ホーム / 【川畑のぶこ】“諸刃の剣”の扱い方
2021/11/17(水)
【川畑のぶこ】“諸刃の剣”の扱い方
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
今日は、みなさまからのご相談をお休みし、
川畑のぶこの所感をお伝えします。
* * * * *
みなさんは、「習気」という概念を
ご存知でしょうか?
「じっけ」と読むのですが、
仏教の概念で、煩悩を起こすことによって
心の中に印象づけられた慣習的な
気分や習性とされています。
これによって私たちの思想や行為などが
生じることから、種子(しゅうじ)とも
呼ばれるそうです。(コトバンクより)
習気とは、分かっちゃいるけどやめられない、
心のクセのようなものですね。
これに似た心理学用語に「ドライバー」
というものがあります。
心理学の中でも
交流分析という分野があるのですが、
その大家で、私もアメリカでトレーニングを
受けた臨床心理学者ケーラーによって
提唱された概念です。
ドライバーとは、私たちの心を無意識に
「駆り立てるもの」という意味があります。
幼少期に親から受けるメッセージによって、
このドライバーが確立され私たちの行動に
影響を与えていきます。
ドライバーは、ものごとを効果的に
前進させるのに役立つことがある一方で、
過度に発動するとストレス化に陥らせ、
人生の質を損なってしまう、諸刃の剣です。
さて、どんなメッセージによりドライバーを
身につけるのか、今朝の我が家のシーン、
私と息子とのやりとりから
紐解いてみたいと思います。
●息子「ママ、はい、昨日のテスト」
私「おっ!おしい!あと2点で100点じゃん!」
→『完璧であれ』ドライバー発動中
●(制服に着替える息子をみながら)
私「はい、ダラダラしないで、テレビ消して
着替えに集中する!」
息子:セカセカ着替え始める
→『急げ』ドライバー発動中
●息子「はい、これキオスクで
ハイチュー買ったレシート」
私「お友達にも分けてあげたの?」
→『喜ばせよ』ドライバー発動中
●息子「あぁ~、クッキー(犬)に
引っかかれたー」
私「そんなことでいちいちグズらない」
→『強くあれ』ドライバー発動中
●息子「あー、学校の宿題やだ。
やりたくない。意味不明。」
私「他の子たちも頑張っているからね。」
→『努力せよ』ドライバー発動中
この背景には、私自身、朝の業を、
とっとと(=急いで)全て(=完璧に)終えて
職場の同僚に迷惑をかけない(=喜ばせ)よう、
早起きもして(=努力)文句言わずに(=強く)
進めるという、心理的に駆り立てられた
背景があります。
代々脈々と受け継ぎ、しっかり
バトンタッチしているわけですね(^_^;)
くり返し、適度であれば問題ないものの、
常に駆り立てられていると
心は疲弊してしまいます。
この自分を駆り立てているものの正体を
把握することができると、
たとえ、突っ走ってしまっても、
「やっちゃっている」自分をどこかで
もうひとりの自分が冷静に
観察できるようになります。
また、その状態から降りるオプションが
あると知ることで、楽になれます。
自分を俯瞰できる、
いわゆるメタ認知の状態です。
駆り立てられ、その状態に乗っかっては降り、
また駆り立てられて乗っかっては降りる。
これが上手にできるようになると、
人生にしなやかさが増してきます。
私もとりわけ執着が出やすい
息子とのやりとりでは、
このメタ認知が試されてるばかりで、
日々精進です。
ムクムクっと種子から芽が出てきたら…
そこへは水やりをせず、
呼吸に帰り=我に帰ることから
始めることにしています。
ぜひみなさんもドライバー発動時には
ぜひ一呼吸おくことから始めてみてください。
– 川畑のぶこ
━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━
川畑さんと息子さんのやりとりを見ると
自分も知らず知らずのうちに
「心理ドライバー」が
発動しているんだなと感じました。
特に、家族に対しては、イライラしたり、
余計なことを言ってしまったりして、
後悔するのに、また同じことを
繰り返してしまうといったことがあります。
感情のコントロールができず、
とても、もやもやしていましたが、
5つの「心理ドライバー」を知ったことで、
少し感情のコントロールがしやすくなりました。
もし、あなたも
コミュニケーションや人間関係に対して
もやもやすることがあるのなら、
一度こちらを見てみてくださいね^^
↓
人間関係がラクになるコミュニケーション心理術
* * * * *
今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?
一人で悩んでいると、
どんどん深みにはまっていきます。
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。
お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。
間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
執筆者一覧
最近の投稿