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2013/04/24(水)
【川畑のぶこ】いのちの循環
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
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2013・4・24 No.573
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◆今日の断捨離 いのちの循環
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FROM 川畑のぶこ
週末に沖縄の海で散骨の儀を行った。
人生の師、カール・サイモントン博士の散骨だ。
昨年の秋、ロサンゼルスを訪問した際に
サイモントンの家族から、彼の愛した日本に
遺灰の一部を散骨して欲しいと依頼され快諾した。
日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカなど、
彼の縁のあった土地や海に散骨してほしいと
生前に遺言があったとのこと。
実に我が師らしいなと思った。
日本全国から16人のサイモントンの弟子が沖縄で集う。
天気予報は終日雨だったけれど、
ホテルのカーテンを開けると
雲一つない青空に太陽が輝いた。
斎場御嶽(セイファーウタキ)という古代の拝処で
しめやかに祈りを捧げた後、宜野湾港から出港した。
生前、「海で死ねるなら本望」と語りながら
この海をセーリングしたことを思い出す。
セーリングは彼の命だった。
サイモントンが研修の際に常に携帯していた
ドイツ製ののど飴がある。
オペラ歌手も使う代物だと繰り返し聞かされた。
そのちいさなキャンディーの缶に入った遺灰を囲んだ弟子たちは
多くを語らず、それぞれに在りし日の師に思いを巡らす。
私は2人の仲間とともに、三線を奏でた。
『ていんさぐぬ花や ちみさきにすみてぃ
うやぬゆしぐとぅや ちむにすみり』
鳳仙花の花は爪の先に染めて…
親の言うことは心に染めて…
サイモントンからの教えは、
彼がいなくなった今もなお、
きちんと私達の心に染まっている。
いつでもこの場を思い出せるようにと
クルーの粋な計らいで、北谷の観覧車が見える沖で
散骨を行うことになった。
あたたかい海に向けて、皆の手のひらから
銀色の灰が撒かれる。
“Thank you. We love you.”
捧げる言葉は、彼が亡くなる前に
何度も私達に伝えた言葉とおなじ。
逝くものも、残される者も、
最後の言葉とは概ねこのようなものなのだ。
我が師の一部が、ちらちらと舞うように
深いエメラルドグリーンに沈み、
母なる海に還っていった。
いのちの循環…
サイモントンの墓はなく、位牌もない。
それでも彼の存在は私たちのこころに鮮明に記憶され
母なる地球に深く記憶される。
その叡智に抱かれながら、限りある残りの人生を
私もゆったりしなやかに歩もうではないか。
しばし喧噪や多忙から離れ
しずかに思うひとときだった。
What’s danshari ? Let’s danshari ! Viva danshari ♪
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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