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2015/12/30(水)

【川畑のぶこ】[Q&A]92歳の買い物依存症のご婦人

カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

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やましたひでこ公式メールマガジン「断捨離」
2015・12・30 No.1551

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◆今日の断捨離 「[Q&A]92歳の買い物依存症のご婦人」

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、 川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q:92歳の買い物依存症のご婦人

いつも楽しみにしております。
回答の中に普遍的な生きる姿勢を教えられ、気づかされています。

92才のご婦人のマンションに、
家政婦に月に1、2回出向いています。
ケアマネージャーさんから
買い物依存性と聞き、とにかく物で溢れています。

20年位前に最愛のご主人を突如無くし、
子供もなく寂しいと言っていました。
2Dkの1部屋は物で埋まり入れません。

ご主人の背広など高くて新しいとタンスに入れたままです。
布団が一枚ひいたままで、回りは衣類などでいっぱいです。

ご本人は執着とわかっているけど、
物に囲まれて死にたいと言います。
戦争を体験したからもったいないと捨てられないといいます。

奥さんに出会い3ー4年になります。
本人次第で私は何も言う資格はないのですが、
物からご婦人が解放されるお手伝いをしたいのですが、
なにかよい言葉がけなどがないでしょうか?

自分を棚にあげての質問ですが、よろしくお願い致します。

【56歳 家政婦 ソン様】

―――――――――――――――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

ソンさんのご婦人への思いやりが伝わってきます。
相手の苦しみを取り除いてあげたい。
より楽に生きてもらいたい。
慈悲の精神ですね。
ソンさんのケースを読みながら、
私と母のケースに
重なることが多いと感じましたので、
シェアさせていただき、そこから何かを
学び取っていただけたら嬉しいと思います。

私の母は昭和9年生まれの80代です。
私が断捨離を実践し始めた頃、
母も私と同様の溜め込み性でした。
溜め込みが遺伝するならそれは確実に
母の遺伝だと確信していたものです。

母の場合、収納の技術が高く、
モノはそれなりに整頓されているのですが、
なにせ量がスペースのキャパを圧倒的に
上回っているので全然部屋は片づいておらず、
いわゆるゴミが堆積しているわけでは
ありませんが、人様の目に触れない
「開かずの間」などは一見ゴミ屋敷の体を
なしていました。

ある日、溜め込み性共同体である娘の私が
断捨離に目覚め、自宅のガラクタを
どんどん捨て始めたのには、母も大きな衝撃を
受けたようです。

自分自身の人生の課題とも重なるため、
興味津々、けれども明治・大正の祖父母から
受け継ぐモッタイナイ精神は断じて
手放すまいと、私と断捨離に対して
警戒もしていました。

断捨離の話を聞きたがるものの、
私がひとしきり話して「手伝おうか?」などと
オファーしようもんなら、
「いいえ、大丈夫!」ときっぱりさらりと
かわしました。
私は母の防衛をひしひしと感じたので、
そこは不可侵条約で踏み込まないよう
気をつけました。

モノはものであってモノではない。
これは断捨離を通じて私自身深く気づきを
得たことです。
母にとってモノを手放すということは、
とりもなおさず彼女の人生や思い出、
また価値観そのものを捨てるということでした。

なので、「お母さんの部屋のモノ捨てようか?」
という私の提案は、「あなたの価値観や人生の
思い出はとっておく必要なんてないよ」と
聞こえてしまうのです。

もちろん娘の私は母を否定したり攻撃したいから
断捨離を勧めているわけではありません。
全てはケアの精神からの提案です。
ケアとは敬意と愛情を持って接する
ということです。

私はそのつもりでいても、母がそう受け止め
なければ意味はありませんから、
母がケアされている、すなわち娘は私に
敬意と愛情を持って接してくれていると
感じられるにはどうしたらよいかという
視点からアプローチをしました。

