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2024/12/18(水)

【川畑のぶこ】Q.50代からの転職、新しい職場でうまくいかず悩んでいます

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。

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Q.50代からの転職、
 新しい職場でうまくいかず悩んでいます

先月転職し、
業務を覚えるのに四苦八苦しています。

前職のキャリアがあるので、
もう少し出来るはずと思っていたのですが、
全く覚えられず、
自信がゼロになってしまい、
職場でどんな風に心を整えたら良いのか
分からなくなり、悩んでいます。

50代になるとこんなにも
覚える引き出しがなくなるのかと
愕然とします。

就業の一時間前から情報収集をして、
記録を見て準備しても、いざケアの段階で
見た内容を忘れてしまうので、
直前にまた確認することになり
仕事が遅くなります。

担当が決まっているので、
遅いことで他のスタッフへ迷惑には
なってはいないと思いますが、
自分の仕事で精一杯なので、
仕事の合間に談笑する暇もなく、
1ヶ月もたつのに、同業のスタッフの名前も
覚えられていませんし、
話したことが無いスタッフもいます。

上司からは、
今までのキャリアは忘れて、
ゼロからのスタートとしてやってみたら
と助言をもらいましたが、
イマイチ腑に落ちないのです。

他の新人よりも長くサポートスタッフを
付けてもらっているのはありがたい反面、
細かいダメ出しにやる気が失せそうになり、
一人でやらせてくださいと伝えたら、
それは言ったらダメよと言われました。

甘えた考えなのかもしれませんが、
一人でもできると早く思いたいのです。
いつまでも半人前扱いが嫌なんです。

実際には半人前なので仕方ないけれど、
見られていると緊張してしまいます。

あとは、
例えば準備の段取りが悪いなど言われて、
一人なら緊張せずに出きるのに
と思うこともありました。

特別扱いされていることについて、
周りのスタッフも、あの人はできないから
長く付いてもらっている、
ということを広めているようで、
どんな風に思われているのかと気になり、
陰口を言われているような視線を感じたり、
話しかけてもらえなかったりして、
孤独に感じています。

年齢が上の新人なんて、きっと面倒ですよね?
という思いもあり、
話しかけられなくても仕方ないよね
とすねる気持ちもあります。

文字にして、自分がとても幼い考えだと
気づいてもいますが、
どのような心持ちでいれば良いのか、
また私のこのひねくれた性格で
それを叶えるのにはどうすれば良いのか、
最初から素直な若い新人さんとは違うので、
できそうにないなと
最初から諦めてしまいそうにもなります。

看護師になったときから、
この分野で働きたい、
と憧れていた職場なので、
悩んでも最後にはそこに行きつき、
心を上向きにしています。

何か良い知恵がありましたら
教えて頂けますでしょうか?

【ありペン・50代・女性・看護師】

―――――――――――――――――

憧れの職に就いたものの、
慣れるのに苦労されているのですね。

ありペンさんはとても向上心が強く
理想も高いことが伺えます。

そのような熱心な職員は現場の宝でしょう。

ただし、自分で設定した理想が高すぎると、
プレッシャーに押しつぶされて
しまいますから、まず、
転職で新しい業務に慣れるのには
時間がかかって当然ということを
忘れないでください。

ありペンさんは、
先月転職されたということですから、
まだ1ヵ月経ったか経っていないか
という感じかと思いますが、通常、
新しい業務に慣れるには、
数ヶ月から半年位が必要で、
仕事の内容によっては1年ぐらいかけて
慣れていくものもあります。

ですので、
ご自身に過度なプレッシャーをかけず、
きちんと必要な時間をかけて、
新しいことを学んでいけば良いと
知ってください。

また、特に転職後1ヵ月から半年以内は
年齢にかかわらず、
ストレスがかかりやすい時期です。

さらに、50代というのは、
認知機能が低下し始める時期です。

職場もありペンさんの年齢の事は
理解して採用しているわけですから、
そこは信頼して丁寧に時間をかけて
取り組んでいくことを心がけてください。

現状、求められてもいないのに、
短時間で完璧に全てを
こなさなければいけない、という使命を
ご自身に課していることが
悪循環を生み出しているように見えます。

仕事が「全く覚えられない」とか、
自信が「ゼロ」とかといった表現に、
まさにありペンさんが
「全か無か」思考に
陥っている様子が伺えます。

でも、実際は、
自分の理想通りではないにせよ、
少しずつ覚えているものもあるはずですし、
ときには忘れながらも、
繰り返し学んで覚えているでしょう。

ここをきちんと評価することなく、
短時間で完璧にできないのであれば、
それは全くできないのに等しいかのような
考え方自体が、
ご自身を苦しめているように見えます。

