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2021/05/12(水)
【川畑のぶこ】 Q.長男のことで悩んでいます…
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水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q.長男のことで悩んでいます…
中学二年生になる
長男のことで悩んでいます。
長男は、中学受験をしましたが、
第一希望の学校には合格できず、
公立の中学校に通っています。
受験勉強からの反動か、テレビや動画ばかりみて、
試験前でも勉強しません。
サッカー部に入りましたが、
不整脈や息切れを訴え、休部しています。
病院で様々な検査をして、
(心電図を1日装着するなど)異常なしでした。
学校が終わるとまっすぐ帰ってきて
平日も休みの日も、友達と遊ぶことはなく、
家で動画やテレビをみて外出することはないです。
一度、手首をカッターで切って、
話し合いをしたときには、生きていて楽しくない、
死にたいといわれました。
(しかし、深くは切れなかったようで
出血はしましたが、今は傷跡が残る程度です)
親としては、死にたいなんて考えてほしくない、
部活に行って、友達と遊ぶといった
中学生活が楽しかったと思うような
経験をしてほしい、と思います。
学校でのクラスメイトからの印象
(カードにその子供の印象を
書いてまとめたものを見た)
は「大人しい」ばかりで、先生との面談でも、
大人しいといわれました。
家ではそんなことはなく、
気に入らないことがあったり、注意すると、
「チッ」と舌打ちをして無視するか、暴言を吐きます。
話し合いをすると、親を侮辱し、
傷つけるようなことを言います。
(クズからはクズしか生まれない、
クズとして最後まで育ててください
といわれたのがショックでした)
私も夫も長男のことが心配で、
仕事が手につかなくなることがあります。
素直になって心を開いてほしい、
と切実に思っています。
アドバイスをいただけると幸いです。
【RYOKO・40代・女性・会社員】
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A:FROM 川畑のぶこ
我が子が生きるのがつらく死にたいと
訴えるのを聞くのは、この上なく辛いことです。
RYOKOさんの子どもに
幸せに生きてもらいたい気持ち、
苦しみを取り除きたい気持ちは、
全世界の母が共有する感情でしょう。
私たちは、自分の本性(自然)から
離れてしまったときに病みます。
医学の父、ヒポクラテスは
「自然から離れるほどに病気に近づく」
と説いています。
それでは、息子さんが、
息子さんらしく生きるということは
いったいどういうことなのでしょう。
このような己の存在意義に関する
問いへの明快な答えというのは、
即座に得られるものでもないと思いますし、
おそらく息子さん自身、同じ問いに悩み、
探求の過程にいるのではないでしょうか。
自己アイデンティティーを確立する過程
というのはもがきがあるものですし、
思春期は親への反抗もありますから、
ケアはしつつも、どうか心配しすぎずに、
温かい気持ちで息子さんに寄り添ってください。
そして、幸せの感じ方に関しては、
人それぞれ異なり、親子でも異なる
ということを認識しておいてください。
親の思い描く幸せが、
決して子どもの思い描くそれとは
一致しないこともあります。
誰かにとっての喜びが他の誰かにとっては
苦しみになることもあるのです。
人とワイワイ交流することに喜びを感じる人もいれば、
静かに一人の時間や空間をじっくり味わうことに
深い喜びを感じる人もいます。
このような生まれ持ったパーソナリティーに
優劣はなく、それぞれに長所も短所もあります。
みんなから「大人しい」との印象を持たれる
息子さんとのことなので、きっと一人の時間や空間を
大切にしたいパーソナリティーなのではないでしょうか。
ご自身のニーズをきちんと満たすために、
学校から早く帰ってきているのかもしれません。
おそらく、RYOKOさんは人と触れ合うことに
喜びを感じる方なのでしょう、すると「大人しい」
というパーソナリティーを対人交流が苦手と
否定的に捉えてしまうかもしれません。
でも、大人しい人にも「思慮深い」「穏やか」
「洞察力がある」「自分の世界を持っている」など、
長所はいくらでもあるはずです。
そうであれば、それを受け入れ認めて
関わり合う姿勢を大事にしてください。
「部活に行って、友達と遊ぶといった
中学生活が楽しかったと思うような経験をしてほしい」
という気持ちを、「幸せを体験して生きてほしい」
という気持ちに切り替えてください。
そして、「彼なりの幸せの体験の仕方」があり、
それは彼はいちばんよく知っていることを
受け入れてください。
さもなくば、自分でない自分になることを強いられる、
生きづらい世の中になってしまいます。
学校で多少無理をしてストレスに
なっているのであれば、せめて家庭だけでも、
彼が彼のままでいられる、心地よいくつろげる居場所
としてあげてください。
そのことで息子さんの心が充電されたのなら、
また明日も学校で頑張ろうというエネルギーに
つながることと思います。
私たちは子どもに対して己のごとく
向き合ってしまいますが、相手は立派な人格をもった
ひとりの人間であり、自分とは別の存在
であることを思い出してください。
同じものを食べて、同じ空間で過ごしているのに、
しかも私から生まれているのに!?
なんでこんなに違うんだろう?面白い!
と、お互いの違いから何を学べるのか、
愛ある好奇心を持って向き合ってみてください。
違いを好ましくないこととしてでなく、
新たな価値を学ぶ機会として受け止めることが
できたなら、人生は息子さんにとっても、
RYOKOさんにとってもより豊かになることと思います。
– 川畑のぶこ
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◎編集後記
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間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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