カノと再会しました。
不倫のようなそうでないような、
どう言う状態かよくわかりませんが、
今も月に一度くらいのペースで
二人で会っています。
最初は主人も浮き足立っているような感じで
私も気が気ではなく、頭ではとやかく言っても
主人が変わるわけでもないとわかりつつ、
会わないで欲しいと泣き叫んだり自分を見失い、
自己否定をしていましたが、
徐々に落ち着いて
ものを考えられるようになり、
自分を取り戻しつつあります。
当初から離婚はしないと言っていた主人も、
私がジタバタしていた時は突き放す感じで、
私の何もかもが気に入らないとばかりに
文句ばかり言っていましたが、最近は優しく、
愛を注いでもらっていると感じます。
主人の言い分としては、
私に嫌な思いをさせているかもしれないが、
夫という立場を離れて、
自分の時間を大切にしたく、
たまたまそこに彼女が現れ、ときに一緒に
時間を過ごしているとのことです。
一年以上私もいろいろ悩み、気づきもあって
今は、その元カノとあってることも含めて
主人の全てを受け入れたいと言う
境地になっています。
でも頭ではわかっていても、心がついていかず、
主人が彼女と会う日が近づくと気持ちが
ざわざわしていまい、ときに刺のある発言を
してしまいます。
どうしたら気持ちに折り合いをつけ、
何があっても穏やかに主人を見守れるのか、
ご意見を伺いたいです。
よろしくお願いします。
【じゅんこ・50代・女性・自営業】
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A:FROM 川畑のぶこ
じゅんこさんの逡巡が
痛いほどに伝わってきます。
頭でわかっていても、心がついていかない。
相手のことを思えば自由にさせてあげたい、
でも自分の気持ちをどうしたらよいの?
という叫びが聞こえてきます。
今はじゅんこさん自身、
落ち着きを取り戻されている
ということで何よりです。
ご主人が離婚をする気がないということで、
状況を整理してみると、ご主人は決して、
じゅんこさんを大切でないとか
愛していないということではなく、
生活に変化や刺激を求めた結果、
元カノと会うようになった
ということなのでしょう。
好奇心旺盛で人生に刺激を求めること自体は
悪いことではありませんが、それがひとたび
大切な人との約束事を破るということになると
苦しみが生じますね。
永遠の愛の約束が破られたとき、
私たちは自分が大切にされるに値しない、
また愛されるに値しない人間だと嘆かわしく
思うことかもしれません。
でも、ご主人の行動は、
じゅんこさんが愛に値しないから
起きていることではないということを
しっかりと覚えておいてください。
そもそも愛とはなんだろう?という課題に
互いに取り組む機会でもあるのかもしれません。
そして今回の問題は、
そのような夫婦間の未着手な課題を
浮き彫りにしてくれているのかもしれません。
それはコミュニケーションの
課題かもしれませんし、
性生活に対する価値観、
さらには、基本的な人生観や
結婚観のすり合わせかもしれません。
結婚した当初のまま
アップデートされることなく
(ときとして結婚当時にも
すり合わせておらず)、
なんとなく時が過ぎてしまった
ということも多いものです。
うまくいっている夫婦であれば、言わずもがな、
わざわざそのような価値観のすり合わせは
不要なのかもしれません。
ただし、
うまくいっている「はず」と
信じている夫婦には、
ときとしてサプライズが
訪れることもあります。
そのようなとき、
ある日突然と多くの人がいいますが、
無意識はどこかで「そんな気がしていた」と
うっすら知っていたりもします。
私たちは、恐れに向き合うことは
膨大なエネルギーを
要することを知っていますので、
失敗を避けるべく無かったふりをするか、
大丈夫なふりをすることで現状維持を試みます。
これは否認という心理的な防衛規制です。
そのようにして、
やがて、「めんどうなことは先延ばし」の
つけが回ってくるときが訪れます。
じゅんこさんは過去に、ご主人との関係で
違和感を感じつつも、そしてそれはきっと
大切なことだろうとお腹の底では感じつつも、
目を瞑ってきた部分はありますか?
そうであれば、いまそこに勇気をもって
自分は取り組み始めたんだと、
どうかご自身を称えてください。
今回のことは、未来にじゅんこさんが
ネガティブな出来事をきっかけとして
ようやく変化を起こすのではなく、
自分(たち)にとって大切なことは
うやむやにせず、率直に向き合う力を
育む修練になっていることと思います。
そして、結果を恐れず、
相手の全てを受け入れるというのは
とても高貴な姿勢だと思います。
もちろん、行きつ戻りつはあるでしょうし、
それが人間でしょう。
それでも、
そのようなあり方が大切だからと悟り、
それを意図して生きるじゅんこさんの姿勢は
周囲の人々の心を動かすことと思います。
33年間、ご主人とともに
歩んできていることは何一つ無駄ではなく、
今の学びに繋がっていることと思います。
私たちは変化が苦手です。
過去からのパターンの繰り返しは
自分を十全に満たすものではないにせよ、
楽で、そちらへ逃げ込みたい衝動に駆られます。
でも人生は変化だらけで、
ときとして私たちに
それらへの適応を迫るものです。
ここからじゅんこさんがご主人との関係を、
そしてなによりご自身との関係を、
どのようにアップデートしていくのか。
そのことに自ら気づき、
取り組みはじめていること自体が
讃えるべきことです。
この困難を乗り越えることで、
じゅんこさんがより進化し深化し、
豊かな人生を築いていくプロセスに
いるということを深く信じてあげてください。
いつか「あんなことがあったね」と、
ほろ苦い経験を微笑んで
話せる日がくることでしょう。
– 川畑のぶこ
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◎編集後記
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打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。
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間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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