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2019/03/11(月)
【やましたひでこ】あの年のあの思い
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おはようございます。
断捨離のやましたひでこです。
3月11日、月曜日
<旧暦如月五日>
七十二候、第八候
「桃始笑」ももはじめてさく
そして、「いのちの日」
そうですね、言うまでもなく、
今日は3.11。
記憶に隅にあるのか、
すっかり忘れていることなのか。
忘れられないことなか、
忘れてはならないことなのか。
いったい、どうなのだろうかと、
思うこともある。
ならば、あの年のあの思いを
綴ったブログ記事二編を、
ここに再録させていただこうかと。
どうぞ、お読みいただければ幸いです。
震災から8ヶ月後の
2011年11月11日、仙台にて。
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仙台へ。
2011.11.11.
震災から8ヶ月目の日。
到着したのは夜。
仙台駅前のビル街は、
以前と変わりなく、きらびやか。
みたところ、そのようには
見えるのだけど、どうなのだろう。
地震と津波とでは、こうも差があるのかしら。
そう思いながら、ホテルのレストランで、
浦霞の梅酒を、ひとり味わう。
この梅酒の産地、沿岸部の被害は、如何ばかりか。
そして、復興はどれほどすすんでいるのだろう。
そして翌日、断捨離セミナーin仙台。
震災の影響で、
春と夏に予定していたセミナーは中止と延期。
今回、漸く開催することができた。
参加者数は、東京とは比べようもないけれど、
開催できたことだけで、充分、有難いですね。
受講生さんの中には、岩手、陸前高田からの方も。
彼女は、受講動機を、こう語ってくれる。
おそらく、あの震災がなかったら、
こうして、受講することはなかっただろうと。
被災する前は、60坪の家屋。
広い広い一軒家には、
広いからこそ、荷物でいっぱい。
定年になって時間ができたら、
片づけようと、そう思っていた。
そう、片づけは、そのうち、そのうちの、
つにねに先送りの課題だった。
けれど、津波は、その大きな家と荷物を、
丸ごと全部さらっていった。
定年を待つまでもなく、
すべてが、いわば、自然による強制大断捨離。
そして、今は、
小さな賃貸アパートでの仮暮らし。
狭い家には、支援物資の衣類の山。
実際、今現在必要とする量を、
はるかに超えて、空間と暮らし、
気持ちまでをも圧迫していることは、たしか。
けれど、支援として戴いたモノたち。
処分するなんて、とんでもないと思ってしまう。
でも、急場凌ぎの衣類たち。
質も、テイストも、
すべてがバラバラでちぐはぐ。
今の自分には、まったくそぐわない。
けれど、やはり、これらのモノに、
支援の気持ちがこもっているかと思うと、
処分は憚られる。
この気持ちを、なんとかしたくて、
彼女は受講にやってきた。
そうですね、
時間の経過とともに、状況は変わる。
その状況の変化により、
情況にも変化が訪れる。
そして、自分とモノとの関係も
確実に変化する。
あの被災当時、
自分を助けてくれた衣類も、
今は、自分を圧迫するモノに
成り果てている現実。
変化に気づき、
変化を受け止め、
変化を受け入れる。
被災者だからと、支援の衣類だからと、
自らを、遠慮の渦に置いておく
必要はないですよね。
支援物資を送った私たちだって、
そんなことは望んでいないですものね。
さてと、彼女は、どんな選択決断を
するのでしょうね。
けれど、その前に、
自分の本当の気持ちに気づきましたよ。
それらを、捨てたくも、捨てられない、
心の奥の問題にね。
<長くなりました、つづきは、また>。
◇◇◇
そうか、私は怖かったんだ・・・
と、陸前高田からの受講生さんが、
講座の終わりに話し出す。
もらった支援物資を捨てるなんて、
どうしてもできない。
けれど、まったく不要物と成り果てている。
それどころか、狭い仮住居暮らしを
圧迫している夥しい量なのに。
支援物資をくれた人たち。
見知らぬ人だったり、
見に来るわけでもなく。
捨てても怒る人でもなく、
見に来て責めるわけでもなく。
そんな人たちに違いないのに、
何で、こんなにためらうのだう?
そして、講座の途中で気がついた。
もしまた、震災がおそってきたら、
貰ったモノを捨てるような私のような人間は、
誰も助けてくれないかもしれない・・・
そんな、恐怖心を持っていることに、
震災から八か月たって、今、はじめて気がついた。
震災への恐怖心。
助けの得られない恐怖心。
自らの勝手な思い込みに嵌っていた恐怖心。
そんな怖れで自分を縛っていたのですね。
まずは、支援品のプラスチックのお椀をやめて、
家の跡から見つかった「秀衡塗のお椀」を、
使うことから始めますと、高らかに宣言。
モノを活用することなく、
ただ死蔵するばかりの震災前の暮らし。
人のことばかりを優先させて、
自分をいつも後回しにしてきた自分。
モノも自分自身も、
ないがしろにしてきた自分。
そんな自分から、卒業の時を迎えたよう。
そして、卒業後は、
いよいよ自分の居場所づくりですね。
さあ、これからです。
◇ 状況と情況の変化〜仙台にて<2011/11/13>
https://ameblo.jp/
◇ 秀衡塗のお椀〜続、仙台にて<2011/11/14>
https://ameblo.jp/
あれから、八年が過ぎて。
この陸前高田から参加して下さった受講生さんは、
今、どうしておいでなのだろう。
お元気にお過ごしであると
希い望み祈るばかりです。
それでは、ごきげんさまにて。
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◎編集後記
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311のあの日、
昼間の地震にびっくりしたものの、
本当に驚いたのは…
家に帰ってテレビを付けてからでした。
その状況を見て、しばらく言葉が出ず…
今も思い出しても胸が詰まる思いです。
吉川広典
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この記事の執筆者について
やましたひでこ
クラター・コンサルタント
東京都出身。石川県在住。早稲田大学文学部卒
学生時代に出逢ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片づけ」に落とし込み、誰もが実践可能な自己探訪メソッドを構築。
断捨離は、心の新陳代謝を促す、発想の転換法でもある。
全国展開している「断捨離セミナー」は、年齢、性別、職業を問わず受講者から圧倒的な支持を得ている。
処女作『断捨離』<マガジンハウス>は、日本はもとより台湾、中国でもベストセラーとなり、『俯瞰力』『自在力』<いずれもマガジンハウス>の断捨離三部作他、著作・監修を含めた関連書籍は累計300万部を越えるミリオンセラー。
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