モノが減るにはどうしたら良いかではなく、
母は私にとって大切な人だから
苦しみから解放され、楽になってもらいたい
ということが伝わる関係性やコミュニケー
ションというのはどのようなものであるか?
ということを大事にしました。

母は私に断捨離の話を尋ね、私がそれに
応えてシェアするたびに「でもね、私の場合は
こういう障壁があって、それが解消されても
ああいう障壁があって…」と、不可能を訴える
お馴染の言い訳を延々繰り返していました。

私は説得したい気持ちがふとよぎるものの、
じっくりと母の立場になってさまざまなことを
理解するよう努めました。結果、母の価値観は
母にしかわからないという姿勢を大切に、
共感に徹しました。

「そりゃそうだよね、大変だよね。」
「お母さんたちの時代はトラウマなまでに
モノが足りなくて苦しんだんだから当然の反応だよ」
「無理する必要は無いよ」
「心を切り裂いてまで捨てる必要なんてないよ」
「別に部屋にモノが溢れていたって生きていけるしね」
「思い出の価値はお母さんにしかわからないの
だから大切にしたら良いよ」と、
徹底的に母よりの姿勢、彼女の今の状態を
全肯定しました。

もちろん、母は母の価値観で、
私は私の価値観で生きる、
それで人生回る。という姿勢を貫きました。

母は、娘がそれまでと違い
「相手の生き方や価値観を変えようとする」
執着をも手放したのを感じたのでしょう。

清々しくもおおらかになっていく娘に
乗り遅れてはなるまいと
母が断捨離を始めました。

これまで父や妹が何度も説得を試みても、
さらには、いちどは彼らが全て外に出した
ガラクタも、全て翌日には家の中に
戻っているという状態であった母でしたから、
母が死ぬまでは家の片づけは無理だと
家族みんなが諦めていました。

山が動くとはまさにこのことでした。
今、実家はすっきり呼吸空間です。

「開かずの間」は無く、いつでも誰でも
通せる状態です。

母の「捨てたくない」という気持ちを
真っ向から否定するのではなく、
徹底的にどこからその気持ちがくるのかを
深く理解しようと耳を傾けたのなら、
そして母が「自分の気持ちを受け取って
もらえた」と感じたのなら、そのとき初めて
人の心が動くのではないかと感じました。

『寂しさをモノで埋める必要はない』

そう気づかせてくれるのは、厳しさではなく、
思いやりややさしさではないでしょうか。

深いところでみんなつながっているということを
感じることができたのなら、そしてそれが
たとえ死んだ人との関係であっても、
見えない心の中でちゃんとつながって
今でも生きていると感じることが出来るので
あれば、たくさんのモノへの執着は
無くなっていくのだと思います。

堆積したモノはあくまでも表面的な自己表現。

その内にあるメッセージに耳を傾け、
深い理解を示すことが出来たのなら、
相手の寂しさは少しずつ埋まっていくのかもしれません。

もちろん、全てをソンさんが担う必要はなく、
ソンさんはソンさんに出来るパートや役割が
あると思いますので、その部分での最善を
つくされてみてください。

これからも、ソンさんのご夫人に対する
思いやりや愛情を表現されてみてください。

PS
水曜日の断捨離メルマガでは
お寄せいただいた質問の中から
一つ取り上げてお答えしています。
(不定期)

あなたが今抱えている『悩み』を
お聞かせください。

質問はこちらから

https://business.form-mailer.jp/fms/99a39ced23382

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◎編集後記
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年末年始、実家に帰省する方も多いでしょう。
そんな時きになるのが、
実家のモノの多さ。

断捨離を学んでいる私たちからすると
あれこれ口だしたくなりますよね。

しかし、今日のメルマガを参考に
相手の思いを受け止めてみてくださいね。

渡辺万里子

PS
実家に関しては、
音声講座「家族のモノ」も役に立ちます。
今ならこの音声を無料でゲットできます。

方法はこちらから…
 ↓
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What’s danshari ?  Let’s danshari !  Viva danshari ♪

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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