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2024/01/17(水)
【川畑のぶこ】Q.夫との関係に悩んでいます
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。
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Q.夫との関係に悩んでいます
川畑先生のメッセージには共感することも
多く、他の方の相談にも励まされています。
主人が双極性障がい(断定はされていないが
恐らくⅡ型)で、現在休職中です。
元々は鬱病と診断されていましたが、
10年以上経って診断名が変わりました。
出会った当初はとても優しい良い人で
「これ程良い人は今まで見たことがない」と
人柄に惹かれて結婚しました。
ところが子どもが生まれて
しばらくした頃から
パチンコ依存が始まり、借金を重ね、
底を打って会社を退職に追い込まれました。
当時は、小さな子どもを抱え
私も非常に苦しみましたが、主人も反省し、
転職して、精神科にもつながり、
通院しながら小康状態が続いていました。
ですが、昨年、
仕事上の過労が続いたことで、
「躁」状態が明らかになった次第です。
その後しばらくして抑鬱状態となり、
少し回復したものの現在も鬱傾向が
続いています。
今も優しいところは変わらないのですが、
病気のせいで溌剌とした明るさは失われ、
イライラしていることもあります。
主人は優しく和を重んじ、
つい我慢を重ねてしまう人なので、
責めたり悪く思ったりしたくはないのですが
私も辛いです。
病気のせいだと分かっていますが、
生活リズムを整えたり、
少しずつ身体を動かしたりなど
良くなるためにできることを少しずつ
行動に移して欲しいのですが、
ただ時間が過ぎるだけで
もどかしく感じてしまいます。
私の思考もぐるぐると彷徨い、
前向きに頑張ろうと思える時もあるのですが
「なぜこの人と結婚した」
「あの時、別の人を選んでいれば」
など、考えても仕方ないことに思考を
奪われることも少なくありません。
今後どう考えていけば良いか、
私には何ができるのか、気づきとなる
メッセージをいただけますと幸いです。
【ちーと・50代・女性・パート】
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双極性障害は
家族が振り回されてしまうことが多く、
ちーとさんのご苦労が伺われます。
そのような中で、
長年ご主人の精神障害に寄り添おうとする
ちーとさんの努力にご主人も
救われていることと思います。
双極性障害は過去には躁うつ病と呼ばれ、
ハイになる躁状態と落ち込むうつ状態が
繰り返される精神障害で、
性格に問題があるのではなく、
脳の異常によるものです。
誰が見ても異常と気づけるほどに
極端にハイテンションになるI型と異なり、
II型は躁状態のときが単に
元気な人と変わり映えしない軽躁のため、
周囲も本人もそれが躁状態と気づきにくく、
うつ状態のときだけがクローズアップされて
長年うつ病の診断がくだされていることは
よくあることです。
その間、医師が変わってしまうと、
なかなか気づかれにくく、
うつの治療が継続することも
多いと思います。
治療がされずに悪化していくと、
ご主人のパターンのように、
躁状態のときにギャンブルや大きな買い物に
お金を浪費して経済バランスや
社会的なバランスを
崩してしまうことがあります。
双極性障害には薬物療法が効きますが、
うつの治療と双極性障害の
薬物療法は異なるので、
ご主人本人もうつの治療をしてきているのに
治らずに長年苦しい思いをされたことと
思います。
昨年双極性障害の診断が下ったとのことで、
治療が奏功して落ち着いてくることを
願っております。
そのような中で、
ちーとさんにできることとして、
まず家族会などに参加することを
おすすめいたします。
現状、どうしても、
家庭内の空気が煮詰まって
苦しくなってきてしまうと思いますが、
同じ課題を持っている第三者と気持ちを
グループの中でシェアしたり
情報交換をしたりすることで、
煮詰まった心に風穴が開くことがあります。
「自分だけではない」という
見えない絆を感じられることで、
前進する力が湧いてくることもあります。
そして、ちーとさん自身が
自分の時間をとることも大切です。
家族に手がかかる状態の人がいると、
どうしても自分のことは棚上げして
相手を優先してしまいがちですが、
現状、ちーとさんも
第二の患者のようなものですから、
セルフケアを大切にしてください。
ちーとさんのエネルギーが枯渇してしまうと
ご主人もろともに家庭が沈んでしまいます。
それは避けなければなりません。
ご主人の状態が悪化して
手に負えない状態になってしまったのなら、
入院を検討することも大切かもしれません。
それは決して薄情なことではなく、
家庭が沈まないための善処です。
家族と適度な距離を保つことで
サポーターがエネルギーを
セーブできることもあります。
夫が苦しんでいるときに自分だけ
くつろいだり楽しんだりしてよいのかと
罪悪感が湧いてくるかもしれませんが、
そういうときだからこそ、
ちーとさんが充電して
サポートのエネルギーを培う
必要があります。
ご主人は優しくていい人なんだから
我慢しようという姿勢ではなく、
自分自身に対して優しくなってください。
すると、ご主人に対しても
自然と優しい気持ちに
なれるかもしれません。
ご主人は
抑圧的になってしまうことが多いので、
その反動で爆発してしまうことも
あるかと思いますが、
そこまで気持ちを抑圧しなくても
あなたを受け入れる人はいるよ
というメッセージが伝わる関わり合いを
構築するよう心がけてみてください。
良質なサポートのために、
サポーターのセルフケアは欠かせません。
その上で、このことが
起こっていることの意味というのも
ぜひ探求してみてください。
すなわち、この出来事から
なにか学べるものはあるだろうか?
という視点です。
そのことでちーとさんもご主人も
成長できるのであればそれは
価値のあることかもしれません。
もちろん、ときとして、
家族にとってはこのような状況が
オーバーキャパで消耗が激しいため、
患者さんに対してNOということが
課題のこともあるでしょう。
すべてを背負い込む必要はありませんし、
これまでの努力をきちんと
ご自身で称えてあげてください。
セルフケアにきちんと取り組んだうえで、
最後はちーとさんの心の底の声に従って
人生の舵取りをしてみてください。
応援しています!
– 川畑のぶこ
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◎編集後記
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今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。
お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。
住田莉良
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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