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2019/09/11(水)
【川畑のぶこ】Q.適当に生きるという次女について
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q.適当に生きるという次女について
18歳の次女のことで悩んでいます。
4つ上に今春から社会人になった姉、
2つ上に大学生の兄、
夫と私の5人家族です。
小さい時からオシャレに興味があり
高校入学時から進学はメイクの
専門学校と決めていました。
今春、希望通りの専門学校に入学し
楽しそうに学んでたのですが、
突然辞めると言い出しました。
続けて卒業だけでもしたら
と説得しましたが、
目標が無くなった、
無駄やと聞きません。
メイクは好きだけど、
仕事にするのは相当な努力が必要だと
講師の話から感じ、
無理だと決めたようです。
今は一人暮らしをしたい、その為に
キャバクラで働くと準備しています。
兄弟喧嘩がキッカケで出て行きたい
と思ったらしいのですが、
将来どうなりたいのか、
どんな仕事をしたいのか、
学び直す道もあるしと
提案するのですが、
わからん、適当に生きていく
と呑気に言います。
一人暮らしはしてみても
いいのかもしれませんが、
夜の仕事を目的なくするのは、
危険すぎます。
言っても聞かないし、
どうしたらいいのでしょうか?
【みどり・50代・公益財団法人】
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A:FROM 川畑のぶこ
18歳の娘さんの将来が決まらずに
やきもきしているみどりさんの
親心が伝わってきます。
娘さんの「適当に生きる」
というなげやりな言葉に
不安を感じていらっしゃる
ことと思いますが、
実際は、家族から理解が得られないので、
その場しのぎで「適当に」
かわしただけではないでしょうか。
彼女は自分の人生や
アイデンティティについて、
とても真剣に向き合い
悩んでいるように思います。
小さな時からの夢が叶わないのは、
必ずしも不運なこととは限りません。
子どものときになりたかったものに
なる人のほうがむしろ少数でしょう。
なぜなら、子どものときに
与えられている情報というのは、
極めて限られていますし、
情熱はあっても、
社会に適合するための判断力が
成熟しているわけではありません。
憧れから実際にそのような世界に
足を踏み入れてみて、
初めてわかることもあります。
そのときに、新たな方向へ
舵取りをすることを、
逃げと呼ぶのか、
善処と呼ぶのかは
人それぞれではないでしょうか。
遠くから眺めていた
憧れの宝島を目指して
出航したけれど、
目指した島には欲しい宝はなかった。
島の現実は、
遠くからみたそれとは違っていた。
でも、過去にそこに行くと
昔から決めていたのだからという理由で、
今から未来にそこに留まる
必要はありません。
たどり着いてからこそ
現実を確認できたのなら、
それは無駄足ではなく、
大事なプロセスです。
そしてその島を目指したからこそ、
水平線の向こうに以前は
見えなかった次の島が見えてくる。
そこに向かって舵をとることは
悪いことではありません。
もちろん、その次の島も
望むものではないかもしれません。
そうであれば、また次の島へ
舵取りをしたっていいわけです。
娘さんが目標を持って
前進したからこそ
たどり着いた境地を、
もう少し認めてあげても
良いのかもしれません。
心理学者のエリクソンは、青年期を
心理社会的モラトリアムと呼びました。
モラトリアムには
猶予という意味があります。
すなわち、
自分はいったい何者なのかという、
アイデンティティー(自我同一性)を
確立するまえの猶予期間です。
社会人になるまえに、
試行錯誤する期間、
自分探しをする時期というのは
だれにでもあるものです。
真剣だからこそ悩みが深まり、
なかなか前進できない、
無気力になったり無関心に
なったりすることもあります。
その形態も人それぞれでしょう。
いまみどりさんの娘さんは
このモラトリアム期におり、
アイデンティティーを
確立していく過程にいると
受け止めてみてはいかがでしょうか。
もちろん、親として心配なことは
きちんと伝えたら良いです。
でも、相手の立場の理解なしに
言いたいことだけを言っても、
娘さんの心には響かないでしょう。
まず、結果を急がず、
娘さんの抱えている課題や状況を
理解することから始めてみてください。
– 川畑のぶこ
P.S
川畑のぶこへの質問・ご相談は、
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◎編集後記
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宮永笑子
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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