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2021/05/19(水)
【川畑のぶこ】 Q.マイナス思考に疲れています…
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水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q.マイナス思考に疲れています…
私は、いつも、物事を最悪のことを
考えて行動してしまいます。
そうすると、現実は、そこまでには、
ならないからです。
良くと考えて行動すると悪くなるからです。
マイナス思考に、疲れてしまいます。
良いアドバイスを、お願いします。
【ムーミン・60代・女性・無職】
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A:FROM 川畑のぶこ
最初から悪いことを想定していれば、
実際の状況が悪かったときの
ショックを回避できるので、防衛的に
常に悪い状態を想定して過ごし
疲れてしまっているのですね。
このような心理的な防衛機制は
決して悪いものとは限らず、
「備えあれば憂いなし」という文脈で
はたらくことも多々あります。
楽観主義が過ぎて、
アリとキリギリスでいうところの
キリギリスにならないように
してくれたりもします。
何事も、過不足ないバランスは大事です。
ただ、ひとつムーミンさんと確認したいのは、
ムーミンさんは、実際の結果として、
良いことが起こったときはその分人よりも
謳歌して楽しめているのでしょうか?
1から10のスケールで、
10が最高の結果、1が最悪の結果だとします。
ムーミンさんの場合、
常に1を想定しているので、実際に5だった場合、
差引いた4は得した良い気分になるけれども、
最高の10を想定すると、差引5のショックが
加わるという心理経済がはたらいていることに
なるかと思います。
では、常に1を想定しているので、
2から10のときは常に喜べていますか?
実際に10が起きたときに、
「私はラッキー!」とか「人生素晴らしい!」など、
差引9の喜びを享受しているでしょうか?
それとも、どうせ次は悪くなるに違いない、
と愉悦に浸ることは棚上げして、
次に起こるかもしれない最悪の事態に
備えているのでしょうか?
もし後者であれば、
「備えあれば憂いなし」どころか、
「備えすぎて憂いあり」の状態に
なってしまっています。
期待しているあいだの喜びもなければ、
どの結果であっても喜ぶゆとりがなければ、
結局常にマイナスばかり
経験していることにならないでしょうか。
私の師であるサイモントン博士は、
「希望を持ちつつ執着を手放す」
というバランスが大切だと説いています。
未来に前進するときに、ムーミンさんが
望む状態が起こることを想像しつつ、
同時に、たとえ最悪の事態が起こっても
大丈夫なように備えるというバランスです。
期待感や希望を持っている人というのは、
そうでない人に比べて健康度や人生の
満足度が高いという研究報告もあります。
ムーミンさんにおすすめしたいのは、
人生からネガティブなことをすべて取り除く
のではなく、ネガティブなことがあっても
大丈夫という信頼感を育むということです。
たとえ、望み通りの結果にならなくても、
取り返しがつかなくなるわけではなく、
人生それなりに機能するという姿勢です。
現に、過去を振り返ってみても、
備えていたおかげでうまく言ったこともあれば、
うまく行かないこともあったかと思います。
それでも、今日、今、ここに
ムーミンさんがきちんと立っているのは
厳然たる事実です。
思い通りでなくても、なんとかなって
人生を切り開いてきていることと思います。
ぜひ、失敗も人生の大切なプロセス
として包みこんでみてください。
失敗やネガティブな部分を受容することで、
それを避けることにエネルギーを注ぐのではなく、
人生に起きている好ましいことや
喜ばしいことにも目が向けられるようになり、
未来に希望が持てるようになることと思います。
– 川畑のぶこ
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◎編集後記
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今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?
一人で悩んでいると、
どんどん深みにはまっていきます。
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。
お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。
間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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