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2021/07/28(水)
【川畑のぶこ】Q.母をどうやって助けたら良いかわかりません…
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Q.母をどうやって助けたら良いかわかりません…
私の家族は、姉が幼い頃から精神疾患で、
父は単身赴任でギャンブル依存症、
母は姉の介護をしています。
父は助けてくれず、父と母は別居中で、
経済的なことからなかなか離婚に
踏み込めない状況です。
姉は昼夜逆転で夜しか活動せず、母を夜中に
起こしたり、叫んだり、暴れたりもします。
私はそれが耐え切れず、
今祖父母の家にいるのですが、
どんどん痩せ細って、足も悪くなる母を
見ていると、私が見殺しにしているのか
という気持ちになり、なんとかして
母を助けてあげたいのですが、
母に「自分を大事にして」というと
「自分を大事にできる環境じゃないのに
どうやってするの」と怒られます。
せめて母の健康面も気になるので、
物で溢れる家の断捨離を手伝って
あげたいのですが、
心配だから手伝うと言っても、
「精神的に疲れてこれ以上
できない、一人でやる…」
と言っており、私自身も
毎日苦しそうな母を見ているのが辛く、
家に行くと物の圧迫感でイライラするのも
あって喧嘩腰になってしまい、
どうしてあげるのがベストなのか
わかりません。
私も母の悩みを抱えすぎなのかな
とも思うのですが…。
私が経済的にもっと稼げる状況にあればいい
のですが、私も心療内科に通い治療をしつつ
なので出来ない自分を責めそうになります。
【ひまわり・20代・女性・学生】
―――――――――――――――――
A:FROM 川畑のぶこ
ひまわりさんの、お母様への思いやりが
感じられます。
そして、ひまわりさんご自身も、大変寂しい
思いをされながら、ここまで一生懸命やって
こられているのではないかと拝察します。
患者さんのご家族は
第二の患者とも言われます。
お姉さんやお父さんの問題から派生した、
お母さんやひまわりさんの苦悩を思うと、
お二人もまた少なからずケアが必要とされる
立場にいらっしゃることと思います。
ひまわりさんがお母さんに思いやりをかける
ように、ぜひご自身にも思いやりをかける
ことを常に忘れないでください。
お母さんのケアに関しては、物理的に部屋の
断捨離を手伝うこともさながら、まずは大変
な状況をそのまま受け止めてあげることから
始めてみることをおすすめします。
部屋が散らかったり汚れたりしていれば、
手を出したくなるし、片づけないことを
批判したくなる気持ちは理解できます。
それらはすべて愛から来ている振る舞い
なのですよね。
ただ、お母さんには、家族が断捨離を
促す働きかけを愛ではなく否定として
受け止められているのかもしれません。
お姉さんやお父さんのことで、すでに消耗
していて、ダメな自分(母や妻として)という
思いがあるならばなおのこと、お母さんに
必要なものは、「正しさ」ではなく
「共感や理解」かもしれません。
お母さんは、片づけるべきなのにできない
ダメな人なのではなく、能力はあっても、
そのエネルギーが枯渇していて
キャパオーバーなのだということを
受け入れてあげてください。
『こんな状況であれば、片づけるエネルギー
が枯渇して当然だよね。
お母さん、本当によくやっているね。
(片づけを含めて)無理しなくていいよ。』
というサポーティブな姿勢から、
『何かできることがあったら、
いつでも何でも私に言ってね。』
と寄り添う姿勢は、否定から自分を防衛
しようと頑なに閉ざしているお母さんの心に
光を注ぎ、枯渇したエネルギーを
充電してくれることでしょう。
そして、徐々に心を開いてくれるかも
しれません。
私と母との断捨離について、参考に
なるかもしれないので、ここで
ひまわりさんにシェアさせていただきますね。
私の母も、私と同じで、
もともと溜め込み性でした。
生まれながらのダンシャリアンである
父や妹が、不要だから捨てようと庭に
出しておいた家具やモノは、翌日には
すべて母の手によって家の中に戻される
という家でした。
ところが、溜め込み共同体の長女の私が
断捨離を始めると、母も興味は示すものの、
警戒もしはじめました。
そのうちダンシャリアンに寝帰った娘が、
「お母さん、あなたもやりなさい」と強要
してくるのではと、身構えていたのだと
思います。
私はそんな母の姿勢を感じていましたし、
自分も母の立場だったので
気持ちもわかります。
母が捨てられない理由(モノが無くて苦労
したことや、そもそも親からモノを捨てては
いけないと繰り返し教育されているなど)も
理解しているつもりだったので、母自身が
断捨離に取り組むことを期待していません
でしたし、母が旅立ってから私が捨てれば
よいだろうと、手放していた部分もあります。
私が努めていたのは、断捨離をするように
促すことではなく、いかに断捨離が私の人生
を楽に豊かにしてくれたか、というシェアする
ことのみでした。
最後に「なので、お母さんもやったらいいよ」
はNGワード、意図的に言わないように
気をつけていました。
かつての私がそうであったように、
母の心理的な防衛機制が働くのを
熟知していたからです。
私のシェアのあとには母からは必ず
「でも、〇〇で捨てられないのよね」
と捨てられない理由が
いっぱい私に告げられました。
私はひたすらそれを受け取り、
「当然だよね。」
「無理に捨てなくていいよ。」
「それでも生きていけるから、
大丈夫お母さん。」
と、捨てないことをむしろ全肯定していました。
ただし、
「私は、大変だけど楽になるから捨てるけど、
私はわたし、お母さんはお母さんだからね。」
という姿勢を貫きました。
母を懐柔する意図ではなく、真にそれが
正しい姿勢だと信じていましたので。
このようなやりとりを重ねていくうちに、
きっと母は『娘は理解してくれた。
私はわたしでOK』と受け止めたのだと思います。
私が主催するやましたひでこさんの
「断捨離セミナーに出る」と自ら申し出たのです。
これにはおったまげました。
そこからは、行きつ戻りつしながらも
母なりのペースで断捨離が始まりました。
そして、「私も手伝おうか?」のオファーに
快く応じるようになり、一気に断捨離が
加速しました。
今も実家はすっきりしています。
こんなケースもあるので、ひまわりさんも
ぜひ参考にしていただければと思います。
そして、最後に、お母さんはひまわりさんに
対しても、もっと愛をもって接したいのに、
そのゆとりがなくて苦しんでいるかもしれま
せん。
そのこともどうぞ理解してあげてください。
愛がないのではなく、それを健全に表現する
ゆとりがないだけです。
ひまわりさんは十分愛に値するということを
思い出してください。
何かをしてあげなければ価値がないわけでは
なく、困難の中、祖父母のところでご自身の
ケアをきちんとされ、人生をひまわりさん
なりに懸命に切り開いている、
そのことだけでもすばらしい親孝行なのです。
そのことをご自身で認めてあげてください。
そして、ひまわりさんの充電された
エネルギーで、ご家族をあたたかく
包み込んでください。
– 川畑のぶこ
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間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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