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2021/09/22(水)

【川畑のぶこ】Q.繊細な娘にどう接したら良いかわかりません…

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアします。

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Q.繊細な娘にどう接したら良いかわかりません…

いつも拝見し、
参考にさせてもらっております。

30歳の娘(4人兄姉の3女末子)の事で
ご相談させて戴きます。
(私、夫、3女の生活、他の子達は既婚)

高校生の頃、友達と思っていた子が他の子の
使い走りをされているのを見て、アドバイス
をしたところ、「私にとってその子の方が大
事」と言われたり、吹奏楽部で優秀で妬まれ、
孤立し、だんだん登校拒否状態になりました。

なんとか卒業し、大学に進学しましたが、
1年の途中で学校に馴染めず(レベルの低い
大学だったので、授業中他の学生の雑音が
あり過ぎて嫌になる。)行けなくなり、
中退しました。

その後アルバイトをしていましたが、
ギターの専門学校に行きたいということで、
楽しく学びました。

しかし、ギターの仕事には就けません。
遠くのギター教室の講師になりましたが、
経営者の横暴さで3ヶ月くらいで辞めました。

今は年一回のライブに声がかかるだけの
状況です。時々YouTubeに動画を上げる
程度でした。

今年3月で人間関係で、アルバイトを辞めて
から無職で自宅におります。

以前もあったのですが、再び睡眠障害が
現れ始め、明け方ぐらいから眠り、昼過ぎに
起きる生活になり、スマホを手放さず
SNSを見続けている感じです。

だんだん「私は必要とされていない、仕事も
せず、人と比べて落ち込んで、恋人もいない、
家族も作れない、イライラして、こんな自分
は大嫌い」「早く死にたい、0にしたい。」と
連呼するようになりました。

幼少期は繊細さは、ややあり程度でしたが、
現在は激しくなっています。

先日はドアノブにベルトが掛かっていました。

カウンセリングに行っていましたが、
「効果ない」と行かなくなりました。
しっかりした病院に受診のしようと言っても
拒否する状態です。

私もそういった状況で毎日が緊張で辛いし、
怖くてしかたありません。

娘にどのように声かけして、
私はどのように動けばいいのでしょうか?

長々と申し訳ありません。

【かあさん・60代・女性・パート】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

愛する我が子が生きる意味を見いだせず、
死にたいと訴える、親としてこれほど
苦しいことはないと思います。

ドアノブにかかるベルト、娘さんは
それほどに思いつめているのですね。

かあさんさんが母親として
どのように動けば良いのか…

このようなかあさんさんの悩みそのものが、
娘さんが愛に値し、生きるに値する存在
であることの証明なのですが、
親の心子知らず―
なかなか伝わらないものですね。

希死念慮(死にたいという気持ち)を持つ人
への接し方に関しては、万人への正解という
ものはないかもしれませんが、臨床で提唱
されているものに“TALK”の原則というもの
があるので、かあさんさんにご紹介します。

TALKは自殺予防のためのゲートキーパー
研修でも紹介されているものです。

「ゲートキーパー」とは、門番という意味があり、
自殺の危険がある人の兆候に気づいたら、
適切な声かけをしたり、話を聞いたり、また、
必要な支援につなげたりして、見守る役割を
果たす人のことです。

医療者や教職員、保健師、民生委員などが
主な対象ですが、そこにTALKの原則が
取り入れられています。

TALKはそれぞれの頭文字に、

T=Tell (言葉で心配していることを伝える)

A=Ask (「死にたい」と思っているのかを
率直に尋ねる)

L=Listen (積極的に耳を傾ける)

K=Keep Safe (安全を確保する)

という意味があります。

まず、相手と向き合う姿勢として、死にたい
気持ちを批判したり判断したりせず、
ただただ、受け容れます。

「死ぬ気になれば何でもできる」とか
「死んではいけない」とかといった訴えは
健康な人のものの見方であり、死にたい人
には通用しないどころか、逆にこの人とは
解りあえないと溝を深めてしまう可能性が
あるので注意が必要です。

まず、「あなたのことを心から心配している
(ケアしている)」ことを伝えた(T=Tell)
うえで、率直に死にたいと思っているのかを
確認します(A=Ask)。

私たちは死を語るのはタブーな話題として
遠ざけがちですが、この否認の心理は相手が
どれほど危機的な状況にあるかの判断を
曇らせてしまうことがあります。

また、率直に伝えることで、娘さんは
「死にたいほどの」辛さを、母親も
把握している(またはしようと努力している)、
ごまかさずに真摯に向き合おうとしている
ことを感じ取ることができるでしょう。

娘さんの話を聴くときは、深く耳を傾けて
受け止めてあげてください(L=Listen)。

娘さんの立場を想像して、「そのような状況
であれば、そういう気持ちにもなるよね」
という共感的立場で耳を傾けてください。

今の彼女に必要なのは評価ではなく受容
だということを繰り返し思い出してください。

そして、かあさんさんにとって、いかに娘さんが
愛おしく、大切な存在であり、いなくなれば
いかに悲しく辛いかも率直に伝えてください。

彼女の価値観とは異なる価値観や視点の
提示です。

世の中の人々がどうかは知りませんが、
少なくとも、母親は私を必要としていることが
伝わるのは大きなことです。

危機管理(K=Keep Safe)に関しては、
娘さんを1人にせず、多数の目と心で
見守ることが大切です。

サポートは、かあさんさん一人で抱え込まずに、
医療との連携も大切に、サポートネットワーク
を拡充してください。

娘さんが以前通っていたカウンセリングが
機能しなかったとのことですが、
いちどの出来事をすべてに適用してしまう、
『過度の一般化』と呼ばれるものの見方の癖
(認知の歪み)があることが考えられますので、
別な視点の提示も大切になります。

「簡単ではないかもしれないけれど、
気の合う医療従事者やカウンセラーが
見つかる可能性はあるし、一緒に行って
みようか」と促すのも良いと思います。

今、娘さんは健全な判断ができる状態には
ないので受診の判断を任せずに、専門家と
協力して、必要であれば、まずかあさんさんだけ
でも受診し、専門家と連携するようにしてください。

現状、かあさんさんご自身も第二の患者のような
状態といえますので、助けを求めてください。

ここに、ゲートキーパーの手引のリンクを
貼っておきますので、ぜひいちど目を通して
参考にしてください。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000168752.pdf

そして、このような状況にあると、自分の
育て方や関わり方に問題があったのでは
ないかと、ご自身を責める気持ちになるかも
しれませんが、娘さんに起こっていることは
必ずしもかあさんさんのせいではありません。

問題というのはさまざまな要素が
からみあって生まれます。

そして、私たちは人生でみんな課題を
もっています。

その課題はときに困難ですが、
その困難に果敢に向き合い乗り越えることで、
より人生に深みや奥行きが増し、思いやりや
理解が深まり、調和がもたらされることを
想像してみてください。

娘さんもかあさんさんも、勇者なのです。

今は自分のちからを信じられないかもしれま
せんが、超えられない試練はなく、トンネル
にはかならず出口があることを信じて前進
されますように。

応援しています。

– 川畑のぶこ

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◎編集後記
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今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?

一人で悩んでいると、
どんどん深みにはまっていきます。
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。

お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。

川畑のぶこへの質問・ご相談はこちらから

間中亜衣

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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