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2019/10/30(水)

【川畑のぶこ】Q.なぜ生きているのか分かりません

カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。

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Q.なぜ生きているのか分かりません

社会人2年目、24歳です。
今年に入り、同級生や近い友人の
母親がふたり亡くなりました。

自分の親は元気ですが、
身近な大切な人が亡くなる出来事に
とてもショックを受けて、

これまで気にしなかった
生死について
考えることが増えました。

身近な人の死を
乗り越えた人の話などを読むと

「いつまでも悲しんでいるのは、
死んだ人にとってもよくないと気づいた。
だから前を向き始めることができた」
というのをよく見かけます。

しかし今の私には、
そんなことはただの綺麗事の
ように感じられます。

前なんて見えないし向きたくないです。

結局死んでしまうことを考えると、
全てのことが茶番劇のようで
無意味な気がします。

これまでの歴史の中で作られた
どんな文化や経済活動も、
本当はやる意味がないのに
必死に人間は取り組んで
いるように思えるのです。

何もかも馬鹿らしくて
面倒に感じるようになり、
しまいには何のために生きて
暮らしているのか
分からなくなってきました。

何に対してもあまり
やる気がおきなくて、

寝る前やぼーっとしている時にふと、
この世にいるのかいないのか
はっきりしないような
感覚になったりします。

生きることがどんな
意味をもつのか知りたいです。

すごく不思議なのは、
周りのだれもが、死ぬことについて
何も考えていないように見えること、

そして、それでもある程度は
幸せに生きているように見えることです。

それはそう見えるだけでしょうか。

人は、どのように
死と向き合えばよいですか。

【恵・24歳・会社員】

———————————–

A:FROM 川畑のぶこ

人間はみな、いずれ死を迎えるのに、
いったい何のために生きているのか。

死んでしまうなら生きる意味はないと、
虚しさを感じてしまうのですね。

恵さんの生や死に
真摯に向き合う姿勢が伺えます。

私は日頃、がん患者さんや
ご家族と向き合うことが多いですが、
そのような現場では、
生と死について考えることは
切っても切れない課題です。

今回恵さんが、
同級生の死や仲の良い
友人の母親の死を通して、
そのような課題に取り組み始めたのは、
同級生や友人がとても大切な人で
あるからこそだと思います。

生きるとは何なのか、
死ぬとは何なのか…

これは、私たちがいったい
何者なのかという問いへの
答えでもあるかもしれませんね。

この問いに対する単一の答え
というのはないでしょう。

人それぞれに答えがあると思います。

また、この問いに
応えようとする姿勢自体も
生きる意味に通じるのかもしれません。

生や死の本質は
物証できるものではないので、
私たち一人一人がそれらに対して
どのような信念をもって生きるかが
大切になってきます。

そして、何を信じるかは、
その人の人生の質に
大きな影響を及ぼします。

「どうせ死ぬなら生きる意味はない」
というのは、唯物主義的な考え方、
すなわち、物質として存在するものが
唯一価値のあるもので、
物質として存在しなければ
価値がないという信念が
ベースにあることが考えられます。

肉体(=物質)がなくなれば、
私たちの価値はなくなる
という考え方ですね。

もし、この考えが恵さんに苦しみを
もたしているのであれば、
他の見方や考え方がないか、
探求してみることをお勧めします。

私たちが生や死に関心をもって、
学びを深めようとしてみると、
洋の東西を問わず、世の中には
さまざまな教えがあることに
気づくことと思います。

死んだらそれで全てのおしまい
という考え方もあれば、
死後も私たちの本質
(それを魂とよぶのか、霊性と呼ぶのか、
エネルギーと呼ぶのか、
心と呼ぶのかはわかりませんが)
は存続して成長し続ける
と言う考え方もあります。

後者は多くの文化圏に
存在する考え方です。

これは、宗教や哲学や人生観や
スピリチュアルな領域の課題です。

もし、恵さんがこのような分野を
探求してこなかったのであれば、
いまがそのチャンスかもしれません。

私の臨床経験では、
多くの患者さんは、
この人生の卒業後も、
魂や見えないエネルギーとして
存在しつづけ、

大切なご縁は見えないかたちで
繋がっているという信念を育むことで、
今日この日を穏やかに、
よりよく生きていらっしゃいます。

私たちが死んだあとどうなるかは、
死んでみないことにはわかりません。

そうであれば、生きているあいだは、
信じたいことを信じて生きる権利があります。

「今見ているものや私が
今の時点で知っていることがすべて」
と結論づけるのも拙速かもしれないなと、
ぜひ愛ある好奇心をもって
恵さんなりの死生観を探求してみてください。

– 川畑のぶこ

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この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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