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2024/03/13(水)
【川畑のぶこ】Q.うつで休職中の娘への接し方
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Q.うつで休職中の娘への接し方
社会人の娘がうつと診断され
一年ほど前から休職しています。
大学から一人暮らしを始め
そのまま首都圏で就職したものの
仕事上で限界がきてしまったようです。
今は自宅と実家(関西)を
行き来していますが
一人暮らしをやめるつもりはないようです。
帰ってきている時は
休養のために戻って来ているのだからと
特に家事をさせていませんが
実家はモノが多いとか
私たち親の発言にはデリカシーが無いとか
文句が多いです。
突き放そうかとも思うのですが
病状が悪化してもと思い
どうも腫れ物にさわるように接してしまい
私もストレスです。
甘えているだけのようにも見えます。
父親(夫)からも
金銭的援助を受けているようですが
感謝がみられません。
私たち夫婦も、
金銭的に余裕があるわけではなく
二人で貧乏暇なしで働いています。
その働く姿を見ているはずなのですが。
心配ではなく
信頼して待ちたいと思いますが、
日々の過ごし方のヒントを
教えていただけるとありがたいです。
【ミイ・50代・女性・派遣社員】
―――――――――――――――――
離れたところで
一人暮らしをしている娘さんが、
人生に行き詰まりを感じている状況を
見守ることはとても辛いことだと思いますし、
心配するのは当然のことだと思います。
腫れ物に触るようにしてしまうことで、
ミイさんご自身がストレスになってしまい、
娘さんの言動を煩わしく思ってしまうことが
あるとのことで、
おそらくそのように思ってしまうご自身に
罪悪感を抱いてしまうことも
あるのではないでしょうか。
まず、ミイさんもすでにそのように
されていることと思いますが、
娘さんに対しては
愛情を持って接する事は大切で、
サポートする相手がうつ病の場合は
ことさら自身の存在価値に
疑問を抱いていることも多いので、
愛情表現は伝わりやすいように
されると良いと思います。
仕事で思うように
成果が出せようが出せまいが、
周囲がどう思おうが、
私(たち親)にとって
あなたはかけがえのない存在であり
愛おしい存在なのだということを
分かりやすく伝えてください。
もちろん、
娘さんがしたいことは応援したいけれど、
会社を辞めたければ無理をせず、
いったんリセットするために
いつでも帰ってきたら良いと、
心の安全基地を提供してあげてください。
同時に、娘さんが病んでいるからと、
ミイさんが何でもかんでも
受け入れなければならないと気負いして、
ご自身の気持ちを抑圧し続けると、
今度はミイさんが病んでしまいます。
うつ病の患者さんの家族が
患者さんに気を使いすぎてダウンしたり
うつを発症することはよくあることです。
ミイさんも第二の患者になる可能性は
あり得ますから、
無理をしすぎないように
バランスを取ることを
心がけていただきたいです。
ご自身にも限界があることを受け入れて、
できるサポートとできないサポートを
区別して、無理なものは率直に、
かつやさしく丁寧に伝えることを
お勧めします。
おそらく、
出来ないことを出来ないと言ってしまうと、
娘さんが、大切にされていないと
思ってしまうことを
ミイさんは恐怖しているかもしれませんが、
そこは逆に、信頼しているからこそ正直に
伝えているのだということも、
穏やかに、それでいてどっしりとした態度で
伝えてみてください。
たとえば、
お金は出してあげたくても
元手がなければどうしようもありません。
そのことを無理して伝えずに
言いなりに渡し続けていると、
やがて経済状況も気持ちも
破綻してしまいます。
あなたが大切だからこそ、
全員で沈没という状態は避けたいし、
正直にコミュニケーションしていることを
伝えてみてください。
そして、経済的なバランスを取りつつも
娘さんの希望を極力叶えるには
何ができるのかを
一緒に考えてみてください。
たとえば、東京の生活費が嵩むなら、
それでも今の会社に
復職する希望があるなら、
より家賃の安い物件を探してみるのも
ひとつかもしれませんし、
サポートできる限度額や期限を
明確に伝えるのも大事でしょう。
娘さんの言動でミイさんがストレスに
なっていることについては、
ひとつには、言葉の内容を
すべてまともに受け止めすぎないことです。
できる限り対応してあげたいと思うと、
それができないことに対して
ストレスがかかりますが、
娘さんも内容がなんであれ、
信頼して心を許しているからこそ、
他では言えないことを
素直に吐き出せる場として、
家庭が機能している部分も
あるかと思います。
娘さんの無意識には、
どんな私でも受け入れてもらえることを
試す心もあるかもしれません。
そんな言い分に
ただ耳を傾けてあげるだけでも
薬になることがありますから、
割り切って傾聴に徹しつつ、
受け止めすぎずに
うまく交わすことを学んでください。
ただし、ときに言われたことに対して
ミイさんご自身も
課題意識があるからこそ反応してしまう場合
(たとえば、本当はご自身もモノが多くて
大変と思っていらっしゃるなど)
は、分かっていることを言われたことで
過剰反応してしまったのだなと
ご自身の内面に気づいてあげてください。
分かっていることを言われるのは
気分の良いものではありませんね。
でも、自分にとっての課題であるがゆえの
反応であることを素直に認めて、
娘さんには 、努力してみるねと
サラッと伝えたり交わしたりした上で、
言われたからではなく、
自分の課題と認識しているから、
自分に誠実であるために断捨離に取り組もう、
と、意識を切り替えると良いと思います。
娘さんの言い方は
気に食わないかもしれませんが、
あくまでも自身が気づくきっかけを
与えてくれたと切り替えてみてください。
人生はままならないものです。
そして、ぶつかり合いながらこそ
磨かれていくものもあります。
娘さんも、ミイさんもこのような試練から
学べるものがあることを信じて、
起きている辛い出来事の中にも
何某かの恩恵を見出す姿勢を
育んでみてください。
応援しています。
ー川畑のぶこ
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◎編集後記
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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