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2023/04/19(水)
【川畑のぶこ】Q.「死」への恐怖心があります
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水曜日はメルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をシェアします。
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Q.「死」への恐怖心があります
死んだらどうなるんだろうと考えると
怖すぎて動けなくなります。
物心ついた頃から
この思いはずっとあります。
生き続けたい。
毎日が充実していない
ということでもないのですが…
普段は考えないようにしていますが、
年齢を重ねるごとに恐怖が増しています。
【ヒロ・50代・女性・パート】
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A:FROM 川畑のぶこ
動物の生存本能からして、
死を避けようとするのは当然のことです。
生き物の人間として、
「死にたくない」「生き続けたい」
という気持ちがあるのは
自然なことでヒロさんだけではありません。
ただ、
私たちは努力さえすれば
死を永遠に避けられるのかというと
そうではありません。
私たちの生涯死亡率は100%です。
死は不可避であり、
タイミングの差こそあれ、
私たちひとりひとりに
いつか必ず平等に訪れます。
ですので、
ニュースなどでどこそこの街で
犠牲者が出たというようなものを
耳にしたときに
「私の街でなくてよかった」
といった他人事反応は不適切なのです。
いつかかならず訪れる死を
否定し続けることは、
苦しみを生み出します。
苦しみは抵抗により生まれるものです。
私たちが死を受容できない理由には、
動物の本能以外にも、
死に対する「信念」が影響しています。
おそらく多くの人は、
無意識のうちに次のような
死に対する信念を
抱いているのではないでしょうか。
「死は最悪の出来事で、
苦しみを伴うものだ。」
「死んだらすべての終わりだ。」
「死んだら無価値になってしまうのだ。」
「闇に葬られ、忘れ去られてしまうのだ。」
etc.
私たちは一般的に
「死とはなにか」
とか
「死とどのように向きあうか」
といった教育は受けてきていませんし、
死は基本的に忌避されるトピックです。
この忌避がさらに
「触れてはならぬほど最悪のこと」
という無意識な刷り込みを生じさせます。
でも、
私たちが少し意識を広げてみると、
世の中には死にまつわる
豊かな教えが多く存在することに
気づきます。
それらの多くで共通しているのは、
死は肉体の終わりであるが、
私たち存在そのものの
終わりではないというものです。
存在の本質を魂というのか、
霊というのか、エネルギーというのか
呼称は色々あるでしょうが、
いずれにせよ、目に見えない
本質的な部分は生まれる前からも、
そして死後も存続するというものが
多いのです。
そうであれば、
この人生は長い旅の
ひとつの過程にすぎません。
私自身は、個人的に
「人生は期間限定地球の旅」と信じており、
肉体は「地球服」ととらえています。
宇宙旅行をするときに
宇宙服を着なければいけないように、
地球を旅するときは
肉体をまとわないとその旅ができません。
そして、
旅の目的は旅を終わらせないことではなく、
その旅をたのしむこと。
旅の長さではなく質です。
いかに死なないかではなく、
いかに生きるかに集中することです。
地球服としての
身体をメンテナンスしながら、
喜怒哀楽いろいろ体験し、
経験値を高め、
魂を成長させていくことだと
思っています。
このように、
生存本能自体を消すことはできませんし、
無論、その必要もないわけですが、
死に対する信念を
健全なものにすることによって、
過度な恐れを解消して、
恐れのエネルギーを
今日この日を精一杯生きることに
使えるようになるでしょう。
また、
死ぬ瞬間のプロセスに関しても、
数々の臨死体験者の報告では、
死に至るまでの過程がどうであれ、
死のプロセスそのものは
安らぎに満ちたプロセスであり、
光に導かれるようなプロセスとも
いわれています。
果たして
個人的な死がどのようなものであるかは、
実際のところ死んでみないことには
分かりませんが、実証できない以上、
私たちが何を信じて生きるかは自由です。
ぜひヒロさんが安心して
今日この日を過ごせる
死生観を育んでみてください。
後悔のないあるいは少ない人は、
死の受容もしやすく、
死のプロセスも穏やかだと
いわれています。
人生に多くのやり残したことがあり
それらに執着している人というのは、
死に向かうプロセスも
苦しみの多いものになるようです。
もし、旅が期間限定なら、
そして懐かしい我が家に帰る日が来るなら、
それまでの残された時間を
どのように過ごしたいでしょうか。
もし、その旅の期限が
今年なら…
今月なら…
今週なら…
今日なら…
ヒロさんはその時間を
どのように過ごしたいでしょうか。
そこに今この瞬間を
いかに生きるかのヒントが
あるかもしれません。
– 川畑のぶこ
P.S.
★死別と悲嘆のためのマインドフルネス
4月29-30日@東京大学 駒場キャンパス
(川畑のぶこ登壇)
↓
詳細はこちら
※こちらはNPOハートシェアリング
ネットワーク様の主催です
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◎編集後記
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断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
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川畑のぶこがお答えします。
間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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