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2020/06/10(水)
【川畑のぶこ】Q.自発的に物事を進められない息子について
Q.自発的に物事を進められない息子について
現在、高校2年生の息子です。
中学生の頃は同じ部活の子に
いじめられていましたが、
高校生になってからは学校が
楽しいと、嫌がることなく
行けておりました。
部活もいじめられながらも
続けてきた甲斐あって
新人戦で好成績を収めました。
部活や高校生活を頑張っている反面、
ゲーム(戦争、撃ち合いをする)にも
のめり込んでいるふしがありました。
また高校生になった時に与えたスマホ
を片時も離すことができないでいます。
学校に行っている時はスマホを
使用する時間が決まっていましたし、
部活も忙しかったので、一日中
ゲームをする日などありませんでした。
新型コロナウィルスの対策で
学校に行けなくなってからは
ほぼ一日中ゲームをしています。
ゲームをやりすぎた後に、
人格が変わるというか粗暴になり、
先日もイライラして物に当たり
家具を壊しました。
そうかと思うと突然小さい子の様に
甘えてきたりします。
ひとりっ子で他と比べることができず、
今に至ってしまいましたが、小学3年の時
担任から片付けができない、行動が
遅いと家庭訪問の時に注意を受けました。
今も片付けができず、何一つ自発的に
物事を進めることができず、アドバイスも
受け入れる事ができません。
嫌と思ったら絶対に行動しません。
ここまでくるとただの頑固とは
思えなくなってきました。
人と付き合いづらいと本人の口から
聞いたこともあります。
もし、発達障害の類であれば
今から対処する方法はあるのでしょうか。
幼少の頃から喧嘩の絶えない
家庭環境で育ってきたせいも
あるのでしょうか(後天的な原因)。
今のままでは進学も就職も
結婚もできないのではないかと思います。
アドバイスよろしくお願いします。
【レモン・40代・会社員】
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A:FROM 川畑のぶこ
愛する一人息子さんの
行く末を案じるレモンさんの
お気持ちが伝わってきます。
もし、息子さんが日頃から、
コミュニケーションや人付き合い
が苦手で、何かにのめり込むと
他が見えなくなってしまう、
また片づけや段取りができず、
そのことで日常に支障を来している
というのであれば、いちど発達障害の
検査を受けてみることをおすすめします。
ただし、
上記が当てはまるからといって、
即発達障害とは限りませんし、
とくにこの自粛期間中のコロナ禍で、
ティーンエイジャーが自宅で
ゲームばかりするのは、障害や
本人の自己管理不足のせいとは
言えません。
このようなストレス下における
対処法などの教科書を持たない
彼らなりに、無意識にバランスを
保ち適応しようとしているのでしょう。
自体が収束し、学校が始まったときに、
元に戻ることが十分に考えられます。
また、今は、親もこの非日常で
ストレス下にいるはずです。
ずっと子どもと顔をつき合わさなければ
ならず、必要以上に我が子を観察ならぬ
監視してしまうのではないでしょうか。
ストレスがたまっているときは、
良いことよりも悪いことばかりに
目がいきがちです。
戦っているのが実際に戦場や
友人相手ではなく、ゲームの中の
キャラクターで良かったとか、
ルールを守り自粛できていることで
感染リスクを免れて良かったなど
とは思えないのですね。
ですから、その分も差し引いて
状況に向き合う冷静さが大切に
なってくるでしょうし、
いま起こっていることで
好ましいことにも意識を
向けてみてください。
受診して、発達障害であることが
わかれば、専門家や福祉と連携して、
将来への対策を講じていくことが
できます。
発達障害だからといって、
就職できないわけでも、
結婚できないわけでもありませんし、
彼の唯一無二の個性を能力として
伸ばすこともできますから
安心してください。
ただし、周囲の理解は必要と
なりますので、受診は大切です。
発達障害の人がそうと知らされない
ままでいると、周囲からはただの
だらしない人とか怠け者とか変わり者
などと偏見の目でみられ、ますます
生きづらい人生となってしまうでしょう。
また、息子さんが発達障害で
あった場合、それはレモンさんや
ご主人のせいでも二人の喧嘩のせい
でもありません。
発達障害は、遺伝や器質など
先天的なものが主な要因です。
もちろん、環境がトリガーとなって、
いままで表面化してこなかった症状が
出てくることはありますが、もともと
そのような特性があったことが
考えられます。
ですので、ご自身を責めないでください。
ただし、「喧嘩が原因なのでは?」と
省みたのであれば、息子さんの障害の
有無や原因に関わらず、ご自身や夫婦、
また家族の人生における課題であること
は間違いないでしょうから、放ったらかし
にせず、善処するべきでしょう。
責めるのではなく善処するのです。
子どものことばかりでなく、
ご自身に引っかかりのあることにも
きちんと注意を注いで対処していくことが、
結果的にご自身のみならず息子さんにも、
周囲にも良い影響を与えるのは
間違いないでしょう。
レモンさんご自身が、そのような課題を
乗り越えることによって、「息子にも
同じように彼自身の人生の課題に向き合い、
乗り越えるちからがきちんと備わっている」
という信頼感を育むことができるように
なるはずです。
この信頼感こそが困難を
乗り越える鍵となるでしょう。
– 川畑のぶこ
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◎編集後記
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間中亜衣
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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