断捨離® | やましたひでこ公式サイト

断捨離®の著者、やましたひでこの公式サイト

 

ホーム  /  【川畑のぶこ】Q.被害者意識の強い娘に悩んでいます…

2022/01/26(水)

【川畑のぶこ】Q.被害者意識の強い娘に悩んでいます…

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアします。

————————————

Q.被害者意識の強い娘に悩んでいます…

もうすぐ28歳になる、
別居の長女のことでご相談します。

我が家は皆、発達障害、娘もアスペルガーで
まちがいないです(2つ上の兄が診断を
受けました)。

子供の頃から友達を作らず、人が嫌いで
被害者意識が強く、話を勝手に作り上げて
恨みます。

あることで、娘を怒らせてしまい、
私は20回ほどはあやまりました。
けれど気がおさまらない様子で、
音信不通だった間に私のことで
弁護士さんに相談もしたようです。

その娘が年末、帰宅し、私は普通に
接しましたが、娘は、私への恨みが
忘れられないとまた言い出しました。

そして、突然、無言のまま私の頬を
思い切り殴りつけてきました。驚いた私に
「ママを殴りたくて何度夢にみたことか」
と言います。自分の見解と私の見解が違う
ことが許せないらしく娘も泣いていました。

しばらくして、
やれやれと私が洗い物をしていると、
「この次来たときには忘れているよ」
と言いながら大股に近寄ってきて、
なんと今度は私の延髄を
おもいきり殴りました。

下をむいていて娘のことは気にせず
いたときのことでした。今度ばかりは
私も大声で彼女をいさめました。
何をいったか覚えていませんが、
頬を打つつもりが失敗しました。
「縁を切る」と宣言したようにも思います。

私は娘にこれまで手をあげたことは
ありません。愚痴にも寄り添い、
助言はしても面と向かって
攻めることはしなかったつもりです。

爆弾を抱えているような娘に
とても気を遣って接してきました。
ですが、娘はモノにあたる傾向があり、
これまでも湯船に拳でひびを入れたり、
壁に穴を開けたりしています。

一時は精神科に通い、薬も飲んで穏やかに
なりましたが、通うのをおっくうがり、
やめてしまいました。油断しているところへ、
いきなりの暴力で、もう娘を出入り禁止にする
と決めました。

娘も我が家にはもう来ないでしょう。
私も頭にきて、娘の食器とパジャマを
即刻処分しました。

今後も、このままでいいでしょうか。

【ハイデル・60代・女性・主婦】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

ニューロ・ダイバーシティー
(神経・脳の多様性)という概念が
提唱されて久しいですが、

アスペルガー(自閉症スペクトラム)のような
神経学的に非定型的な発達を持つ人や
家族に対してどのように接したらよいか
という啓発はまだまだ社会に
浸透していないように感じます。

ニューロ・ダイバーシティというのは、
私たちの脳はひとりひとり違いがあって、
優劣なく、みな個性とみなし、
自閉症やADHDなどはヒトゲノムの差異の
結果として現れるもので、それぞれ
強みを持っている、とする考え方です。

アスペルガー症候群は、
社会性やコミュニケーションの障害、
想像力や共感性の欠如、思い込みや
こだわりの強さ、感覚の過敏などの特徴
がある自閉症スペクトラム障がいのなかで、
言語や知能の発達の遅れはないもの
をいいますが、

私たちはみんな、
多少なりとも自閉的な部分を持っているので、
程度の差の問題ということから
「スペクトラム」障がいとされるようになりました。

家族や社会が発達障がいについて理解を深め、
多様性を受け入れていくことは大切ですが、
ハイデルさんのように、暴力を受けている
場合、受容し難いですね。

後頭部を不意に殴られるというのは
命の危険を意味しますから、
今回ハイデルさんが咄嗟に「縁を切る」と
宣言したのもやむを得ないと思います。

家族も安全安心に幸せを追求して
生きる権利がありますから。

暴力は許されるものではなく、許されると
するならば、命が危険にさらされるなど
自己防衛のケースのみでしょう。

アスペルガーの家族が長年努力して
寄り添おうとするも、努力も虚しく
疲弊して心身に支障が出てくる状態を
カッサンドラ症候群と呼びます。

このようなケースでは本人とともに
家族のケアも必要です。

ハイデルさんも娘さんのことは
気がかりでしょうが、常に保護者が
必要な状態ではありませんから、
ここはひとまずご自身のケアに集中して
充電することをおすすめします。

また、家族会への参加はお勧めです。

同じ問題を抱える者同士で語らうだけでも、
心が落ち着き、前向きになれることもあります。

また、そのような場では、
ほかの当事者や家族から有用な情報や
知恵が得られることもあります。

また、ハイデルさんの語ることが
他の人の役に立つこともあります。

身内の問題を外に出すのは恥と考えずに、
みんなが抱え得る問題として
受け止めてみてください。

以前、娘さんが受診していた頃は
調子が良かったということ。

当面娘さんとコミュニケーションすることは
無いかもしれませんが、そのチャンスが訪れ、
母親の声に耳を傾ける姿勢を見せたなら、
ぜひ受診を促してください。

娘さんはソーシャルスキルトレーニング
(SST)は受けているでしょうか?

精神科でも、デイケアを併設しているところ
では、社会で適切に人と関わり合いながら
生活していくための訓練(ソーシャル
スキルトレーニング)を実施しています。

おそらく娘さんは母親以外とも、同じような
心理社会的問題を抱えているでしょうから、
専門家や当事者とともにソーシャルスキルを
獲得することで、より生きやすい人生を
送れる可能性があります。

そのような情報も
ぜひ娘さんと共有してみてください。

今は少し熱が冷めるまで
クールダウンの時間と割り切り、
ご自身のケアに勤しみ、娘さんが
自分の人生に必要な課題に向き合い、
乗り越えられるよう、愛のエネルギーを
送ってください。

– 川畑のぶこ

━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━

今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?

一人で悩んでいると、
どんどん深みにはまっていきます。
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。

お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。

川畑のぶこへの質問・ご相談はこちらから

間中亜衣

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

メルマガの登録はこちら

 

 

執筆者一覧

 

 

 

最近の投稿

 

 

 

断捨離®塾について

外部サイト