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FROM 山際恵美子

おはようございます。
ファッション・ディレクターの
山際恵美子です。

GWも折り返し地点。
どんな休日をお過ごしですか？

まとまったお休みが取れたとき
一番やりたいこと。

私の場合それは
立ち止まって俯瞰してみること。

毎日突っ走っていては見えない景色。
それを見せてくれるのが休日の醍醐味です。

今回は俯瞰にふさわしい本に出会いました。

『ファッションクロニクルインサイドガイド
日本現代服飾文化史』
1945年から2021年までの日本の若者と流行を
まとめた本です。（講談社エディトリアル）

編集に携っているのは
私の古巣マガジンハウスでも
伝説の編集者、石川次郎さん。
『POPEYE』や『BRUTUS』を創刊し
雑誌で常に時代を切り拓いてきた御仁です。

彼にこの本を託したのは公益財団法人
日本服飾文化振興財団の代表理事
重松理さん。
言わずと知れたセレクトショップ
『ユナイテッドアローズ』の創始者です。

このおふたりがタッグを組み、戦後から
今日に至るまでの日本のファッション史を
まさに『インサイド』から丁寧に掘り起こす。

冒頭の1945年～1949年に登場するのは
『貧しい時代でもおしゃれがしたかった。』と
題した東洋永和女学校の生徒たちの
集合写真です。

東洋英和ではなく永和。
「英」の字は敵国として
学校の名前すら変えさせられた時代。

そこに映る彼女たちは
制服にモンペを穿きながら
精一杯のおしゃれをした姿を見せています。

宇野千代の『スタイル』
中原淳一の『それいゆ』
ディオール、シャネルの到来、
アイビーの登場
ジェームス・ディーンのデニム、
ペップバーン、『anan』 創刊、
コム・デ・ギャルソンの衝撃
渋カジ、ファストファッション、
ジェンダーフリー

ページをめくるだけでもウキウキしてくる
日本のファッション史に久々に心躍りました。

片岡義男をはじめとする時代の証人たちの
文やインタビューも興味深い。

ファッションが時代と共に
変化を遂げる必然と
どんな時でも人々に寄り添い、
精神を豊かにする糧であったこと
がわかります。

表紙は1970～71年秋冬の高田賢三さんの
コレクション。カラフルでポップで
KENZOさんの面目躍如です。

人の数だけあるファッション史。
これから自分はどんなページを刻もうかと
しばし考えた休日となりました。

山際恵美子

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◎編集後記
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ファッションには、その時代の世相が
表れていると聞きます。

きっと、私たちが過ごしたこのコロナ禍も、
歴史の1ページとして残っていくのでしょうね。

仮に、自分の人生を「史書」としてみた時
苦しい時もあったけど、やりたいことは
やりきった人生だったなと思えたら
良いなと思います。

そのためには、「今、この瞬間」を
思いっきり楽しまなくちゃですね！

ぜひ、あなたもこのGWに
自分の人生を俯瞰する時間を
とってみてはいかがでしょうか＾＾

間中亜衣