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2018/09/02(日)
【山際恵美子】ラグジュアリーってなんだろう?
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 山際恵美子
FROM 山際恵美子
おはようございます。
ファッション・ディレクターの
山際恵美子です。
先日、夏休みで伊豆と箱根に
2泊3日のプチ旅行に出かけました。
夫婦ふたりでのゆったり旅です。
目的はただただ自然に溶け込み
温泉につかり、美味しい地元の
お料理をいただくこと。
一泊目は、海のすぐそばに建つ旅館です。
ここは8階がロビーになっていて
お風呂のある1階は海抜0m。
先日の台風では、2階まで閉鎖して
上に避難したという。
それだけに、海との一体化がハンパない。
しかも全室オーシャンビューです。
露天に浸かって、ゆらゆら揺れる
波の眺めに身を委ねていると、
ちっちゃい自分が愛おしくなってきます。
いわゆる高級旅館のような女将も
いなければ、スタッフの皆さんは
比較的若くて、ちょっとぎこちない。
でも、私たちがゆったり愉しめるように
きめ細かい心遣いが見事でした。
フロントの対応にはじまり
仲居さんの気働き
地の魚を生かした大胆かつ
きめ細かい料理
そして、去り際にすれ違った
お掃除の年配の女性までが
心のこもったご挨拶をくださる
こういう宿に巡り会うと
自分が芯から満たされたという
実感を味わうことができます。
これこそが、「ラグジュアリー」と
いうことだと、私は思っています。
2泊目は箱根のリゾートホテルです。
外資系のとても名のあるホテル。
広々としたエントランス
16時から始まるラウンジでの
シャンパンなどのサービス。
スパも有名です。
スタッフはピシッとした制服に
身を包み、海外の高級ホテル並みの
外見は保っています。
しかしながら・・・。
チェックインカウンターの男性の
「お客様のプランではまだチェックイン
できませんが、たまたまお部屋が
準備できているのでご案内できます」
に始まり、客室係に大声で
「はじめてのお客様です」
との引き継ぎ・・・。
しかも、このフロントマン
タバコ臭くて話すのも不快!!!
と、このあともスパで夕食で
びっくりするような???が続き
すっかり旅の気分が台無しに。
マウンテンビューのお部屋だけが
唯一の救いでした。
ラグジュアリーなのはハードだけで、
肝心のソフトが追いついていない。
高級ブランド品を身につけていても
そこにその人に品格がついていって
いないのと同じ光景でした。
ラグジュアリーってなんだろう?
帰りに寄った仙石原の
「星の王子さまミュージアム」に
その答えがありました。
本の中の大好きな言葉、
「たいせつなものはね、
目に見えないんだよ」
ファッション界でラグジュアリーの
頂点といえば、オートクチュールです。
顧客のオーダーで、その人に
ぴったりのサイズであつらえる逸品。
もちろん、素材はいうに及ばず
刺繍やビジューなどの手仕事が
芸術の域まで達する超高級品です。
しかし、オートクチュールを
オートクチュールたらしめている
本当の理由は、その裏地や縫い目など
全く人の目にふれない所にあります。
そこにどれだけの愛情と労力を
注いでいるのかが勝負なのです。
プライベートの旅は自分の中の
何かを休めるためにするものです。
その「何か」を満たしてくれるのも
目にはみえない人の豊かな営み。
それこそが、今の私たちが求めている
「ラグジュアリー」なのだ。
そんなことを、改めて感じた
夏の旅のお話でした。
山際恵美子
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◎編集後記
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ありますね。外見だけ素晴らしいホテル!
実際泊まると…
「こんなもんかー」
なんて思うことあります。
マーケティング(広告や予約サイト)だけ
ゴージャスに見せて、実際は汚い部屋だったり…
そういう部屋だと、
もう行かないなぁって思っちゃいます。
結局泊まる部屋は
行き慣れたところか
安心できる系列のホテル
だったりするんですよね^^;
吉川広典
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この記事の執筆者について
山際恵美子
ファッションディレクター
一般社団法人ウーマンメディア協会理事
東北大学卒業後、ロータリー財団奨学生としてフランス留学。帰国後『エル・ジャポン』創刊メンバーとして編集の道に入る。 ファッション雑誌「GINZA」元編集長。フランス語と英語を活かし、ミラノ&パリコレクションを10年以上最前線で取材。マークジェイコブスやシャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドの単独インタビューなど独自のアプローチで注目を集める。 雑誌「エル・ジャポン」「クロワッサン」「GINZA]を経て 、書籍編集に移り、「断捨離」担当編集はじめ、ファッション、美容、医療、料理、ライフスタイルなど幅広い書籍を出版。 2016年マガジンハウスを退社後、ファッションアドバイス、執筆・編集、講演などで活躍中。
●山際恵美子公式ブログ●
https://ameblo.jp/yamagiwa-emiko
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