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2016/03/03(木)

【やましたひでこ】お雛様に込められた想い

カテゴリー:やましたひでこ, メルマガバックナンバー

 

FROM やましたひでこ

おはようございます。
断捨離のやましたひでこです。

弥生3月3日、木曜日
<旧暦、一月二十四日>

今日は桃の節句、雛祭り。

年齢を重ねて、およそ、お雛様とは
縁がなくなった身とはいえ、お雛様を
可愛いと思う気持ちは未だ健在の私。

だからなのか、今もって、もしも、
気に入ったお雛さまに出逢えたならば
部屋に飾りたいと思うもの。さすがに、
七段飾り、五段飾り、といった大きな
ものではなく、お内裏様とお雛様の
二つで充分ですが。

さてさて、この愛すべきお雛様たちこそ、
家族の事情で様々なストーリーを背負って
いるもの。いえ、背負わされていると
言うべきですね。そのストーリーのせいで、
時に厄介物扱いされてしまうこともあり、
けれど、厄介と思われつつ始末をつけら
れることもなく押入れの中でじっとして
いることを強いられたりと、可愛そうな
運命をたどっている場合も少なくないですね。

例えば、こんなふうに。

実家の母が仕度してくれた立派なひな壇飾り。
それは、たしかに孫娘を思う気持ちもあるの
だろうけれど、まるで「どう、凄いでしょ!」
と張り合うようでもあり、娘夫婦の住まいでは
持て余すような大きさ。飾ったら最後、狭い
リビングを圧迫するばかりで寛げないどころか
動くこともままならない。

なぜ、娘夫婦の住宅事情も考えず、そんなにも
大きなお雛様を母親が送りつけてくるのか。
それは、家の格が釣り合っていない結婚だと
思い込んで、娘の結婚を内心快く思っていない
母親の当てつけでもあったのです。

結局、このお雛様が飾られたのは一回切り。
後は段ボール箱に入ったまま押入れに。
その押入れに居ても他のモノが仕舞えないからと
邪魔にされているのです。

また、こんな例も。

アラフォーの独身女性。母親から受け継いだ
お雛様がどうにも自分の趣味ではない。
しかも、母親は、毎度この時期になると
「ちゃんと飾ったの?」と必ず聞いてくる。
それが、この女性には鬱とおしくてたまらない。
もう、いい加減大人なのだから放っておいて
ほしい。飾るも飾らないも自分の自由、しかも、
好みのお雛様でなく処分したいくらいなのに。

この母と娘のお雛様の攻防は、独身を通して
いる娘に対しての母親の無言の圧力。母親に
してみれば、「もう、いい加減結婚したら」
という思いの現われ。その気持ちが推し測れる
からこそ、娘の方も更にこのお雛様が忌まわ
しい程になっていくのです。

当然ながら、結局、このお雛様も哀れ
クローゼットの奥に突っ込まれたまま。

そして、これは、私やましたひでこの場合。

今もって、お雛様に憧れを持つのは、
きっと小さい時の遠い記憶のせい。
私のお雛様は、小さな土人形の立ち雛。
それが、テレビの上にささやかに置かれ
ていたのを覚えている。しかも飾って
くれたのは父親でそれも一度だけ。
おそらく、当時の私の母はまったく
お雛様を愛でる趣味もなければ飾る心の
余裕もなかったのだと思う。

それも、今にして思えばのことで
本当のことはわからない。けれど、
家族揃ってお雛祭りをするゆとり
がなかった核家族育ちの私にとって、
お雛様とは家族の和と輪の象徴
なのかもしれません。

さてさて、お雛祭りという節句行事。
Xmasに比べれば、随分と分が悪い
ように思えるのだけど、どうなのだろう。

そして、今日の日、お雛様たちは、
それぞれどんな想いが込められて
飾られているのだろう。
そして、どれだけのお雛様が
飾られることなくあるのだろう。

大きくて場所をとり、
飾るのに手間と時間がかかり、
仕舞うのも、また大変で。

それだけでも、面倒だとされながら、
しかも親の勝手な期待や子の反発
までも背負わされて。

子供たちが大きくなれば、まったく
飾られることもなくなり、じっと
押入れの中に居続けなくてばらない
境遇のお雛様たち。

私は、押入れの中のお雛様に、その
気持ちを聞いてみたくなることがある。

どうしてほしい、あなたたち?

保管保存という名目のもとに、
放置と忘却の中にいるお雛さまたち。

手入れもされることなく
捨て置かれたままのお雛様たち。

もしも、私がそんなお雛様だったら、
いっそ、始末をつけてもらうことを
望むけれど。なぜなら、親子間の
価値観の違いを背負うは御免ですものね、
しかも、カビ臭くなりながら。

どうでしょう。

さあて、今日のあなたも、放置した
ままのモノの気持ちになって見て下さいね。

モノの立場になって視点を変えて
いくのも断捨離の大切な思考の
トレーニングのひとつですから。

それでは、ごきげんさまにて。

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◎編集後記
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お雛様といえば、
今年1月に訪れた断捨離トレーナー
藤原久美子さんのお宅。

床の間に、はんなりと
飾られたお雛様を思い出しました。

すっきり片づいた気持ちのよい空間で、
さらにその美しさが映えるお雛様。

そんな藤原さんのお雛様も、
十数年もの間、押入れに
閉じ込められたままだったとか。

しかも、大きな三段飾りだったために、
押入れを占拠し、そのせいで布団が
しまえなかったそう。

「とにかく隠す」ことだけを考え、
至るところに収納空間を配した
家を建てたほどの藤原さんに、
やましたさんがインタビューしています。

こちらからぜひご覧ください。
http://123direct.jp/tracking/cr/qOLwgqk1/218989/16092004

青野慶子

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この記事の執筆者について

 

やましたひでこ

クラター・コンサルタント
東京都出身。石川県在住。早稲田大学文学部卒

 

学生時代に出逢ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片づけ」に落とし込み、誰もが実践可能な自己探訪メソッドを構築。

断捨離は、心の新陳代謝を促す、発想の転換法でもある。

全国展開している「断捨離セミナー」は、年齢、性別、職業を問わず受講者から圧倒的な支持を得ている。

処女作『断捨離』<マガジンハウス>は、日本はもとより台湾、中国でもベストセラーとなり、『俯瞰力』『自在力』<いずれもマガジンハウス>の断捨離三部作他、著作・監修を含めた関連書籍は累計300万部を越えるミリオンセラー。

 

 

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