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2015/06/03(水)
[Q&A]姑に困っています
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
悪気は無いようですが、
ちょっと変わった姑に困っています。
心配性で、なんでも勝手に
レールを引きたがります。
買う気もないのに20年前の
結婚時に買わされたマンション。
そして写真を撮って自慢してまわってました。
がんになったら困ると勝手に入った保険。
子供が落ち着きがないと勧められる宗教。
(お断りしました)
気になることがあるとガミガミ言い
こちらの話は聞いてません。
電話は代金がもったいないとすぐに切れます。
自慢話がまたひどいです。
昔、自分は成績優秀だった。とか、
子供がすごかった(たいしたことないです(笑))とか。
うちの実家の父と舅と比べて、
ここが舅の方が優れてるとか。
(比べたらどう見ても父のほうが上です)
最近では、孫(私の息子)が希望の
大学に受かったと自慢してまわっています。
自分の賢い血のおかげだと。
本人が頑張ったことだし、
まわりのお子さんもいろいろな状況があるので、
私達夫婦はあまり言ってません。
それだけ自慢するとまわりのねたみも心配です。
息子が死ぬほど頑張った結果なのに、
変な自慢話に使われ腹が立ちます。
主人が注意しましたが、わからないようです。
子育ても終盤。
我慢していたマンションも引っ越す予定です。
人の話を聞けない不安定な性格の人は
どうにかすれば落ち着くのでしょうか。
もうすぐ80歳です。
話をしっかり聞いてあげても落ち着きません。
他人なら距離を取るのですが。
【49歳 主婦 さくら様】
――――――――――――――――――――
80歳の義母の自慢話や人の話を聞けない
性格はどうにかすれば落ち着くか…
残念ながら、難しいですね。
ただし、さくらさんがそのような
お義母さんに動じなくなることは
可能だと思います。
さくらさんは、
お義母さんの自慢話に対して
自分(や自分の親族)と比較されて
自分たちが劣ると言われているようで
不快に感じていらっしゃることと思います。
また、そこにさくらさんご自身が、
もしかして本当に自分(たち)は劣るのでは
ないかという疑いを持っていると
その不安な部分が刺激され、そんな筈はない!
劣っているのは相手だ!と過剰に反応して
しまいます。
実際は、どちらが劣っているとか
優れているとかの問題ではなく、
優れていようが劣っていようが、
そんな自分を受け入れていないことが
大きな問題です。
お義母様も、恐らく生育歴からでしょう。
常に人より優れていなければダメだという
思い込みをもって生きてきたのではないでしょうか。
そうでなければ相手から(特に親)
受け入れられないという思い込みを持って
自分を鼓舞してきたことと思います。
どこかに、自分は素のままではダメだから
努力せねばという緊張感がつきまとっていて、
その姿勢が人生全般にわたって
にじみ出てしまっている。
自慢話は「私はOK(なはず)だ」ということを
確認する、いびつな自己承認の手段です。
劣等コンプレックスを持っている人というのは
それが健全に解消されなかった場合に、
一気に優越コンプレックスに転じてしまうことが
あります。
自分が劣っていることを認めるのが苦しいので
相手を落として優位に立とうとするのです。
さくらさんは、身近な人なので、
格好の対象となるわけです。
お義母さんは、本気でさくらさんや
さくらさんの親族が劣っていると
主張したいのではなく、
「ほら、私たちは大丈夫でしょう?」と
自分がOKであることを必至に確認しようと
しているのです。
あなた(たち)がダメだというのが
主訴ではなく、自分(たち)は
大丈夫だというのが主訴です。
レールを引こうとするのも、
マンションの写真や子どもの合格を
触れて回るのも私は大丈夫なんだと、
幸せなんだと周囲に訴えながら確認することで、
惨めで不幸かもしれないという疑念を
必至に晴らそうとしているのです。
よって、不器用で必至なそんなお義母さんを、
慈悲の気持ち見つめてあげてください。
間違っても、さくらさんの
劣等コンプレックスを克服するために
お義母さんの優位に立とうと
同じ土俵で不毛な心理的争いをしないように
気をつけてください。
さくらさんもお義母様も、それぞれに
豊かな個性をもった魅力的な存在ですから、
そもそも競う必要はないのです。
不幸は本人がそのことに気づいていないことです。
自分自身に一生懸命言い聞かせようとしている
お義母さんに、そうねと頷いてあげるのが良いのか
適度な距離感(物理的か心理的か両方か)を
保った方が良いのかは、さくらさんの叡智に従って
決めてみたら良いと思います。
いい嫁でいるために、
全てを抑圧する必要はなく、
時として素直になってよいと許可を与えて
あげてください。
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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