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【川畑のぶこ】還暦目前、夫の不機嫌と“卒婚”発言に戸惑っています。
2026/01/14(水)
【川畑のぶこ】還暦目前、夫の不機嫌と“卒婚”発言に戸惑っています。
カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。
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【Q】59歳、会社員の女性です。
結婚27年目で、夫も同い年です。
子どもは2人おり、3年前と1年前に
それぞれ独立して家を出たため、
今は夫婦2人だけの生活になりました。
ここ数年、夫が時々、
急に不機嫌になることがあり、
それが地味にストレスです。
普段は他愛ない話をして笑い合うことも
あるのに、ある瞬間からスイッチが
切り替わったように黙り込み、
冷たい態度になります。
その流れで、私の日頃の言動や交友関係、
仕事への向き合い方などを、
細かく指摘してくることもあります。
言われてみると、確かに思い当たる節もあり、
言い返せないことも多いのですが、
続けて言われると心がすり減ってしまいます。
夫は基本的にはおおらかな性格ですが、
細かいところはとても細かいタイプ。
私は全般的に大ざっぱなので、
正直、疲れてしまうことが多く、
めんどくさいです。
そんな中、昨年末に夫がポロッと
「来年はお互い還暦だし、そろそろ卒婚かな」
と言いました。
突然のことで戸惑ってしまい
どう反応してかいいかわからず、
今ではもうはっきり覚えていないのですが
何か曖昧な返事をしたと思います。
それ以来、その話題が再び出ることは
ありませんが、夫は何を思ってそんなことを
言ったのか、考えると怖いような、
不安な気持ちになりますが、
私に対する彼の思いも想像できないこと
もなく、複雑な心境です。
でも、蒸し返したり問い正したりする勇気
は、今の私にはありません。
近年の夫の言動や、若い頃とは少し
違ってきたようにも見える人格など、
私は私で気がかりなことや、
違和感を感じることもあって、
これっていわゆる熟年夫婦がぶち当たる
壁なのかな、という気もしています。
そもそも「卒婚」って、
最近たまに聞くけれど
どういうことかもよくわかりません。
家庭内別居?のようなものなのでしょうか。
この年代、同じような状況のご夫婦も
いらっしゃるような気もして、
川畑さんなら具体的なケースをご存知かも、
とも思い、メールさせていただきました。
夫の本音、心理がわからないので、
今はどうしていいのかもわかりませんが、
私の行動に関してでも、気の持ち方でも、
夫への働きかけ方でも、今の私に何かヒント
やアドバイスをいただけないでしょうか?
よろしくお願いします。
【うさ耳・50代・女性・会社員・神奈川県】
【A】還暦という節目を控えた59歳という
年齢のうさ耳さんとご主人なのですね。
この時期は、多くの人にとって人生を
振り返る静かな転換期となることと思います。
会社員であれば、仕事もいよいよ現役を
退くことを意識し始め、仕事人としての
自分のアイデンティティが揺らぐことも
あるかもしれませんし、未来に不安を
抱きやすい時期でもあるかと思います。
また、子育てを終えた夫婦であれば、
二人だけでの生活に移行するこの時期は、
家庭や夫婦関係における役割を見直す機会
にもなるでしょう。
ご主人の不機嫌さや批判的な言動は、
うさ耳さん個人を否定したいというよりも
ご主人自身の内側の揺らぎが
表に出ている可能性が高いように感じます。
とくに、この年代の男性には、
仕事上の役割の変化や、父親という役割が
薄れること以外にも、老いや体力低下への
不安や人生後半をどう生きるか(=生きがい)
という漠然とした焦りも生じやすい時期です。
こうした、言葉にならない不安が
苛立ちや批判というかたちで
外に出ることが少なくありません。
特に、普段はおおらかだが、
細かいところはとても細かいという
ご主人のような性格の方は、
自分が不安定になるほど
他者をコントロールしてバランスをとろう
とする傾向が出やすいです。
これまで職場で仕事に向けたエネルギーの
はけ口が、無意識に家庭内や夫婦関係に
向けられ、問題解決=仕事(=存在価値)
として現れてくることが考えられます。
細かな指摘は、実は
「自分の足場を確かめたい」行為であり、
「もっと認めてほしい」
「自分の基準を理解してほしい」
