断捨離® | やましたひでこ公式サイト

断捨離®の著者、やましたひでこの公式サイト

 

ホーム  /  【川畑のぶこ】Q.病気の叔母に翻弄される母が心配です

2020/04/29(水)

【川畑のぶこ】Q.病気の叔母に翻弄される母が心配です

カテゴリー:.新着情報, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。

————————————

Q.病気の叔母に翻弄される母が心配です

レビー小体型認知症を
発症した叔母(68歳)のことで
翻弄される母の身を案じています。

幻覚症状のある叔母は買い物依存症となり
1年前に他界した叔父や祖父の残した遺産を
ほぼ使い切り、年金で1人暮らしをしています。

攻撃性もあり、近所とのトラブルを起こすことも
しばしばながら、本人に病気の自覚がなく、
進行を遅らせる薬も一切飲んでいません。

車で10分の距離に40代の娘とその家族が
住んでいるものの、一切関与しようとせず、
他の2人の息子は海外と遠方に住んでおり、
トラブルを起こした際の警察への
身柄の引き取りを母が行っています。

毎日電話をし、車で食べ物を
差し入れているのも母が好きで
やっていることだと目をつぶっていましたが、
高齢となり夜の運転も気にかかります。

厳しい義父母の元で3人の子供を育て、
最後は一人になった妹があまりにも
可哀そうだという気持ちも分かりますが、

誰が中心となって叔母に関わるのが良いか
と考えた際に、最も近くに住む娘家族が
あまりにも無責任な気がして憤りを感じます。

娘の旦那が叔母に関わることにより、
幼稚園の息子がいる自分の家庭が壊れることを
危惧して一切関わろうとしないのです。

海外にいる長男に任せたと言い切り、
行政や地域の民生員からの連絡、
しいては叔母が数日帰らなくなっている旨の
連絡も無視する始末です。

社会福祉の専門の方や民生員、介護保険士、
保健師の方など様々な方への相談を
母がはじめましたが、病気の自覚がなく、

攻撃性のある叔母を病院に入院させ
レビー小体型認知症の根本的な治療に
向かわせるのは至難の業です。

かと言って放置しているとご近所トラブルが
犯罪にまで発展することを懸念しています。

出口の見えない叔母の幻覚症状からの奇行に
寄り添い続ける母、無関心を決め込む娘家族、

今後どのようにそれぞれが行動すれば
叔母の問題が良い方に向かうのか
考えあぐねています。

【REI・40代・会社員】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

REIさんのお母様への思いやり、
お母様の妹(叔母様)への思いやり、
介護はそれぞれの思いが絡み合い、
正解がみつけにくくなることがありますね。

REIさんとお母様の課題には、
認知症の叔母様の病気に対して
どう対応するかという問題と、
誰が介護をするのかという
2つの問題があるかと思います。

認知症は本人に病識がないと、
周囲は振り回されてしまうことが多く、
なかでもレビー小体型認知症は、
認知機能低下による記憶障害や
見当識障害などの中核症状以外にも、
BPSDと呼ばれる幻覚や妄想、攻撃性
などの精神機能や行動の問題がひどく、
家族やサポーターが苦労することが多いです。

身体機能に問題がなく、
とくに健脚だと元気と受け止められ、
社会的生活は破綻しているにもかかわらず、
周囲が介護の必要性を軽視してしまい、
専門家の支援が受けられないこともあります。

私自身の親族にも
レビー小体認知症の者がいますが、
当初家庭内は嵐でしたが、やはり健脚のため
当初介護認定がなかなかおりませんでした。

周辺の医療従事者らからのアドバイスを
受けながら、ケアマネージャーを変えたり、
医療機関を変えたりしてようやく診断も確定して、
介護認定を得て施設に入所することができました。

本人は病識がありませんから、
なぜ自分が入所しなければいけないのか
と怒りをもって抵抗していましたが、
専門家の助けも借りながら、投薬のコントロール
などもきちんとできるようになったおかげで、
BPSDの症状もコントロールされ、
今では慣れて平穏に過ごしています。

今、お母様が関係各所への協力を
要請し始めているようですから、
これを乗り越えると楽になるかもしれませんし、
実母をお荷物に思っているかもしれない娘さん夫婦も、
他者からの支援が得られるようになれば、
安心して母親の病気と向き合えるように
なるかもしれません。

誰がメインで介護をするかということに関しては、
いちどお母さんにREIさんの思いをきちんと伝え、
お母様の負担が確認できたなら、叔母様の娘さんと
長男さんともオンラインを利用するなどして、
きちんと面と向き合って話し合いをする機会を
持つことが大事でしょう。

お母さんがあまりに熱心だと、
美しい姉妹愛と、息子さんや娘さんも
頼りにして任せっぱなしになっている
可能性もあります。

お母様の口から、負担であることを、
あるいはREIさんからみてお母さんに
負担になっているように見え、心配である
ことを率直に伝えることが大切です。

その際、相手を批判する必要はなく、
率直に、困っていることを伝え、
家族として親の支援をしてほしいと
要請すれば良いでしょう。

そのことで、これまで見ないようにしてきた、
でも本来きちんと向き合うべき必要な課題に
本人たちがきちんと向き合う機会が与えられます。

娘さん夫婦が自分たちの生活が機能しなくなるのを
恐れるなら、積極的に支援先を求めるでしょうし、
親の抵抗も乗り越えるでしょう。

お母様のように、適度に距離がある関係だと、
相手を尊重しすぎて、自分さえ我慢すれば、
と自らの負担を大きくしている可能性もあります。

娘さんのご主人も、
それが実の親であれ義理の親であれ、
老いたり病んだりすることは避けて通れませんから、
その事実に直面し、人生のままならなさを受け入れる、
大切な学びの機会でしょう。

お母様もREIさんも、
この大変な状況を乗り越えるためにも、
ぜひ、日頃からセルフケアをきちんとして
エネルギーを充電されますように。

– 川畑のぶこ

━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━

今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?

一人で悩んでいると、
どんどん深みにはまっていきます。
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。

お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。

川畑のぶこへの質問・ご相談はこちらから

間中亜衣

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

メルマガの登録はこちら

 

 

執筆者一覧

 

 

 

最近の投稿

 

 

 

断捨離®塾について

外部サイト