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2012/09/05(水)

【川畑のぶこ】こいつ、、、正気か

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2012・9・5  No.341

 

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◆今日の断捨離   こいつ、、、正気か

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FROM 川畑のぶこ

 

以前、アメリカに住んでいた時のハナシ。

 

当時は、「なんて非常識な!」と怒り心頭な出来事だけれども、
今振り返ってみれば、実に断捨離的だなぁと痛感させられるハナシ。

 

学生時代、私はよくキャンパスのチャペルにこもっていた。
渡米して間もなく、まだ言葉もろくに話せない。
現地の学生たちの輪に入るのに気おくれして私にとって、
誰もいないチャペルは引きこもるのに絶好の場所だったのだ。
そこで祈りをささげているわけではない。
チャペルにあるピアノやオルガンが我が友であり、
それらを奏でる時間が唯一自分に還るときだった。

 

授業が終わると寮へは戻らずに、
チャペルへ直行というのがおきまりのパターン。
ある日いつものようにチャペルで一人ピアノを弾いていると、
突然チャペルの扉が開き、眉間に皺を寄せた初老の男性が現れた。

 

『しまった、注意されるのだな』と指を止める。
ところがこの男性は握手をして挨拶をしてきた。
音楽の教授だった。
チャペル裏のオフィスにいるシスターが
毎日ピアノの音を聞いて、こんな生徒がいると教授に報告したのだ。
まさか自分の奏でる音に耳を傾けている人間がいるなどまったく予想もせず、
やりたい放題だったので、赤面した。

 

教授は給与を払うので音楽やコーラスの授業で伴奏をして欲しいという。
嬉しい反面、プロでもないのに私ごとき
がお金をとるなどおこがましいと、
セルフイメージの低い私は即座に給与の部分をお断りする。
今となっていれば「喜んで!」と
堂々と引き受ければよかったのになぁなんて思う。

 

それでも、好きな音楽で貢献できるなら願ってもいない。
授業や学校行事での演奏や伴奏の部分は快く引き受けた。
その日を境に仕事モードでチャペルに籠るようになる。

 

さて、いよいよコーラス伴奏の初日がやってきた。
これは文化祭での発表に向けての練習でもあったからプチ勝負イベント。
1か月以上弾きこんで、私なりにミスの無いよう最善を尽くしたものの、
日本以外での伴奏は初めてなので、自然と肩と指に力がこもった。

 

曲をいくつかのパートに分けて教授が合唱の指導する。
何度か繰り返して練習するもなかなか指導通りにいかない。
私も同じパートを繰り返し弾く羽目になる。
1曲を通しで弾くのは永遠に無理かのように思えた。

 

初日の授業が30分くらい過ぎたころだろうか
生徒の一人がおもむろに言い放った。

 

“I don’t like this song.”(アタシこの曲好きじゃない)

 

『は…?アホか…?

 

好きか嫌いかじゃないだろう、
授業の課題曲なんだから、教師の指導に従って訓練あるのみだろ、
なんてワガママな人間なんだ。
そもそもそんな教授に逆らって、成績落ちるぞ?
こいつ正気か?』

 

鍵盤の上でパートの頭出しポジションに指を置きながら過った。

 

眉間に皺を寄せた教授が口を開く。

 

「OK、それではこの曲が好きではない人?」

 

『えー…!?

 

そうくるの?それでいいの?
苦手を克服してこそ学びではないの?』

 

臆することなく生徒の半分以上が手を挙げる

 

『ウソだ、ウソに決まっている。
そんな簡単にことが進んではいけない。
生徒がやりたくないからやらないだなんて、
生徒がやりたいことをやるだなんて、
そんなことがまかり通ってはいけない。
さぁさ、教授、叱って叱って。
そんな甘ったれていてはいけないと。
努力すればいずれ楽しくなると。
それでこそ進歩だと。
だって、だって、私は指導通り黙って1カ月練習を重ねてきた。
今日この日のために。
その苦労が報われないじゃない。
まさか、私だけ貧乏くじ?
忍耐・根性をスルーするだなんて
辛さをスキップして結果を出すだなんて…
そんなの教育じゃない…
そんなことあってはいけない!』

 

…と信じたい…

 

「OK、それではやめましょう」

 

あっけなく教授が続けた…

 

『えぇーーーっ!!!

そんなばかなーーーーー!

まだ通しで一度も弾いていないのに?!
というか、通しで一度も歌っていないのに?!
せめて伴奏だけでも弾かせてよーーー!!』

 

そんな伴奏者軸の心の叫びは誰にも届かない。
NOといえない日本人は
苦笑いをしながらこの状況を受け入れるしかなかった。

 

教授や敬意や授業への忠誠心も薄れた私は、
新しい課題曲の伴奏はテキトーに一夜漬けでやった。
複雑なパートは手を抜いてシンプルにした。
また変更があることを想定してのことだ。

 

さて翌週、生徒たちが選んだ新しい課題曲の練習。
どうせまた同じパートの繰り返しだろう。
たかをくくってモチベーション低く伴奏をする。

 

が、しかし…、

 

すんなりいってしまった。
あっという間に、一曲を通して歌うことができた。
すなわち、手抜き伴奏も、さらっと通しで弾くことが出来た。

 

奇跡だ。

 

歌も先週に比べて数段上手い。
歌っている皆が輝いている。
伴奏してても数倍楽しい♪

 

なるほど、これはアメリカでいうところの
ワガママではなく、自己主張なのだな。
納得がいった。

 

苦手を克服することよりも、
得意をどんどん伸ばす教育方針だ。
不要・不適・不快は省き
要・適・快を求める教育とも言えよう。

 

そう、音楽とは音を楽しむこと。
「音が苦」であってはならない。
教育とは生徒のためであって
教育者のためではない。

 

望む結果はすんなり手に入って良い…
あらためて、軸を戻す伴奏者なのであった。

 

PS.
要・適・快は・・・
http://123direct.jp/tracking/cr/Uo4pBxj8/1234567890/1234567890

 

What’s danshari ?  Let’s danshari !  Viva danshari ♪
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