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2020/07/03(金)
【小松易】ポイントは”腑に落ちる”こと
こんにちは。
かたづけ士の小松易です。
今年はどの企業も、学生も
採用活動には苦戦を強いられる
1年となりそうですが、
一方で近年、新入社員の
離職率の高さが社会問題
になっています。
新入社員として入社した人のうち
3人に1人は3年以内に離職している
といわれています。
企業にとっては、採用コスト、
教育コストの大きな損失となり、
新たな人材を探す手間もかかります。
一方で、離職率がとても低い
優秀な企業もたくさんあります。
こちらのデータによると、
https://news.livedoor.com/article/detail/16615799/
離職率が低い企業ランキング
1位に輝いたのは「リケン」。
平均勤続年数は16.8年と長く、
2016年のデータですが、
年間の離職率は0.6%と、
ほとんど社員が辞めていません。
その理由は、
残業削減を推進していることや、
フレックスタイム制度、
短時間勤務制度、
国内・海外留学制度、
キャリアアップ支援制度といった
各種制度も充実していること。
子育て中のママが働きやすい
環境づくりに取り組んでいること
などがあげられています。
やはり「働き方改革」や
「働きやすい職場環境づくり」
は今後、企業にとって生き残りを
かけた重要な課題であるということが
うかがえると思います。
以前ある警備会社で、
「片づけで離職率を下げよう」という
取り組みを行ったことがあります。
今回はその事例を紹介します。
コンサルティングのために
本社を訪問してみると、
デスクの上は物だらけ。
多くの機器が散らかっていました。
「片づいているな」と思えるデスクは
およそ1割程度で、あちらこちらに
ぎっしりと本や書類が
積み上がっている状態。
片づけは社員の自主性に
任せているとのことでしたが
ほとんど手が回っていない
ことがよくわかりました。
社長は、「片づけろ!」と
言いたいところですが、
自身も片づけが苦手なため、
ちょっと消極的。
そんな社長ですが、拙著を
熟読してくださっていて、
片づけから生まれる可能性の
大きさについては早くから
気づいていたのです。
その可能性とは、
「片づけることで離職率が下がる」
ということ。
社内の環境が劣悪であれば、
新しく入社した社員のモチベーションが
下がり、やがて離職を考えるという
悪循環を生む・・・と考えていたのです。
どうやったら職場環境を維持できるか
という点に腐心していました。
そこで、社員の意識改革を目標に、
全社で片づけの研修を行うことにしました。
その研修を行う前に、
社長を加えた10名ほどで準備委員会を
作り、チームミーティングを行いました。
私からいくつかの質問を投げかけて、
その答えをひとりひとりが、
充分に時間を使って考えました。
質問のひとつは、
「自分の仕事で大切に
していることは何か?」
というもので、その答えを互いに
シェアしていきました。
「効率」「期限を守る」「チームワーク」
と、様々な答えが出てきました。
そして、職場環境が整っていないと、
その「大切にしていること」を
維持できなくなると伝えました。
その結果、
職場環境をキレイに保つ重要性が
はっきりと認識されたようでした。
このとき、参加したメンバーの
目の輝きが、少し変わったのです。
これは、片づけを自分事として
考え始めた証しでした。
片づけに取り組むポイントは、
「腑に落ちる」こと。
体の奥で片づけの重要性が
わかることなのです。
準備委員会は3時間で終了。
しかしそこから2~3名が残って、
社内の片づけについて議論を続けました。
この熱いメンバーからは、
後に委員会のリーダーに立候補する人
も出るほど、“片づけ”に目覚めて
しまったようでした。
その後の委員会では、チーム名も決まり
自ら考えて片づけるという気運が
すこしずつ高まっていったのです。
ただ漠然と“片づけよう”と言うだけでは、
自分の仕事に結びつかないために
動き出せないのです。
その後この会社では、
全社研修が展開され、さらに片づけと
仕事をしっかりリンクさせ、職場環境を
維持するための片づけを
始めることができました。
きっと、その後入社した社員にとっても
働きやすい魅力的な会社になったことは
間違いないでしょう。
ぜひ今週は、あなたが「大切にしていること」
と「片づけ」の関係を考えてみては
いかがでしょうか?
いつもあなたを応援しています!
小松易
◆かたづけを通して人生を変えるコンサルティング
「スッキリ・ラボ」
https://sukkirilab.com/lp/
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◎編集後記
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私も仕事で何かをする時、
目的が明確でない場合、
全然やる気が起きないことが
あります。
そういった時は、
目的を上司やメンバーに
確認することでそのブレーキを
外すことができます。
片づけにおいても、
片づけることで、
どんな状態を得られるのかを
しっかりと認識することが
大切なんですね^ ^
間中亜衣
この記事の執筆者について
小松易
日本初の「かたづけ士」
『かたづけを通じて人生を変えるコンサルティング』スッキリ・ラボ 代表
大学在学中にアイルランドへ留学し、トランク1つで生活できたことに衝撃を受けて帰国。物を持たない自由と幸せを実感し、自然とかたづけに意識が向くようになる。大学卒業後は建設会社に入社し、現場でかたづけの重要性を学ぶ。その経験から、プライベートで知人にかたづけを教え、かたづけのさらなる可能性を実感する。株式会社フジタを退社後の2005年、"かたづけ"を通して人生を変えるコンサルティング「スッキリ・ラボ」を開業。現在は経営者・企業向けに"かたづけ"のコンサルティング、セミナー活動を行う。今まで延べ2万人以上にかたづけ講演・研修を行っている。その活動は、「ガイアの夜明け」(テレビ東京)、「ドキュメント20min」「サラリーマンNEO」「めざせ!会社の星」「助けて!きわめびと」(NHK)などに取り上げられ、反響を呼んでいる。
著書はシリーズ累計47万部『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』(KADOKAWA /中経出版)、『「すぐやる人」になる1分片づけ術』(日本経済新聞出版社)ほか多数。最新刊は『「かたづけ思考」こそ最強の問題解決』(PHP研究所)。「近代セールス」「月刊不動産流通」「東商新聞」などで連載実績あり。「やましたひでこ断捨離メールマガジン」などで連載記事を執筆中。
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