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2020/12/09(水)

【川畑のぶこ】Q.母の世話を誰がすればよいのか?

カテゴリー:.新着情報, 川畑のぶこ

 

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Q.母の世話を誰がすればよいのか?

実家のことで大きなストレスを抱えています。

私は3人兄弟ですが、
私と妹は結婚し実家を出てそれぞれが
夫や子どもと暮らしています。

弟は独身ですが、実家を離れ
一人暮らしをしています。

先日父が亡くなり、
実家は母一人となりました。

途端に実家の相続や
母の世話をどうするのか、
が問題となりました。

父の存命中から、跡取りは
長男である弟と決められていましたが、
いまや弟本人にその気がなく、
実家に全く寄り付きません。

一人暮らしになった母は心細さからか、
長女である私に毎日電話をかけてきては
愚痴をこぼし、自分の面倒は誰が見るのか、
と声を挙げ訴える始末。

正直、母と絡むことにつかれています。
また、父の葬式に赤い靴下を履いてきては
葬式中に仕事の電話だからと電話を取る
弟の常識のなさに心底不甲斐なさを感じ
腹が立っています。

さらに、母はそんな弟に
喪服を準備してやるなど、
甲斐甲斐しく世話を焼いています。

私の夫は私が母を引き取ることには反対です。
妹にも引き取る気はありません。

母の世話を誰がどのようにすればよいでしょう。

【まさお・40代・パート】

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A:FROM 川畑のぶこ

ひとりになった親の面倒を誰が見るのかで
弟妹の中に不穏な空気が流れているのですね。

それぞれに家庭があり、日々の忙しさに加えて、
母親と弟への少なからぬ悪感情があることが、
親との心理的な距離と、お世話をしたくない(できない)
理由になっていることと思います。

まず、避けて通れないのは、
弟さん、妹さんと3人で腹を割って
親の世話と相続について話し合いを
するということです。

それぞれの率直な思いを3人で共有して、
妥協点を見出す必要があるでしょう。

その際、「私は~思う」という私を主語に思いを
伝えるコミュニケーションを心がけてみてください。

「あなたは~だ。」と相手を主語に断定しないことです。
これは発話ではあるものの、会話(コミュニケーション)
ではありません。

分断のためでなく、
理解し合うための会であることを心がけます。

まさおさんのお母様は声を上げ
自身の世話について訴えているとのことですが、
今すぐに支援や介護が必要な状態でしょうか。

物理的な支援が喫緊の課題でない場合、
今は夫の逝去による寂しさや不安から、
情緒的なサポートを必要としていることと思います。

そうであれば、長女のまさおさんだけでなく、
弟妹とも連携して、お母様から連絡があった時や
用事があるときだけでなく、子どもたち側から
定期的に電話をして、お母様の話に耳を傾ける時間を
取られると良いと思います。

そのことで、お母様は「ケアされている」感覚が得られ、
落ち着きを取り戻す可能性があります。

あらかじめ、曜日を決めて連絡することで、
不平不満など、何か事を起こさない限り
繋がれない状態から、事を起こさなくても
いつでも繋がれる安心感が得られるでしょう。

寂しいときに人が求めるのは、重いものを運んだり、
買い物や送迎などの道具的な支援よりも、
注意であったり、目に見えない繋がりや絆
であることご多いのです。

情緒的支援だけでなく、
物理的にも経済的にも支援が必要となる場合は、
誰がメインの支援・介護者となるのか、
メインでない家族は、毎週あるいは毎月数回など
であれば介護を行えるのか、

それとも3人とも忙しすぎて手が回らない場合、
介護施設に入所するのか、その場合、
経済的負担は誰がどれほど負うのかなど、
具体的に役割分担を決めておくことで、
後々、姉弟妹間のシコリを残すのを、
防げるのではないでしょうか。

お母さんと弟さんへ対する思いに関しては、
長男にこだわなければならなかったお母様の…、
好きで長男に生まれてきたわけではない弟さんの…、
そしてそれを愛の比較に置き換え不公平感を抱いてしまう姉妹の…、
それぞれの心理社会的背景、いびつさや弱さ、
そして不器用にも幸せに生きようとする健気さを慮り、理解し、
受け入れることで苦しみを取り除くことができると思います。
どうか静かに振り返ってみてください。

これまで本音で向き合ってこなかった家族が、
大きな出来事や事件を通して真摯に向き合う姿勢は、
それまで予想しなかった調和を創り出すこともあります。

その要は深い理解と思いやりにあるのでしょう。

– 川畑のぶこ

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この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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