「自分に関心を持ってほしい」という欲求の
裏返しの寂しさである可能性もあります。
とはいえ、そのようなご主人のニーズに
ひとつひとつまともに向き合っていたら、
うさ耳さんの心がすり減ってしまうのは
当然ですので、
「わかる部分もあるけれど、続くと辛い」
という感覚は、とても健全な感覚です。
ご主人が発した「卒婚」という言葉に
ついて、「卒婚」自体は
法律上の制度ではありません。
一般的には、籍は入れたまま、
互いの生き方を尊重し、縛り合わない
自由な関係といえるでしょう。
同居はするが、互いに干渉しすぎない関係
で、生活は別にして必要なときだけ協力
する関係であったり、
夫婦関係を解消せず
精神的に自立するかたち、
実質的な別居だが離婚はしないケース
などと言えるかと思います。
家庭内別居のような冷え切った関係を指す
こともあれば、逆に「良い距離感を保つこと
で仲良くし続けよう」というポジティブな
意味で使う人もいますので、かならずしも
卒婚=家庭内別居ではありません。
ご主人が口にした卒婚は、別れたいことの
明確な意思表明というよりは、
「この先も今まで通りでいいのだろうか」
という投げかけだった可能性が高いように
感じます。
それを冗談めかして、あるいは探るように
口にしたというニュアンスも読み取れます。
うさ耳さんがそのことを蒸し返したり
問い正したりする勇気がないことは
決して「弱さ」ではなく、
今は自分を守る智慧かと思います。
人は心の準備ができていないときに
重い話題に向き合うと
かえって傷を広げてしまいますので、
今の段階で無理に話し合わなくても
構いません。
むしろ、まず大切なのは、
うさ耳さん自身がいま何に一番疲れている
のか、何を守りたいのか、
これからの人生で、何を大切にしたいのか
を、ご自身の中で整理することです。
ですので、いまはご主人の不機嫌を
全部正面から受け止めないことです。
ここで大切なのは、夫の不機嫌を
「私のせい」だと思いすぎないことです。
ご主人が細かく指摘してきたときは、
心の中で「これは夫の不安の表現であって
私の価値そのものの評価ではない」
と確認してみてください。
同時に、必要な指摘だけは拾い、
残りはそっと横に置いておきます。
ご主人が不機嫌になる
のは、ご主人の課題です。
うさ耳さんが「私が至らないからだ」と
反省しすぎると、相手の不機嫌を
強化させてしまいます。
指摘された内容に思い当たる節があっても
「それはそれ、これはこれ」と切り離し、
「今はそういう気分なのね」と
一歩引いて眺めてみてください。
同時に、「沈黙」を恐れないことです。
黙り込んだ彼を無理に笑わせようとしたり
機嫌を伺ったりする必要はありません。
うさ耳さんは、うさ耳さんの
心地よいペースで過ごしてよいのです。
ですので、自分の生活・世界を小さくても
持ち続けることを心がけてください。
自分の交友関係や仕事について
指摘されると萎縮しがちですが、
外の世界を保つことは健全なことです。
「私は私の人生をきちんと生きている」
という実感があるほど、
相手の言動に振り回されにくくなります。
すべてを譲って相手に合わせてしまうと
自分の軸がブレて人生のコントロール感が
失われていってしまいます。
もし、ご主人と気がかりなことについて
話すなら、卒婚についてではなく、
今の気持ちから話してみると良いと思います。
「卒婚ってどういうこと?」と問い詰める
よりも、「最近、あなたが時々つらそうに
見えるのが気になっている」といったように、
感情レベルの入り口の方が
対話になりやすいでしょう。
このような状態は、うさ耳さんご指摘の
とおり、まさに「熟年夫婦の壁」で
多くのご夫婦が通る地点です。
ただし、これは決して「終わりのサイン」
ではなく、関係性を再編するタイミング
とも言えます。
一体化しすぎた夫婦から、
「二人の個」として並び直す時期です。
その過程では、
違和感や摩擦が出て当然です。
うさ耳さんは、状況を冷静に見つめ、
ご主人の気持ちも自分の気持ちも
どちらも大切にしようとしておられます。
まさに、このこと自体が
関係を壊さない力です。
今は「答えを出す時期」ではなく、
自分の心をすり減らさずに観察する時期
でもいいのだということを思い出して、
ご自身を大切にされてください。
ー川畑のぶこ
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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