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2015/03/25(水)
[Q&A]他人の不機嫌はどうしたらいい?
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
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やましたひでこ公式メールマガジン「断捨離」
2015・3.25 No.1273
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◆今日の断捨離 「[Q&A]他人の不機嫌はどうしたらいい?」
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Q:他人の不機嫌はどうしたらいい?
私は医療関係の仕事をしています。
どんな職業でもあることだと思いますが、
クレームが出てしまうことがあります。
私に出来る限り、誠実に対応していても、
理不尽に感じるほどの怒りを向けられることがあります。
自分の技術的なことでの自信のなさや不安感は、
以前参加したセミナーで習った
ビリーフワークでだいぶ克服出来ました。
しかし、クレームなど他者から
向けられた怒りの感情は、
どのように折り合いをつけていいのかわかりません。
他人の不機嫌は私の責任ではないと、吹っ切れずにいます。
川畑先生はどのように対応されているのでしょうか。
【30代 歯科医 ちょこ様】
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FROM 川畑のぶこ
A:
クレームは受けて気持ちのよいものではありませんね。
業種が何であれ、クレームを受けて
何とも思わない人はいないでしょうし、
いたのであればそれは問題でしょう。
まずは、クレームを受けても
何も感じないようにする努力は
不要であるということを知っておいてください。
湧き起こってしまう相手の感情は
コントロールできませんし、
そのことに反応してしまう自分も
仕方のないことでしょう。
かといって、
「相手の感情の責任はとれないから」
と放っておくというのは、
問題のすり替えであり、
職場でのクレーム対応シーンでは
単なる責任放棄になってしまいます。
とりわけ、
ちょこさんが携わっていらっしゃる、
命や健康に関わる医療現場で
クレームが発生したときはなおさらですね。
クレームに関しては、
不愉快な思いはしつつも、
きちんと対応することが肝要です。
感じない努力ではなく、
対応力を高める努力、すなわち、
認知を変える努力よりも、
行動を変える努力をしてみることをおすすめします。
対応に熟達してくれば、
やがて不要に落ち込んだり
相手の感情に振り回されたりすることもなくなってくるでしょう。
川畑がクレームにどう心理的に
対応しているかという問いへの答えとしては
「クレームは改善の機会である」
という姿勢で対応するということです。
たとえそれが、いわゆる
モンスターペイシェントと呼ばれる人による、
度が過ぎた理不尽なクレームであったとしても、
それは決して好ましい事でないにせよ、
そういう稀なケースの対応を学ぶ機会と
受け止めて誠実に対応することを心がけます。
ちょこさんは歯科医師とのことですが、
臨床でも簡単に処置できるケースもあれば、
さまざまな治療を施しても
なかなか治癒しない難しいケースというのもあるでしょう。
人間の心の対応も全く同じです。
度が過ぎるクレームというのは、
その人の病んだ部分が顕著に現れているわけですが、
臨床と同様、困難なケースではあるかもしれないけれど、
それに対応する場が与えられており、
これを乗り越える事で、
経験を積み重ねる事ができると
受け止めることは可能です。
その経験には、自分一人で抱えていた
問題を組織で共有するということが
含まれるかもしれませんし、
法律家を通して解決するということが
含まれる事もあるかもしれません。
また、自分自身の技術や知識、
またコミュニケーション能力を
高めるということかもしれません。
クレームが発生したときの注意点としては、
感情の持ち主である「人」に焦点を
当てるのではなく、きっかけとなった
「事」に徹底的に焦点を当てることです。
そして、その「事」をどのように
改善することが出来たか、
あるいは限界があり改善は不可能なのかを振り返ります。
この反省がなければ
同じクレームが続く事になるでしょう。
クレームは患者さんや顧客が
期待していた結果が得られなかったことによって
起こるものですが、その期待は
・技術・知識
・金銭
・姿勢・態度
・コミュニケーション
などに向けられることが多いのではないでしょうか。
技術や知識や金銭などの問題であれば、
これはクレーム内容が比較的明確なので
対応がしやすいかもしれません。
医療技術に関しては、
一般的に標準化されている技術が
クリアされていることは言うまでもなく、
自分たちが提供できると標榜する標準に
達していない項目があったのなら、
クレームが発生しやすいでしょうし、
改善が必要とされるでしょう。
このようなケースは詫びの姿勢と、
物理的あるいは経済的補償による
問解決はオプションとなるのではないでしょうか。
ところが、自分たちの標準がもともと
顧客の期待するものより低いケース
(顧客の期待値が高すぎるケース)、
例えて言うなら、
自分たちはエコノミークラスを提供するポリシーだが、
顧客はファーストクラスを求めてるというような場合は、
認識の差があったということですから、
自分たちには対応が不可なレベルであることを
丁寧に説明して詫びる姿勢が求められるでしょう。
もしも相手がちょこさんの技術や知識ではなく、
姿勢や態度、またコミュニケーションに対して
クレームしているのであれば、
それは「自分を大切にしてくれていない」
というメッセージであり、
愛情欲求や承認欲求の歪んだ表れ方と
受け止めて対応することが大切かと思います。
怒りは恐れから生じることが多く、
その恐れは「自分は大切にされる価値のない人間なのでは?」
という疑いから生じていることが多いです。
そのようなときは、
相手のことが大切できちんと敬意が
払われていることが伝わる姿勢で接することが大切です。
カウンセリングスキルには、
「共感」と「傾聴」と呼ばれる、
基本中の基本姿勢がありますが、
これはカウンセラーがたとえクライアントの
ポリシーと自分のそれとは違っていても、
相手の立場に立って、その事を受け容れる姿勢であり、
積極的に耳を傾けて受け止める姿勢です。
このことで、
物理的な問題解決がされなくとも、
相手は「私はきちんと受け取ってもらえた。
大切に扱われた。」
すなわち「私は大切な人間なのだ」と
自己肯定して安心感を得るというと
心理的ニーズが満たされます。
無論、早く済ませたいから
「聞いているふり」をしているような
ケースは患者さんに伝わりますので逆効果です。
問題を抱えている相手と向かい合うときはことさら、
私たちには相手のニーズを理解するための
豊かな想像力が必要とされます。
また、これらのニーズを適切に把握して、
満たそうとするときには、
ちょこさん自身に精神的ゆとりがあることも重要です。
もしストレスの多い日々を送っているのであれば、
自己充電して心理的欲求をきちんと満たすことが先決かもしれませんね。
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◎編集後記
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何か問題が起きた時に、
「人」に焦点を当てるのではなく、
「事」に焦点を当てるということは、
とても大切ですよね。
「人」に焦点をあてて、
その人のせいにしたら、ある意味ラクですが、
本当の問題解決にはならないのかもしれませんね…
ー渡辺万里子
PS
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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