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やましたひでこ公式メールマガジン「断捨離」
2015・12・29　No.1550

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◆今日の断捨離 　「愛すべき片づかない部屋」
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FROM　千場ひろこ

みなさん、
ごきげんさまです。
「暮らしの哲学」研究会の
千場ひろこです。

断捨離はいまだ
世間一般では
「モノの片づけ指南」と
思われているようで。

だから、ワタクシ
さぞかしキレイ好きで
片づけ上手なのだと
人に期待されたりします。

あるいは、なんにもない
ミニマリスト？ 的な暮らしが
望ましいと考えている人だと
勘違いされたり。

残念ながら、
そういう志向は
ありませんでして。

むしろ、部屋が本や資料、
なぞのオブジェでくちゃくちゃに
散らかっている人、
というのに憧れがあります。
（もちろん不潔はヤーですけどね）

しかも、それでいて「片づけられない…」
などと悩む素振りがまったくない人。

その人なりのルールや秩序があり、
愛情のようなものが行き交っている住まい。

芸術なのか、学問なのか、
何かしらを夢中で探求している中で、
まるでその創作や研究の
“種”や“かけら”のように
本やモノが住まいに溢れている。

そういうの、好きですね。

―――

以前仕事でお世話になった、
評論家のKさんのこと。

もうすでにお亡くなりになっていますが、
Kさんはとにかく本の虫で知られていて。

「本の隙間に住まわせて
もらっているんだ」と
自ら表現されるほどで。

溢れかえった本が
風呂に入っている時に崩れて
閉じ込められてしまったことさえ
あったとか！
（でもそれをもたのしんだ様子）

ある一件でKさんと電話で
話していた時。

本の雪崩れが起きたのか
話の途中で
「がががー」
と音がしたと思ったら
「つー、つー、つー」
と電話が切れてしまったことが
ありました。

電話の向こうの部屋の有様が
忍ばれましたね。

亡くなられたあと、
住まいにはなんと約3万冊も蔵書が
あったことがわかったそうで。

Kさんの本への思い入れは、
その本の集合体が
何かの有機体のように
魂を持ってしまうくらいのもの
だったのかもしれない。

っていうくらいに、
あの電話の切れ方は絶妙だったことが
印象深いです。
（私が余談を切り出そうとした矢先でした）

―――

かつてそんな
アーティスティック（？）な生き方に
憧れた若かりし頃の私。

でも気づけば自分の部屋は、
そんなアーティスト魂以前に、

・ 他人の価値観
と
・ 旧時代のもったいない思想
と
・ めんどくさい病

とがないまぜになった
「怠惰で奇妙な要塞」に
成り果てていました。

そんなただの
「怠惰で奇妙な要塞」を
「愛すべき片づかない部屋」
と勘違いしていた千場に
（そんなカンチガイ、
私だけじゃないよね！？）。

ピシャリと喝を
入れてくれたのが断捨離でして。

私は断捨離のおかげで
住まいという現場において
イチから自分を再構築する
チャンスを与えられた気がします。

そもそも今にして思えば。

「愛すべき片づかない部屋」
というのは、
才能ある人だけの特権
なのかもしれませんね。

―――

私は断捨離を、モノ減らしの
メソッドではなく、
こう理解しています。

1. 自分の愛情のキャパに
見合った分だけ、モノを持つこと

2.モノとの関係性を見つめること

3.空間＜間＞の心地よさを感じること

ホントに肝心なことは
この3つではないかと。

この3つを追求していく中で
自分という存在がはっきりしてきて、
思考、感情、感覚も際立ってくる。

人付き合い、仕事、物事の始末…
そういうのがスムーズで
納得いくようになってくる。

結果、生きていることがもっと
ラクで愉しくなる。

そうやって、
モノを通じて、暮らしを通じて、
ドラスティックに
人生や自分自身が変わっていく
おもしろさ。

部屋が片づく片づかない
という次元じゃないんですよね。

来年はますます、
そんな断捨離のおもしろさを
伝えていきたいなと。

新しい年に向けて意気込んでいる
千場です。

その一環で、
なぜか大掃除ムードの世間とは
対照的なKさんの住まいを思い出した
2015年の年末でした（笑）

どうぞみなさま、
よいお年を。

【今週ダンシャッたもの】
こなせたらベターだった用事
（いまの自分にはムリ、と
ホワイトボードに書いてあったのを
消しました）

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◎編集後記
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断捨離は、奥深いですねー。

私が感じる断捨離の面白さは、
思考がスッキリすること。

「モノ」でも「コト」でも「ヒト」でも
手放すことで、残したものに
集中できて、結果手放したものとも
いい関係が築けることです。

あなたが感じる断捨離の魅力はなんですか？

ぜひ教えてくださいね。
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渡辺万里子

What’s danshari ?　 Let’s danshari !　 Viva danshari ♪