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2016/09/07(水)

【川畑のぶこ】[Q&A] 次女ばかりえこひいきする夫

カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、 川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。

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Q:次女ばかりえこひいきする夫

川畑のぶ子先生、
お世話になります。

断捨離、心理カウンセリング
オンラインプログラムを拝見し、
時々メルマガからも学ばせて
いただいております。

家族関係、夫との関係で相談です。

私、夫、娘二人(大学4年と1年)
の4人家族です。私は、大学時代に
心理学を専攻し、カウンセリングにも
興味を持っており、現在、
グリーフケア、マインドフルネス等を
勉強しながら、心のケアの活動
をしています。

夫は、2歳年上の家業を継ぐために
大切に育てられた兄と、初めての
女の子で大切にされた4歳下の妹
にはさまれた3人兄弟の真ん中で育ち、
負けず嫌いで人一倍がんこです。

仕事の上では、メンタルの図太さで
成功している部分もあるようですが、
家庭内では、いっさい家族の助言や
指摘を聞き入れず、何か家族が主人
に対すること言うと(例えば、健康
を思っての助言や服装のアドバイス
など)激怒し、時には、どなったり、
物を投げたりします。

家族間でトラブルがあっても、
主人は、いつも自分自身を守るために
感情的になり、冷静に家族の言い分を
聞くことができないため、家族が
がまんして過ごしています。

川畑先生の無料Webセミナーに
ありました通り、まさに
「悪循環を生むパラタクシス的歪曲」
のパターンにはまっている
「残念な人」なのです。

しかも、問題なのは、娘達が小さい頃
から次女をえこひいきし、自分と性格
の似た次女の中に自分を投影し、次女
をかばうことで自分を守っているよう
なところがあります。娘達が大学生に
なっても、未だに長女の前で次女に
だけお金を与えたりして、娘達を平等
に扱うことができません。

そのために、長女が傷ついている
のを見て、毎回、私はがまんが
できなくなり、主人に指摘しますが、
毎回、指摘を受けるととる上記の
ような行動パターンがあるため、
冷静な話し合いができません。

主人が自分自身にむきあって、この
パターンにおちいりやすい残念な人
であることを自覚すれば、本人が
家族関係も社会の人間関係でも
自分自身がイライラすることなく
スムーズに過ごせるのにと思います。

このような夫は、私がこのように
考えていても、素直に家族の話を
聞くことができないので、どのように
わかってもらえばよいのか、
良い方法がありましたら教えて
いただければと思います。

カウンセリングの勉強をしていても、
家族のこととなると、難しい立場におり、
冷静に分析しながら、どうアプローチ
してよいのやら悩んでいます。

どうぞよろしくお願いします。

【はるなひろこ・40代・主婦】

―――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

外科医が自分の家族の執刀が
できないように、カウンセラーで
あっても自分の家族にカウンセ
リングをすることはできませんね。

夫婦間や親子間で、すでに心理学的に
言う「転移」が起こっていることが
ほとんどだからです。

転移とは過去における(親などの)
重要な関係で、未解決な問題を、
無意識のうちに今の自分の周りの
人間関係に重ね合わせて再現して
しまうことです。

はるなさんもすでにご指摘の通り、
ご主人は次女に自分自身を投影して
過去の満たせなかった何かを
必死に満たそうとしているのでしょうね。

カウンセリングや心理を学ぶ醍醐味は、
相手を思い通りに改善することに
あるのではなく、このような深い部分の
理解を得ることで、人生の濁流に
いたずらに巻き込まれず、
その濁流を堤防から眺める傍観者で
居られることかもしれませんね。

ご主人には折に触れて、はるなさんの
誠実な気持ちを思いやりを持って
伝えてみたらよいかと思いますが、
長女さんとの関わりに関しては、
彼女自身が濁流の傍観者になれるように
お母様であるはるなさんが
関係を構築できればよいかと思います。

すなわち、
「私がお父さんに愛されないのは
私がダメな人間だからだ」
といった心の刷り込みがされてしまう
ことが一番の恐れでしょうから、
そうではないのだということを
コミュニケーションを重ねて
理解できるようにしていくことが
大事ではないでしょうか。

子どもにも驚くほどの智慧が
きちんと備わっています。
親の至らぬところは、コピーせず
反面教師にする智慧も持ち備えています。
ご両親揃って長女さんの理想通りに
愛情表現ができなくても、
お母さんが良いモデルになって
あげられたなら、彼女は人生の困難を
切り開いていくことができるでしょう。

長女さんが、
「父は不器用であった。」
「私を愛す前に、自分自身が愛を
獲得するのに必死だった。」
「健全な愛情表現を身につけて
こなかったのでどうして良いか
わからないのだ。」
ということが理解できるように
促してあげてはいかがでしょうか。

はるなさんは、
「夫婦揃って健全な愛情表現が
できずとも、私一人が長女に愛を
健全に与えていればそれで十分。」
と自信を持って前進されてみては
いかがでしょうか。

周囲がどうであれ、お母さんだけは
いつも私の強い味方だった…

そんな状況がある限り、
彼女は困難をしなやかに乗り越え
優しく逞しい人間に育っていくのでは
ないでしょうか。

私たちは皆失敗しながら学びを
深めていく生き物です。
成人になっても心や魂の成長は
まだまだ続きます。
どうかはるなさん自身も
親としての失敗を責めることなく、
好奇心を大切に、お子さんたちと
ともにそこから学びながら、
逞しく共に成長されますように。

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◎編集後記
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「人生の濁流に巻き込まれない」
傍観者ポジション。

自分の周りにあるモノたちと向き合って、
自分自身を見つめることでも
取れるんじゃないかなーと思います。

–青野慶子

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この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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