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2020/01/15(水)
【川畑のぶこ】Q.潔癖症・ひきこもりで辛いです
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q.潔癖症・ひきこもりで辛いです
私は私にとって常識外れの人と
我慢して付き合っていると、
突然その人に対して潔癖症になるようです。
(私にとって常識外れといっても、
一般的にも常識外れだと思うのですが)
以前は私はいい人になろう、
嫌いや苦手な人をなくそうと頑張っていました。
それも今思えば悪かったと思います。
嫌なことをされても断ってはいけない、
受け入れなきゃと思っていたし、
我慢強いのは、いいことだと思っていました。
ですが、急にアレルギーのように我慢ができなくなり、
嫌な人をバイ菌のように思ってしまうのです。
その人に関するものすべて嫌です。
触ったものさえ汚くて触れません。
掃除したくても汚なくて掃除も出来ないのです。
そのせいでひきこもりです。
助けてください。辛いです。
これからは嫌なものは嫌と言えるように
しようと思っていますが、
汚いものに触れなくて、生活ができません。
家族にも迷惑をかけていて申し訳ないし、
かといって、嫌な人が悪いのに、
なんで私が苦しまなきゃいけないのと辛いし、
我慢した私が悪かったと過去の自分が憎いし、
これからはちゃんとしようと思っているけれど、
汚いものが触れなく近づけもしないし、
一旦綺麗にしたいのにと辛いです。
文章がまとまっていませんが、
何とか変われるアドバイスを頂きたいです。
よろしくお願いします。
【千枝・40代・無職】
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A:FROM 川畑のぶこ
きっと、千枝さんは今回の相談をするのに
エネルギーを要したのではないかなと思います。
勇気を出して、このように
ご相談してくださってありがとうございます。
千枝さんのご相談を読ませていただきながら、
その悩みの答えのほとんどは、
すでに千枝さんの質問の中に
散りばめられていると思いました。
たとえば、千枝さんが「我慢をしすぎる」と
潔癖性が出てくるということですが、
これは、我慢しすぎることをやめることが
解決策であることを教えてくれています。
もちろん、ときとして
私たちは我慢が必要ですが、
「我慢しすぎ」は歪んだ無意識の信念から
もたらされるものだと思います。
千枝さんが我慢しなければならないと
思う理由のひとつは、
「我慢強い、いいこ」
であることの証明でしょう。
我慢しすぎの人の多くは、
千枝さんとおなじように、
嫌いな人や苦手な人がいてはいけない、
みんなを好きにならなくちゃいけない、
という思い込みや、
みんなから好かれなければならない
(さもなければ自分は価値がない人間だ)、
自分よりも相手を優先せねばならない
などという思い込みがあると思います。
千枝さんもお気付きのとおり、
そのような理由は事実に基づいておらず、
合理的な考え方ではありません。
このような思いを持ち続けていると、
中には千枝さんのように心身が
蝕まれてしまう人も出てきます。
人間には好き嫌いがあるものです。
この事実を受け止め、
苦手な人や嫌いな人がいてもよいと
心の底から許してあげてください。
もちろん、
かといって千枝さんの苦手な相手が
価値のない存在だということではありません。
常識というのは、その人、時間、場所、
などによって大きく変わります。
あくまでも「私」の好みや
価値に合わないというだけであり、
他の人や場ではその人らしさが
役立っていることもある
ということも、きちんと念頭に置いておきます。
早め早めにそのような考えや姿勢を修正して、
リラックスして過ごすことができれば良いのですが、
千枝さんの場合、かなり進行してしまった場合は
簡単にはいかないこともあるでしょう。
もし受診されていないのであれば、
強迫性障害、汚染恐怖症のような
治療が可能な障害の可能性がありますので、
受診して専門家の力を借りることも大切です。
他者に助けを求め、力を借りてください。
病気は(診断の有無にかかわらず)
無意識的な問題解決者でもあります。
千枝さんにとって大切なニーズが、
肯定的、意識的に満たせない時に、
否定的に、無意識的に病気が
そのニーズを満たそうとすることがあります。
たとえば、仕事が忙しく、
睡眠不足の人が病気になることによって
一日中寝ていなければいけないようなことになれば、
睡眠をとれるようになったということは病気の恩恵といえます。
千枝さんが、病んでしまった結果、
ひきこもるようになってしまったというのは、
裏を返すと、もっと一人の時間を
日頃から積極的にとりなさいという
病気からのメッセージかもしれません。
無理に人に合わせず、人に煩わされることなく、
一人でゆっくりのんびりする時間を
肯定的に、意識的にもちなさいという
メッセージである可能性があります。
千枝さんが、どこかでまだ
「そうはいっても一人では生きていけない、
誰とでも仲良く接することが
できるようにならなければ」
という気持ちを持っているのであれば、
「ときとして一人の時間は大事だ」と
「一人きり」を100%肯定してみてください。
「今は、正々堂々と一人でいることの
豊かさを味わうときだ。」と捉え直してみます。
人に合わせられないことを否定せず、
受け入れる努力をするように、
一人でいる今の自分を否定せずに、
一旦受け入れてみるのです。
ああ、私は不器用に
自分にとって大切な空間や
時間をまもっているのだなと。
嫌なものを排除することに
意識を向けるよりも、
自分を慈しむことに
エネルギーを向けてみてください。
同時に、荒れた部屋も、
(千枝さんが過剰反応しなくてよい)他者の
力を借りて綺麗にしてもらうのも良いでしょう。
家族でも、友人でも、業者でも、
今回このメルマガに助けを求めたように、
助けを求めてみてください。
そんな自分を許してあげてください。
すべてを自己完結する必要はありません。
千枝さんが素直に助けを求めることで
誰かが千枝さんを助け感謝されるという
尊い仕事が生まれます。
– 川畑のぶこ
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◎編集後記
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今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?
一人で悩んでいると、
どんどん深みにはまっていきます。
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。
お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。
宮永笑子
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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