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2021/02/10(水)

【川畑のぶこ】女性蔑視は実は女性自身の中にもある!?

カテゴリー:.新着情報, メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

今日は、みなさまからのご相談をお休みし、
川畑のぶこの所感をお伝えします。

*  *  *  *  *

A:FROM 川畑のぶこ

「私たちは出来事によってではなく、
出来事の受け止め方によって
悩まされているのだ」

これは哲学者エピクテトスの言葉です。

シェークスピアの代表作ハムレットの中で、
ハムレットは
“There is nothing either good or bad
but thinking makes it so.” と言います。

すなわち、物事には本来、
良いとか悪いとかはなく、
思考がそうさせているのだということです。

私たちの抱く思考や信念は、使い方によって、
私たちの人生を効果的に切り開く
優れた道具にもなれば、自分たちを
陥れる凶器にもなる、諸刃の剣です。

ところが、私たちは日頃、
己の思考を精査することなく
漫然と過ごしています。

思考は呼吸の如く常に私たちと共にあるので、
あまりにも無自覚であり、その存在に
注意が向けられることはなかなかありません。

それは私たちが子どもの頃から、
周囲の大切な人間関係や出来事の
影響を受けながら、知らず知らずのうちに
刷り込まれ、パターン化されていきます。

先の、
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の
森喜朗会長の女性蔑視の発言は、
如何にも無意識から発せられているものですが、
これは決して彼個人が独自に作り上げた
価値観ではなく、歴史・文化を反映した社会から
刷り込まれたものでもあるのは
想像に難くないでしょう。

なので「不快な思いをした人には申し訳ない」と
特定の誰かへの詫びがされてしまう
という失態が繰り返されます。

彼の中ではいまだに、
自分の思考・信念・行動が
完全に非合理であったことへの反省はなく、
「え?!あれで嫌な思いをした人がいたの!?
ならば、すみませんでした。」
という意外な感じなのでしょう。

今回の森氏の場合、
その(蔑む)価値の矛先は自分以外の
誰かに向けられたものでしたが、厄介なのは、
私たちは往々にして、自分自身に対して
軽んじるような態度を
とっていることも多いのです。

かくいう私自身かつて、
女性は男性に比べて価値がない
という価値観を持っていました。

これは、親の態度から、
長男の兄ばかり大事にされていて、
その理由は男だからだという解釈をしたこと
による幼少期からの刷り込みによるものです。

もちろん、私の両親も
十二分に先代の刷り込みを受けており、
何の疑いもなく伝統に乗っ取って
「ちゃんと」子育てをしていたのです。

その「ちゃんと」が男女には
きっちり差をつける、ということ
だったのですから。

驚くことなかれ、森さんでなくとも、
うちの親もちゃんとやっていました。

そして、私もちゃんと受け継いでいました。

子どもの私は、これを
「自分は(女なので)親に愛される価値がない」
と無意識のうちに解釈していたのです。

すると、自分だけでなく、相手に対しても、
『あんたも所詮女なんだからさ、
余計なことしなさんな』、
なんて余計な助言をしたくなっていたものです。

これらのすべては悪意無く、
無意識のうちの行われるやりとりです。

私の場合、転機が訪れたのは、
通訳を通したサイモントン博士との出会いから。

自分の思考・信念・態度と向き合い、
丁寧に問い直すということから始まりました。

そのことで、30歳近くになって初めて、
女性であることの受容と豊かさを
体験できるようになりました。

すると、周囲の差別的な発言や態度に、
無闇に反応し続けるのではなく、
健全に立ち上がる基盤も
持てるようになりました。

思考や感情に使われることなく、
それらを使うことができるようになったのです。

これは自分を好きになれる大きな要素です。

私たちの思考は個人の特性以外にも、
文化・社会の影響を受けています。

それが効果的にはたらき、
人生を豊かにさせているのであれば、
その思考や信念は持ち続ければ良いですが、
自分や相手の人生を損なってしまうもの
であれば変容させることが大切です。

仏陀は執着ほど人間を苦しませるものはなく、
さらには、人間が最も執着するのは
思考だと言います。

執着するものというと、
物質やお金を連想しがちですが、
それらはおろか、命や健康ですらなく、
「考え方」であるというのです。

それほどに、考え方への執着を手放すことは
難しいということであり、思考変容は私たちの
日々の、ひいては人生の課題ということでしょう。

ぜひみなさんも、
いったい自分はどんな思考や信念をもっていて、
それを効果的に使えているのか、
それとも使われているのかを、
振り返ってみてください。

– 川畑のぶこ

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◎編集後記
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「私たちは出来事によってではなく、
出来事の受け止め方によって
悩まされているのだ」

本当にそうだなと実感します。

学生時代の自分と最近の自分を
比較すると、圧倒的にごきげんで
いられる時間が多いように思います。

それは、実際に今の方が良い出来事が
増えているのかもしれませんが、
自分の受け止め方の違いの影響の方が
大きいんだろうと思います。

マイナスな受け止め方をすればするほど
自分で自分を苦しめることに気づいてからは
一瞬そう捉えてしまっても、
「いや、他に違う捉え方があるのではないか?」
と考えるようにしています。

もし、あなたも
思い当たることがあるのなら、
一度立ちどまって別の視点から
見てみてくださいね^^

間中亜衣

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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