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2016/06/08(水)
【川畑のぶこ】[Q&A] 「母と縁を切る」は間違った断捨離?
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、 川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q:「母と縁を切る」は間違った断捨離?
母の日に、(1989年から永住している
オーストリアから)母の日の
贈り物を 日本の母に送りました。
母は大変難しい性質で、素直でなく
物事を必ず屈折して受け取るため、
私も弟も亡き祖母も そして亡き父も、
皆彼女に振り回されてきました。
ご近所からも愛想を尽かされ、
2013年には母方の親戚からさえも
「縁を切らせてもらう」という手紙が、
オーストリアの私の手元に届きました。
その母は、79歳まで東京/日本橋で
仕事をしていて、私の心配心から
(母には年金がありません)、また
退職後の休養も含め、私と愛夫が
オーストリアへ母を呼び寄せ、
経済的全面援助をしながら同居して
2年半過ごしました。現在母は82歳です。
ところが、幼少(3歳)から ピアノ教育
を母より厳しく受けていた私は、母から
逃亡すべく日本を飛び出して24年経った
「自立」した生活を またもや母に
脅かされ、トラウマとフラッシュバックに
魘され、食物が喉を通らなくなり、
自殺未遂をし、勤務していた音大を
年間休職し、辞職するに至りました。
その間、病院・セラピー治療を受けて、
母は日本の実家に帰国しました。
母がオーストリア拙宅で滞在していた間、
弟の東京のアパートが全焼し、弟はその後
空き家となっていた「ゴミ汚屋敷実家」
に戻り、母の溜めに溜め込んだガラクタを
独りでせっせと断捨離してくれました。
ところが ようやく少し息が出来る
ようになったその実家に、私の病気
のせいで 母親が帰還することに… 。
弟は「姉が困っているならば、協力する」
という文面で承知してくれました。
そこから半年が経ちましたが、
ゴミガラクタの再発に悩む弟に、
私の罪悪感が止みません。
その挙句、母の日に (ほんの少しの
親子の印にと) 送ったプリザーブド
フラワーのプレゼントを巡り、私と
母との間でメール口論に…。
結果、月曜日に私は「これだけ分かり
合えない、(母親が我が子に自分の
正当性ばかり主張する) 親子関係ならば、
このままズルズルと引き摺っていても
全く意味がないので、これで縁を
切りましょう」(弟にも転送済み)
とメールを送りました。
そこから二日が経ちましたが、
なんの音沙汰もありません。
私はメールの送信ボタンを押して後、
少しの間 震えが止まらない状態
でしたが、今はスッキリしています。
断捨離を毎日のように実行するうちに、
「自分にとって 不要・不適・不快」
であるモノ・ヒト・コト の判別を
自分に下す (許す) のに要する時間が、
どんどん縮小し、この母親への
(縁を切りましょう という)提案を
メールに書いて送るという行動が、
いわば「直感的」に、何かにインスピ
レーションを得たかのように、
即行動に移りました。
これは、異常でしょうか?
以前の私であれば、世間体や、
自己非難、自己批判 (こんな娘では
あってはならない) の類言に悩まされ、
一番過去の厭な思い出を象徴する
対象物である母親と、芋ズル式の関係を
ズルズルと引っ張って引き摺って参りました。
しかし 断捨離行法を通して、まるで
目が覚めたように、悶々としていた
病的なココロが 晴れ渡っていくこと
を肌で実感し、「母親は、私をこの世
に産み落としてくれた、そしてここまで
育てあげてくれた。父親の大反対を
受け続けながら、金銭的に苦労しながらも、
私のピアノ教育に莫大なお金をかけ、
東京のレッスンに連れて行ってくれた」
という 過去を断捨離し、その母親も
肉体・個体という視点では【某体】
である、という観点に気づきました。
これは、間違った断捨離的行動判断
でしょうか?
