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2016/04/06(水)
【川畑のぶこ】[Q&A] 心を許せる友達が欲しい
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、 川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q:心を許せる友達が欲しい
私には、親友と言える友達がいません。
もともと社交的では無く、子供の頃から
ずっと抱える悩みの一つです。
結婚して、主人の両親と同居し、家が
商売をしていましたので家業と育児、
主婦、そして、自分の両親と主人の両親
の認知介護を経て4人とも見送らせて
いただき今に至ります。
主人としていた家業も業績悪化で両親
の認知症の悪化とともに辞めてしまい、
私は外に働きに出ていましたが、仕事
で身体を痛めてしまい、辞めざる得な
くなり両親の介護だけにまわることに
しました。
家の事で手いっぱいで、友達とも疎遠
になり、いざ、両親を見送り自分の
時間が出来てふっと気づくと周りには
誰も居なくなっていました。
たまに、連絡が来て愚痴やお悩みを
相談されて真剣に相談にも乗ったり
していたのですがその時だけで、周り
の揉め事の繋ぎにしかならず。。。
時間に追われて、失敗などが許され無い
家庭なので、いつの間にか鬱のような
症状が出ていて人の輪の中に入るのが
苦手になり、このままでは孤立してしまう
と思う気持ちなどからか焦ったり、
人前に出て喋るなどという事になると
過呼吸のようになり、指先の痺れと
震えが出るようになりました。
なのに、寂しくて友達が欲しいと思い
SNSなどを始め交流などを試してみ
ましたが、上手くいきません。
これからも、ずっと居場所を探し続ける
のかと思うとどんどん気が滅入ってしまい、
出口が見えないです。
家族が居てくれるので、贅沢な悩み
なのかもしれませんがやっぱり、
心を許せる友達が欲しいと思う
毎日なんです。
【ゆゆ様・49歳・主婦】
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A:
FROM 川畑のぶこ
他者のために尽くしてこられた
ゆゆさんの真摯で謙虚な姿勢が
伝わってきます。
人間は社会的動物ですから、周囲と
適応するために、時として本心を封じ
て、自分のことよりも他人を優先したり、
他人に迷惑をかけないよう行動する
ことが大切になりますが、その社会的
な姿勢がプライベートにも常に付きま
とうようになってしまうと、それは
一時的につけていた仮面が顔から剥が
れなくなったような状態で息苦しく
なってしまいます。
まずは、今までそのような状態に耐え
てきたご自身を労ってあげてください。
そして、これからは自分を優先する
ことも時として自分をさらけ出すこと
も大切にする自分だと決意をしてみて
ください。最初は違和感があるでしょう。
自分を殺して相手に合わせる方が充足感
は得られないにせよ、問題が起きたり
過度に嫌われたりすることもないので
楽だと感じるでしょう。いったん、この
楽を捨てる勇気を持ってみてください。
主張をすれば必ず摩擦も生じます。
ただし、摩擦はいけないものかと言わ
れれば、決してそうではありません。
摩擦を通じて、より自分に相応しい
人間関係や環境が何かを学んでいく
大事なプロセスでもあるのです。
合う人合わない人、合う環境合わない
環境がはっきりしてくれば、そして、
合う人や環境に自分の身を置くように
すれば、結果的に楽になります。
これはゆゆさんだけでなく、相手にと
っても思いやりある姿勢です。
ゆゆさんが、自分の本心を伝えず、
無理に相手に合わせている以上、
相手には「あなたを好意的に思って
いますよ」という無意識なメッセージ
を発信してることでしょうし、相手も
それを受け取ることでしょう。
言葉は悪いですが、自分を欺いている
だけでなく、相手も欺いてしまってい
るのです。「本当は疲れるし、自分の
本音を出したいけれど、嫌われるのが
怖いし寂しいから合わせているだけよ」
と。
もちろん、そのことでゆゆさんは嫌わ
れずに済むかもしれませんし、表面的
な摩擦は起きないかもしれませんがが、
やがてゆゆさんの心が疲れて、結果的
に相手に悪感情を抱いてしまうことに
なるでしょう。
自分の本心を伝えるのが苦手な人と
いうのは「本音で接したら人は離れていく」
と強く信じていることが多いですが、
実際は、本音で話して離れる人もいれ
ば離れない人もいます。中には、本音
で話せるようになることで、さらに
近い関係になることもあるというのが
現実です。
もちろん、その本音が一般常識や倫理
を逸脱していれば話は別ですが。
全員に好かれる必要も、全員に嫌われ
ない必要もありませんから、ゆゆさん
にはぜひ「全員ではないけれど、もし
かしたら、ほんの少数かもしれないけ
れど、本音の私を好む人もいる」とい
う信念を強化して、勇気を持って自己
主張や自己表現をしてみて欲しいと
思います。
今まで友人の相談にばかり乗って、
相手の悩みが解決すると連絡が
途絶えるのなら、今度はゆゆさんから
友人に連絡をしたり、悩みの相談を
してみてください。これは自己開示の
大きな一歩ですね。
もしかしたら、変化したゆゆさんに
驚いて、相手は連絡を取らなくなる
かもしれませんが、それはゆゆさんが
本質的に好かれない人間だからでは
ありません。相手にとって今まで通り、
自分の愚痴や悩みを、口を挟むこと
なく、無条件に傾聴し共感してくれる、
都合の良い人間ではなくなったからです。
偽りのゆゆさんに対して好意的に
思っていた人が、そうではなくなった
だけであり、イコール本心のゆゆさん
が全ての人から受け入れられないとい
うことではありませんので、その辺の
混同がないように気をつけてください。
もちろん、そのご友人と、今後さらに
絆が深い関係になることもありますから、
その可能性も大切にされてみてください。
ゆゆさんにいちばん近いところに
いらっしゃるゆゆさんご自身が己の
良き理解者となってあげてください。
PS
水曜日の断捨離メルマガでは
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(不定期)
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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