ホーム / 【やましたひでこ】「お雛様」に張り付いているもの
2017/03/02(木)
【やましたひでこ】「お雛様」に張り付いているもの
カテゴリー:やましたひでこ, メルマガバックナンバー
FROM やましたひでこ
おはようございます。
断捨離のやましたひでこです。
3月2日、木曜日。
<旧暦如月五日>
明日は、桃の節句雛祭り。
今、私の部屋にはお雛様が
飾ってあります。
これは、先日、この年齢にして
初めて自分で買った自分のための
お雛様。
古い着物布でつくられた端正な
手作り作品、一目惚れをして
我が根城のマンションに招き入れました。
段飾りでなく小さなお内裏様とお雛様。
二人を漆塗りのお盆に載せてリビング
のテーブルの上に。
私と同じように、遠い昔は
可愛いらしい女の子だった
今は熟女の仲良し友人たちと
雛祭りのパーティーを企画中。
もちろん、甘酒でなく赤ワインの
グラスを片手にとなりそうですが。
さて、このお雛様飾り。
断捨離では、しばしば厄介な存在
として登場します。そうですね、
お雛様にはまったく罪がないのに
とても残念なことでもありますね。
大きくて場所をとり、出し入れも大変。
細々と飾るのも面倒だけれど
仕舞うのはもっと手間がかかる。
だから、子供が小さい頃に数回
飾っただけ。以後は押入れに
ずっと滞在。でも、それでさえ
邪魔で他のモノが仕舞えないと嘆く。
まさに、時間の経過とともに、
つまり子供の成長とともに、
「不要・不適・不快」グッズに
成り果ててしまうのがお雛様飾り
と言うわけです。
不要=子供は雛祭りに関心がなくなり不要。
不適=ただでさえ住居スペースは狭い。
そのうえ、他の増えたモノたちで
散らかっているリビングにはまったく適さない。
不快=…
この「不快」には、それこそ、
様々なパーソナル・ストーリーが
あるのです。
実家の親が婚家に対抗するために
見栄で立派過ぎる雛飾りを送り付けてきた。
実家の母親が、毎年しつこく
「飾ったか」「早く飾りなさい」
と責め立ててくる。
40過ぎて未婚、親から贈られた
お雛様を見るたびに、
「独身」という自分のスタンスが揺らぐ。
離婚した母親が持ち帰った
「祖母が自分のため」に用意したお雛様と、
母親が「自分の娘のため」に新しく用意したお雛様。
二組の段飾り。
おそらく、母親は離婚の記憶が伴う
古いお雛様を孫に受け継がせる気には
ならなかったよう。
つまり、お雛様には、
「母と娘の関係」と「結婚の観念」が、
べったり張り付いているのです。
そして、今や
「不要・不適・不快」グッズに
変貌してしまったとはいえ、
お雛様は、そう簡単には捨てられない。
捨てたら親がどう思うだろう…
悲しむか、怒るか。
顔の付いているお人形は
どうやって処分するの…かわいそう。
捨てると…恨みを買い祟られるかも。
粗大ゴミ、それとも分解して分別…面倒。
等々で、結局、お雛様はじっと
押入れで棲息し続ける運命となる。
ところで、そんなに持て余されながらも
行き場のないお雛様を受け入れて、
展示している博物館もある。
そこで、私が目撃した光景とは?
薄暗い大きな倉庫のような展示空間。
全国の家庭から送られてきた
種々雑多なお雛様がギッシリと
何層にも並べられている。そう、
飾ってあるのでなく並んでいるだけ。
私は、その光景がまるでお雛様の
墓場のように見えた。
邪魔にされ、しかも、処分の
後ろめたさを回避するために、
体良くこの博物館の呼びかけに
応じて送り込まれた哀れな
「死に体のお雛様たち」。
ここには、残念ながらお雛様を
愛でるという「気」は、
まったく存在しなかったのです。
私は思うのです。
今や私たちは、お雛様を慈しむ
という余裕、つまり、住まいの
空間にも、時間という空間にも、
気持ちという心の空間にも、
どこにも余裕がなくなってしまって
いるのだと。
さあて、今日のあなたも、
一つでも余計なモノを断捨離して、
空間と気持ちに「余裕」を確保して
下さいね。
それでは、ごきげんさまにて。
PS
断捨離実践プログラム
「<捨てる>ための心理学」
期間限定10000円OFF!
↓
http://123direct.jp/tracking/cr/XewsTaq7/246274/18695555※明日まで
━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━
子供の頃、次女の私のために祖母が
買ってくれた市松人形。
まだ実家のどこかに眠っているはず、、
と、記憶もなんだか曖昧なので、
今度行ったら確認してみようと思います。
–青野慶子
What’s danshari ? Let’s danshari ! Viva danshari ♪
この記事の執筆者について
やましたひでこ
クラター・コンサルタント
東京都出身。石川県在住。早稲田大学文学部卒
学生時代に出逢ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片づけ」に落とし込み、誰もが実践可能な自己探訪メソッドを構築。
断捨離は、心の新陳代謝を促す、発想の転換法でもある。
全国展開している「断捨離セミナー」は、年齢、性別、職業を問わず受講者から圧倒的な支持を得ている。
処女作『断捨離』<マガジンハウス>は、日本はもとより台湾、中国でもベストセラーとなり、『俯瞰力』『自在力』<いずれもマガジンハウス>の断捨離三部作他、著作・監修を含めた関連書籍は累計300万部を越えるミリオンセラー。
執筆者一覧
最近の投稿