自分の視点からは、先ずは母親に
自分の意思を表明したわけですが、
その母と二人残された弟のことが、
心配です。
長文になり、申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
【拳禅一如・48 歳・主婦業初心者】
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A:
FROM 川畑のぶこ
親子関係、とりわけ母と子の関係
というのは、人生最大の問題であり
課題だと思います。
子は良くも悪くも親の価値観には
強く影響を受けますし、幼少期に
された親からの刷り込みによって、
その後の人生を心理社会的に
うまく切り抜けるための
サバイバルフォーミュラとも言える
方程式を作り上げていきます。
幼少期の子どもにとって親は、
全知全能の神のような存在で、
親に愛されるか、認められるかは
死活問題となります。
拳禅一如さんも、お母様に認め
られるために、並ならぬ努力を
されたことが伺えます。
お母様との縁を切ることが、
正しい断捨離かどうかということ
に関しては、断捨離には万人に
とっての唯一の正解というものは
なく、それぞれにそれぞれの、
またその時々の正解がありますので、
今の拳禅一如さんにとって、それが
最善の行動だと納得がいくのであれば、
それも拳禅一如さんとお母様が
取り組む課題に必要なプロセス
なのではないかと察します。
もちろん、お母様にも言い分は
あるでしょうが、拳禅一如さんが
お母様との関係が引き金となって、
トラウマでフラッシュバックに
悩まされ、自殺未遂や辞職もしな
ければならないくらいの背景が
あることを考えると、少なくとも
今は適度な距離を置くことは
健全であるように見えます。
たとえそれが親子であっても、
適度な距離感というのは大切で、
それが保たれているが故に相手
に悪感情を持たずにすみ、良好
な関係性が保たれることはあります。
縁を切るというのは究極ですが、
これはこれまで拳禅一如さんが、
無理して頑張ってお母様に合わせ
てきた心理的抑圧が爆発し、反動
で一気に対局に振れたような流れ
にも見えます。
拳禅一如さんが日頃から罪悪感を
抱くことなく、適度な距離感を
取れていれば、回避できた可能性
も考えられます。
罪悪感は「家族なのだから常に
近くにいてあげなければいけない」
とか「母と離れて暮らしている私は
親不孝でダメな子だ」などといった
不合理な思いから湧いてくること
でしょうし、その感情に突き動か
されて(過剰に相手に合わせるなどの)
行動をとってしまいがちです。
親の都合に全て応えられたに
越したことはありませんが、
必ずしも親の全てのニーズを
満たさなければダメな子、
というわけではありません。
たとえ離れていても、常に母の
ことを気にかける良い娘だと
受け止めてみることも大事だと
思います。また、「私はその時点
での私にできる最善を尽くしている」
ということも認めてあげて欲しい
と思います。
互いのより良い人生や学びのために、
今は心の奥底の声に従って、距離を
置くという選択をするのだ、という
信念を持って前進してみてはいかが
でしょうか。
距離をとることで、お母様の良い
部分に気づくこともあります。
断捨離の「離」には、離れてみて
気づく価値という意味があります。
不器用な私たちには、時として、
離れなければわからないものも
あるのです。
お母様の拳禅一如さんに対する
行動には、立ち上がることは
大切だと思います。ただし、
お母様の存在そのものを否定する
必要は必ずしもないでしょう。
お母様のしてくださったことで
有難いことは否定せずに素直に
有難いこととして受け入れ、
それを差し引いてもあまりある
苦しみを乗り越えるために、
今は距離をとるのだと認めて
みてはいかがでしょうか。
縁を切ることで、近すぎて見え
なかったお母様の価値に、改めて
気づける日がやがて来るのなら、
自分にもお母様にも、違いはある
けれど、どちらもOKなんだと、
心底思える日が来たのなら、
真の意味での断捨離を実践されて
いる証となることと思います。
PS
迷いながらも結論を出したなら、
その問題からはそっと離れて
今いる空間に目を向けてみましょう。
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は、あなたやあなたの家族の生き方に、
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◎編集後記
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先週、ある情報バラエティ番組で、
「生まれ順が人生に与える影響」
みたいな特集をやってました。
第一子は神経質、末っ子はわがまま、
真ん中っ子が将来最も成功する、
というデータがあるんだとか。
私、真ん中っ子なんですけど!
うーん、、どうなんでしょうか??
生まれ順で親の接し方も変わるから、
子の性格にも違いが出てくる、というお話。
親の影響、侮れませんね。
–青野慶子
What’s danshari ? Let’s danshari ! Viva danshari ♪
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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