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2020/02/12(水)

【川畑のぶこ】Q.言うことを聞かない高1の息子について

カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。

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Q.言うことを聞かない高1の息子について

高校1年の息子のことでアドバイスをお願いします。

小6の時にゲームの課金で5万使った事があり、
この時は私のクレジットカードが登録されたままに
なっていたので私の失敗でもありました。

もうしないと約束しましたが
息子が中2の時に20万課金に使われました。

この時は私のバッグからクレジットカードを
見つけ勝手に使用していました。

ごめん、もうしない。と約束するのですが、
その後も高1から持たせたスマホで
課金できない設定にすると、
今度は私のスマホのまとめ払いを使い
課金や買い物をしました。

スマホを回線停止にしても自分で解除し、
使えないままを装いながら
課金や買い物を続けていました。

先月2万円近い買いものをしていて、
息子と言い合いになりスマホを解約すると、
取っ組み合いの喧嘩になりました。

息子は中学で不登校だったので、
行かないというアピールが一番響く
と思っての行動だと思います。

「学校を休まれてもスマホを返すつもりはない、
行かずに困るのは母ではなく自分だろう」
と言うと「分かった」とは言いますが、
日中寝て夜はパソコンでゲームをしています。

このまま行かないのであれば
パソコンも片づけることにしています。

どのように対処すれば息子の行動を
改めさせることができるのかご助言ください。

【くたびれ母さん・40代・看護師】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

くたびれ母さんの苦悩が伺えます。

対処の仕方に関しては、
ゲーム自体に罪はないので、
対処の仕方は段階にもよると思います。

息子さんの場合、依存症のリスクも
考慮して対応されるのが良いと思います。

昨今では、WHO(世界保健機関)が
ゲームをすることが制御できず、
他の生活上の利益や日常の活動よりも
ゲームをすることが優先され、

生活や学業に支障が出ても
ゲームがやめられないような状態は、
「ゲーム障害」として
以下の診断基準を定めています。

・ゲームのコントロールができない
・ ほかの生活上の関心ごとや
日常の活動よりゲームを優先する

・ 問題があるにもかかわらずゲームを続ける
・ 個人・家族・社会における
学業上または職業上の機能が果たせない

といった状態が12ヶ月以上続く場合、ただし、
小・中学性では短期間で重症化しやすい傾向がみられます。

兆候としては、

・ 使用時間がかなり長くなった
・ 夜中までゲームを続ける
・ 朝起きられない
・ 絶えずゲームのことが気になる

・ ゲーム以外のことに興味を示さない
・ 注意すると激しく怒る
・ ゲームの使用時間や内容などについて嘘をつく
・ 課金が多い

というものが挙げられ、息子さんも
すべてに当てはまるのではないでしょうか。

日本では中高生の93万人がネット依存で、
うち90%がゲーム依存という統計があります。

この場合、アルコール依存や
ギャンブル依存と同じように、
意志の力ではどうにもならず、
脳神経学的な問題が考えられます。

ゲームは外の社会とちがい、
手軽に「報酬」が得られるのが魅力です。

するとドーパミンという快楽物質が放出され、
この刺激をより多く求めるようになります。

ずっとゲームを続けていると、
耐性ができてしまい、少しの報酬では足らずに、
脳はもっと多くの報酬を得たい
という衝動に駆られるようになります。

「わかっちゃいるけどやめられない」状態です。

おそらく、息子さんもやめられるならやめたい、
けれどやめられないのではないでしょうか。

ゲームを取り上げるというのは
対症療法的には効果があるかもしれませんが、
根本解決にはならないでしょう。

繰り返し、
悪いのはゲームそのものではなく、
ゲームとの関係性が不健全に
なってしまったことですから。

彼が、自分の喜びの時間を
ゲームのみに依存せざるをえなくなった
動機を深く理解した上で向き合わなければ、
ゲームの取り上げはいたちごっこに陥ることでしょう。

ゲーム以外に日常(人生)に
喜びを見出すために何ができるか。
人とのつながりを取り戻すために何ができるか。
大きなテーマですね。

このような状況で、母親ひとりで
対処するのには限界があります。

専門家含む、周囲に助けを求めて、
連携して問題に向き合う姿勢を
育んで欲しいと思います。

まず、息子さんと一緒に、ゲーム障害の
理解を深めることは大事かと思います。

これは専門家のカウンセリングなどでも
理解を深められるでしょう。

そして、必要であれば、
デイケアや入院治療もあります。

デイケアや入院などでは、
同じような問題をかかえる
仲間との分かち合いの時間もあり、
このようなシェアは依存症に
有効であるとされています。

孤独も依存症を進行させる原因のひとつです。

分かり合える仲間とのつながりは
依存症を乗り越える力になり得ます。

ゲームで息子さんが人生を台無しにすると
恐れているかもしれませんが、
困難を乗り越えることは可能ですし、
息子さん(や人間)を理解する
よい機会ともなると思います。

私の知人には息子さんがひきこもりから
ゲームを通じて世界を広げていったケースもあります。

困難の中にも、
彼がこのプロセスから何を学び取れるのか、
愛ある好奇心も持って、寄り添ってあげてください。

何より、彼のそばに、このように
彼を心配する愛情深いお母さんがいるのは幸運なことです。

– 川畑のぶこ

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◎編集後記
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川畑のぶこがお答えします。

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宮永笑子

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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