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【川畑のぶこ】失恋以来、男性との近い距離感が苦痛です。
2025/10/15(水)
【川畑のぶこ】失恋以来、男性との近い距離感が苦痛です。
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。
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【Q】以前、3年ほど付き合っていた
彼氏に浮気をされていたことがわかり、
別れました。
その時はかなり落ち込み、
仕事終わりによく泣いていました。
その後、新しい彼氏を作ったり、
親密になった男性が自分に近寄ってきたり、
手を握られたりするのが苦痛になりました。
普段、仕事上で男性に触れる際には
何とも思わないのですが、
恋愛関係や親密な関係の男性が近くに来る
だけで、息が詰まるようになってしまい、
手も繋げなくなってしまいました。
どうしたらいいですか?
【ピーマン・20代・女性・医療従事者】
【A】ピーマンさん、こんにちは。
真剣に3年間お付き合いしてきて、
信頼していた彼氏の裏切りは、
ピーマンさんの心に
深い傷をつくったことと思います。
そのような失恋のあとに、
心と身体が親密な関係そのものに
拒否反応を示すことは、
実はとても自然な反応です。
ピーマンさんが弱いわけでも、
愛する力を失ったわけでもありません。
むしろ、深く傷つくほどに
相手を愛していた証でしょう。
このような状態から回復するのは
簡単ではないかもしれませんが、
必要な時間をかけながら
癒しの道を前進することは可能です。
まず、ピーマンさんに
心がけていただきたいのは、素直に
身体の声に耳を傾けるということです。
心の傷は、
感情だけではなく身体にも刻まれます。
恋愛関係におけるスキンシップや
近い距離感が苦しくなるのは、
あなたの身体が「再び傷つきたくない」と
全力で守ってくれている証拠でもあるのです。
理性では「大丈夫」と思っても、
身体が拒否しているときは、
無理に状況に合わせようとしないでください。
まずはその反応を否定せずに尊重すること、
「拒否していいよ」とご自身に許可を与える
ことからスタートしてみてください。
「手をつなげない私っておかしいのかな」
などと思う必要はありません。
人それぞれ、回復のスピードも、
再び心を開くタイミングも違います。
3年真剣にお付き合いした人からの裏切りは、
大きなダメージを与えます。
そのような状況からの回復は、
半年から人によっては数年くらいかかっても
おかしくありません。
自分を責めることなく、
「今の私に必要なのは、優しさと安心」
と心の中で繰り返してみてください。
失恋で傷ついたピーマンさんの心が、
ちゃんとあなたを守ろうとしてくれている
のだということを覚えておいてください。
そして、安全な関係性を再び築くためには、
一気に苦手を克服しようとせずに、
スモールステップでの回復を意識します。
たとえば:
・信頼できる異性と、あいさつや軽い会話など
「安全な距離」で接する練習をする
・手をつなぐなどのスキンシップを焦らず、
心地よい距離を自分で選び、
その距離を保ちたいだけ保つ
・「今はまだ近づかない」という意識的な選択
も、自分を守る大切な行為と自覚する
恋愛に限らず、安心できる人との関係性を
少しずつ築いていくことで、身体も徐々に
「大丈夫」と感じられるようになります。
ピーマンさんが感じている
「息が詰まる感覚」も、自分を守るための
体からの大切なサインです。
まず、「ああ、息が詰まる感覚があるんだな」
と気づいてあげてください。
その詰まりは
体のどのあたりで感じるでしょうか?
喉でしょうか?胸でしょうか?
いずれにせよ、その感覚を否定せず、
そこに注意を向けて、
包みこんであげてください。
泣き叫ぶ赤ちゃんが
母親に必死に何かを訴えているときに、
母親が優しく赤ちゃんを抱くように、
詰まる感覚にやさしいまなざしを
注いでください。
息を吸いながら詰まる感覚に気づき、
息を吐きながら微笑んでみます。
そして、身の回りの心地よい感覚に
意識を向けてみてください。
たとえば座っている椅子のクッションの
心地よさや、部屋の温度の心地よさなど。
このように、痛みを抱きながらも、
身体に安心の記憶を
少しずつ取り戻していきます。
親密な場面で息苦しさを感じたときは、
マインドフルな(丁寧に注意を向けた)呼吸を
しながら、身体を過去から今に戻すことで、
過去の記憶に巻き込まれることを防げます。
また、セルフタッチによる
安心の感覚を育てることも有効です。
誰かとのスキンシップに抵抗があるとき、
まずは「自分との触れ合い」で
心地よさを再教育していくのが効果的です。
1. 両手で自分の二の腕や肩を
やさしく包み込むように触れます。
2. そのまま3-5回程度、
マインドフルな呼吸をします。
3. 心の中で「大丈夫」
「私はいまここにいる」「私は安全」
と自分に語りかけます。
身体は“安心の感覚”を
少しずつ覚え直します。
これは、他人との距離を回復する
前段階として有効です。
恋愛トラウマからの回復は、誰かと
「すぐに距離を縮める」ことではなく、
まず「自分の身体と心の距離」を
再び近づけることから始めてみます。
焦らずに、自分のペースで大丈夫です。
もし今後、信頼できる相手ができたときには、
そのペースを相手に伝えることも大切で、
回復のプロセスとなります。
それでも苦しいときは、
カウンセリングや心理療法(たとえば
EMDRやソマティックエクスペリエンスなど
のアプローチ)が、恋愛トラウマの回復を
助けるケースもありますから、
一人で抱えず、専門家と一緒に
心の傷を少しずつ解いていくことも
選択肢にいれてみてください。
どうかご自身を大切に、
ピーマンさんが相手に優しくしてきたように、
傷ついたご自身に
優しく接してあげてください。
優しさは弱さではなく強さです。
ー川畑のぶこ
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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