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2024/11/13(水)
【川畑のぶこ】Q.「感情失禁」かもしれない娘にどう接すれば良いでしょうか?
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水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。
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Q.「感情失禁」かもしれない娘に
どう接すれば良いでしょうか?
23歳の娘のことで
相談させていただきます。
浪人、留年をして現在医療系大学の4年生、
あと2年あります。
自宅から電車通学していますが、
入学当初から1人暮らし希望でした。
第一希望の学校ではなく、
合格していた他県の大学に行きたかったのに
私と夫が近くの大学を勧めた経緯があります
(無理強いはしていませんし、
最終的に決めたのは本人です)。
マイペースで
部屋が片づいた状態は見たことないし
何事も時間ギリギリで動くタイプです。
私と夫は割と勤勉なほうだと思うのですが、
娘には勤勉さは見られず
究極のめんどくさがりです。
入学後すぐ
相談もなく居酒屋のバイトを始めて、
その頃から出かける際に
行き先を告げることを
嫌がるようになりました。
干渉するつもりはないし、普通に、
家族に出がけの挨拶をするべきだと
何度か話したりするうちに、
私達を無視するようになりました。
それから今日まで、
会話らしい会話はほとんどありません。
留年したり事故を起こしたり、本来なら
親とはいえ頭を下げなければいけない
状況にも関わらず、
不機嫌な顔で無視し続けています。
話しかけて無視されるのは、我が子でも
とてもイヤな気持ちになりますが、
親なのだから話しかけて
近況を尋ねたりはしています。
最近、話していると
すぐ泣くようになりました。
怒っていないし
何もきついことは言ってません。
大学生活が順調なのか心配なので
尋ねただけで涙ぐんだりしています。
先日、夫が進級できるか心配して
部屋に呼んで話していると、
口を開けて声を出して泣きながら
鼻水とよだれを流して嘔吐し始めました。
呼ばれて行った時はあまりの状態で
驚きましたが、何かあったのか、
何かあれば聞かせて欲しいと
抱きしめて聞いても何も答えません。
娘は「感情失禁」ではないかと
思うのですが、
私たちには絶対に心を開かないし、
どうすればいいかわかりません。
娘に対する接しかたを
教えていただきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
【アリエス・50代・女性・主婦】
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娘さんがとてもお辛い状況にあることが
伝わってきます。
アリエスさんが親として心配されたり
戸惑われたりするのも
当然のことと思います。
娘さんの状態を見る限り、
相当のストレスがたまっていることが
わかりますし、きっと、親には言えない
悩みや不安があるのでしょうね。
親としては心配なので、なんでも聞いて
相談に乗ってあげたいでしょうし、
解決に導いてあげたいと
思うかもしれませんが、
これまでの娘さんの態度を見る限り、
もしかしたらそのようなアプローチが
逆効果になっている可能性もあります。
すなわち、失敗させないためのアプローチに
辟易している可能性があります。
中学や高校になる頃は、
まだまだ親から経済的支援は受けつつも、
心理・社会的には親から離れて、
失敗を含めて、何でも自分で試してみたい
自立の時期であり、
それは健全な成長の証です。
一人暮らしを望んだり、親を無視するのも、
自分を管理し、自立心を妨げるものを
排除する姿勢からでしょう。
また、大学生4年生であれば
年齢的にも成人ですから、行きたいところに
親の許可なく行きたくて当然ですし、
たとえば、いちいち
「好きな異性ができたので
その人と出かけてきます」
などといった報告をするのは
稀なケースではないでしょうか。
親に秘密があることも健全な歳です。
思春期からの親の子に関わる基本姿勢が、
「大丈夫!
若いときにはたくさん失敗して
学んでごらん!」
という信頼感ベースの姿勢なのか、
それとも、
「そんなことしていると失敗するわよ!」
と失敗させない(失敗を許さない)
不信感ベースの姿勢なのかで、
親子関係は大きく変わりますし、
子どもの自己肯定感にも影響を与えます。
子どもたちも私たちと一緒で、
大切な親や友人からは、
失敗も含めて信頼してほしいし、
認めてもらいたいものです。
当然ながら、
心配ベースであれこれ訊かれることは、
「あなたは大丈夫!」
ではなく、問題探しの姿勢であり、
「今のままではあなてはダメ!」
という間接的なメッセージ=
「あなたを信頼してませんよ」
という証として伝わってしまうことも
あります。
親からすれば、愛があるからこそ
心配するわけですが、
子どもからすると、煩わしいわけです。
片づけられないとか時間にルーズなのが、
その子のパーソナリティや
発達のユニークさからきている場合、
それが問題なくできる親の正しさから
責めることは、子どもにとって、
ときとして拷問のようになってしまうことも
あるので注意が必要です。
親の助言やサポートは、
娘さんが困っていて、
自ら助けを求めた場合に機能しますが、
本人がそれを失敗とも思っておらず、
困ってもいない段階では機能しないどころか
関係性の悪化を招いて
悪循環に陥ってしまうこともあるのです。
また、親から言われることはしたくないが、
第三者から言われるとする、
ということもありますから、
そのタイミングを信頼することも
大事かもしれません。
娘さんが辛そうなら、
カウンセリングや専門機関を
訪れることも大切です。
ぜひ、正しさよりも、
子どものユニークさに、
愛ある関心で寄り添う姿勢を
大事にしてみてください。
いま、アリエスさんが娘さんに対して
親としてできることは、
「困っていることがあるなら
何でも言ってね」
というオープンさであり、
根掘り葉掘り聞き出して
問題を解決することではありません。
それよりは、娘さんが安らげたり、
楽しめたりする話題や行動を
共有することを心がけてみてください。
私たちは、
相手が自分の問題探しをしようとしている、
と思うと緊張しますが、
私に愛と関心を持っていて
一緒に楽しもうとしている、
と思うとリラックスでき、
相手にも心が開けるものです。
アリエスさん(お母さん)が、
娘さん(自分)の状態にかかわらず
おおらかでごきげんでいる姿勢は、
娘さんに自信と安心感を
もたらすことと思います。
そのためにも、アリエスさんご自身が
日頃からリラックスできたり
楽しめたりすることを見つけて
取り組んでみてください。
するといずれ、そのような状態を
自然と娘さんともシェアできるようになり、
娘さんもそんな時間を
愛しめるようになるかもしれません。
娘さんとアリエスさんが
試行錯誤しながらも、
それぞれの道を切り開けますように。
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ー川畑のぶこ
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◎編集後記
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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