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2024/11/20(水)

【川畑のぶこ】Q.嫌いな人を過度に嫌って、相手からも嫌われようとしている自分が

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。

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Q.嫌いな人を過度に嫌って、相手からも
 嫌われようとしている自分がいます

価値観の違いから、嫌いな人がいます。

いつもなら、嫌いな人には近づかず、
離れることを選択します。

しかし、子供の通う幼稚園のママで、
子供たちが仲も良く、
離れることができません。
なので、表面的な関わりをしていました。

しかし、ある時、
嫌なことを言われたりされたりして、
私自身がとても傷つき、
感情も大きく揺さぶられました。

それから、
その人から嫌われようとしている自分に
気がつきました。

嫌われるなら、徹底的に傷つけて、
もう2度と会うことがないくらいの関係に
なりたいと思っている自分がいました。

自分と自分の関係性は
とても良くなっていると思っていたけれど、
この心理は一体何なのか、
正直わかりません。

思い返してみると、昔の恋愛もそうでした。
別れを告げられてから、
それだったら徹底的に嫌な人になりたいと
思っていたことがありました。

自分が振る場合も同じで、
嫌な言葉を吐き捨てて、別れました。

この頃は、
自分との関係が悪かったのですが、
まだこの私が私の中にいるようです。

それに気がついたはいいけれど、
嫌いな人を過度に嫌うところが
どうしようもありません。

気がつくと、嫌な人を思い浮かべ、
その人にどんな風に、
嫌な私で嫌われるか考えています。

とても苦しいです。

アドバイスをいただけたらうれしいです。
よろしくお願いします。

【ラクシュミー・30代・女性・公務員】

―――――――――――――――――

自分だけのことであれば、
単に距離をおけば良いだけの人間関係も、
子どもが絡むとそう簡単にはいきませんね。

自分で選ぶことはできない人間関係であり、
子どものことを思うからこそ、
ご自身の気持ちを抑圧してがまんしてきた
ラクシュミーさんだと思います。

けれども、
その限界が来てしまったのですね。

私たちはみな、
価値ある存在でいたいですし、
常に他人との関わりの中で
自分の存在価値を確認したいものです。

自分と異なる価値観の人がいたときに
脅威に感じて過剰反応してしまうのは、
自分の価値が損なわれるという
幻想をもつからです。

今回、
ラクシュミーさんが体験されたように、
相手に嫌なことを言われたりされたりしたら
怒りを持つのは当然のことです。

ただ、
それをどのように表現するかが問題であり、
表現の仕方によってご自身の心の状態が
把握できることと思います。

「今の言葉には傷つきました」
と相手を攻撃することなく、
率直なフィーリングを伝えることは、
自分も大切にして
相手にも配慮した姿勢だと思います。

一方で、嫌われているんだから、
こっちも相手を嫌う態度をとって
とことん嫌われるように仕向ける、
という、やられたらやり返す姿勢は、
相手と自分とでどちらが優位かを争う
マウントの取り合いであり、怒りや攻撃は
自分のパワーを感じたいための、
無意識で防衛的な行為でもあります。

私たちは怒っているときや
攻撃しているときは、
なんだか自分が強くなり、
パワーを獲得したような
気分になれるのです。

でも、これは裏を返すと、
そうでもしないと
自分は無価値になってしまう、
という恐れを隠す行為でもあります。

深い部分では、自分は自分、
相手は相手で良い、どちらにも
それなりの正解があり価値がある、
ということを認められていないので、
どちらが正しいか、白黒はっきりさせて
自分の価値を確認しようと、
不毛なパワーゲームに
陥ってしまうわけです。

自己肯定ができている人は、
自分が正しくあるために、
相手を不要に貶める必要はありませんが、
自信がない人は相手を悪者化して
自分が正しくないと
やってられなくなります。

では、このスパイラルから脱却するには
どうしたらよいのか?
ということに関しては、相手が嫌なことを
言ったりしたりしてきたときに、
相手も自分の価値を認めることができずに、
不器用なやり方で
(私を貶めて優位になることで)
それを確認しようとしているんだなと、
相手の見方をシフトしてみることです。

相手は強い人でもパワフルな人でもなく、
自身の価値を疑い、
自信が持てなくて困っている、
弱さを備えた人です。

「私と同じ課題を持った、困っている人」
でもあるかもしれませんね。

そのように
相手の行動の表面的な部分でなく、
根を見るようにしてみると
過剰反応をしなくて済むようになり、
時間の経過とともに、
慈悲の気持ちも湧いてくるかもしれません。

どちらが正しいか?を争わずに、
どのように違うのか?という多様性を、
愛ある好奇心をもって
見つめるようにしてみてください。

物事を深く理解する姿勢は、
ラクシュミーさんを過剰反応から解き放ち、
軽やかにさせてくれることと思います。

ー川畑のぶこ
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◎編集後記
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この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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