このようなプレッシャーは
不要にパニックを引き起こしてしまう
可能性もあります。

まずはご自身に優しくなってください。

人生50年と考えれば、上司の仰るように、
ここからの50年は新たな人生の始まり
=リセットと捉えることもできます。

そうであれば、
すべてをわかって当然という態度ではなく、
新しいものをゼロから学ばせてもらう
ありがたさに意識を向けていくことが
賢明です。

また、周囲の自分への評価ばかりを
気にしてしまうためにプレッシャーを感じ、
ぎこちない態度に
なってしまっているようですが、

いったい何のためにこの仕事をしたいのか、
もういちど意図を思い起こして、
意識を自分の評価ではなく、
自分が提供しているサービスや
対象者そのもの
(患者さんやお客さんがいるならその人たち)
に100%向けるよう心がけてみてください。

そうすれば、
「実際は半人前でも
 自分が一人前と思いたいから
 1人でやらせてほしい」
というような、
本来の目的が置き去りになってしまった
自分本位な姿勢にはならないはずです。

自分自身に向いている注意を、
関与している相手へ注いでください。

そして、その日やその週に
できるようになったことや覚えたことを、
きちんと心に留めたり
メモしたりしてください。

職場の人とも、
その日やその週に1人でもよいので、
率先してコミュニケーションを取って、
その人の名前を覚えてください。

その際、自分の評価を上げるためではなく、
相手に愛ある好奇心と関心を持って、
きちんと相手に関与して共にいてください。

この人から、もしかしたら私が
過去に学んだことのない新しいことが
学べるかもしれないと
期待と感謝の念をもって
向き合ってみてください。

何十分も話す必要はなく、
ほんの数分の立ち話でもできることです。

すると、認知機能の中でも、
作業記憶と呼ばれる、
一時的に情報を保持して処理する力や、
遅延再生と呼ばれる、覚えたことを
一定時間後に思い出す力などと違って、

50代でも低下しない
エピソード記憶と呼ばれる、その場の文脈や
感情・感覚と共に覚える力によって
記憶を保つことができるでしょう。

ただ電話帳を短期間で暗記するような態度で
相手の名前を覚えて記憶を保とうとするのは
難しいのです。

たとえば、毎日花瓶にお花を活ける
スタッフがいたとしたら
「いつも綺麗に活けてくださり
 ありがとうございます。」
と会話を切り出すこともできるでしょう。

相手から反応があれば、
続けて花が好きなのか尋ねたり、
花の名前を聞くことで、
その人とちょっとしたやりとりが
できるかもしれません。

実際にその人が花好きであれば、
花好きの〇〇さんとして
記憶されるでしょうし、
相手から見れば、あなたが
好きな花に興味をもってくれて、
花を活ける私を称えてくれたことに
感謝するでしょう。

このような関わり合いの中で、
思いやりあるエネルギーを
感じることができたなら、それは
個人的なエピソードとして印象に残り、
相手の名前も、花好きの〇〇さん、
と思い出しやすくなるでしょう。

それができたご自身を称えてください。

指導をしてくれているスタッフに対しても、
あなたを批判するためではなく、
サービスを受ける対象者への
ベストを意図して、フィードバックを
きちんとしてくれる心ある教育者、
として関われば、感謝が湧いてくるはずです。

私を見ているというよりも、
私と共に対象者を見て
ベストを尽くしているのだと、
視点を変えてみてください。

また、指導してくれる人にはむしろ
率先して質問をしたり、
分からないことを教えてもらい、
その知識や技術に感謝する姿勢を
大切にしてください。

熱心に仕事に取り組む人は好感が持てますし、
応援したくなるものです。

最後に、この時期はとくに
セルフケアが大事です。

ありペンさんがリラックスできたり、
楽しめたりすることは積極的に取り組んで
エネルギーをチャージし、
ご自身のペースを大切にされてください。

応援しています!

ー川畑のぶこ

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 マインドフルネスワークショップin飛騨高山
 講師: 川畑のぶこ 梅田陽子
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◎編集後記
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今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?

誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。

お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。

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この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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