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FROM 山際恵美子

おはようございます。
ファッション･ディレクターの
山際恵美子です。

パリ旅行のお話をもう少し。

私がフランスに留学していた1980年代は、
日本といっても極東の国のひとつ。
韓国も中国もひとくくりという時代でした。

日本人であることのメリットは
ひとつとしてなく
いや、むしろ東洋人として相手にされず
悔しい思いをすることの方が多かった。

フランス人の関心が日本に向いたきっかけは
まず川久保玲さん率いるコムデギャルソンの
ファッションのパワーでした。

1981年に山本耀司さんとともに
パリコレデビューした川久保さんは
「黒の衝撃」と呼ばれる
ヨーロッパの人には理解不能なボロルックで
勝負を賭け、成功しました。

日本の持つ独自の美意識に世界が衝撃を受け
やがて受け入れる。

このエポックメイキングな出来事を経て
日本という国への理解と関心が
高まりました。

今回パリ旅行をして強く感じたのは
フランス人、特に若い世代の柔軟さでした。

個人主義で絶対に非を認めないフランス人に
辟易とした記憶は多くありますが

今回ショッピングで遭遇するスタッフや
街で日本語で話しかけてくるフランス人の
なんとフレンドリーなことか。

かのマクロン大統領ですら、
ドラゴンボールの大ファンで、
鳥山明氏逝去の際には
インスタで追悼のコメントを送ったほど。

日本のアニメで育った若い世代は
日本への憧れとリスペクトが半端ない。

そして街に溢れる日本食。

ホテル近くにあった築地を再現した
ラーメン屋さん(経営はフランス人です)
には、朝早くから行列が絶えません。

和食のレベルも恐ろしく上がっています。

ラーメン屋さんといっても、麺がのび
スープもまずいというのは今は昔。

日本に出店してもきっと流行るレベルの
和食屋さんが増えました。
(もちろん円安につき、
お値段はそれなりですが)

「おむすび権米衛」さんまでパリ進出して
大盛況です。

bentoはアカデミーフランセーズという
フランス語を守るため厳しい審査をする
フランス語の機関でフランス語として
認められています。

隔世の感。

ひとことでいえばそうなりますが
この変化がとても心地良く
あるべき姿に近づいたのかもと。

そういえばもう20年来定宿の
パリのホテルのレセプショニスト
(昔はとてもイケメンでした)に
「ヤマギワサン、ヨウコソ」
と着くなり日本語で言われたのには、
さすがに驚きましたが。

山際恵美子

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◎編集後記
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先週の、リンダ・ライトさんのインスタを
拝見した時にも感じたことなのですが、

自分軸がしっかりとある人こそ、
柔軟に変化を楽しめるのだろうと思います。

自分軸が曖昧だと、自分の知らないモノや
知らない文化に出会ったときに、
流されてしまったり、
流されることを恐れて拒否したり。

でも、自分軸がしっかりあれば、
たとえ外から色々なモノを取り入れても
自分の本質は変わらない、
と安心できるから、柔軟に変化していける。

フランスの方々はきっと、
確かな自分軸を持っているから、
日本の文化も柔軟に受け入れ、
楽しんでいるのだろうと感じました。

西 優里花